異世界に勇者召喚されたけど召喚してきたのが魔王だった件。

夢月 悠

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異世界へ

2話 魔力

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取り敢えず現状をまとめる。

魔王軍は人間から悪魔と呼ばれ恐れられている。
しかしその実態は魔力を持った人間である。
魔王達の目的は魔力を持たない人間との共存であり、それを果たすには世界征服をするのが最も早いと考えた。
初めは話し合いでどうにかしようとしていたが、人間側は拒絶、敵対し、話にならなかった。
そこで力ずくでの解決へと発展したが、人間達が開発した対悪魔用科学兵器に苦戦している。
少年が呼ばれたのはその対悪魔用科学兵器に対抗する為。
異世界から来た少年は対悪魔用科学兵器が効かない可能性がある。

大体こんな感じ。


「……という訳なのだ。勇者よ!我が魔王軍を勝利へと導いてくれ!」
「あのさ、一つ聞いていいか?」
「我等に答えられることなら」
「俺に魔力はあるのか?」
「    」
「え?」
「考えてなかった…」


10分後

魔力はどうやら調べられたようだ。
「先に言えよ」
「ゴメン今思い出した」

魔力の有無とその性質(使える魔法)を調べるのは、血液検査で行うらしい。
「そこは普通なんだな」
「気にするな」
「魔王キャラ変わってない?」
「気にするな」
という会話をしながら検査は進んでいく。


5分後

検査が終わったらしい。

「で、結果は?」
少年は少しワクワクしていた。何せ少年は大人びているといってもまだ10歳なのだ。
「ああ、それなんだが、お前に魔力は無かった」
「え?そんな…じゃ、俺はどうすれば…」
「大丈夫だ。魔力が無くてもお前は充分戦える素質がある」
魔王によると、少年は魔力こそ無かったが特殊な力が眠っていたらしい。

「その力は、かつて唯一神が他の神を統べる時に使ったとされるものだ」
「勿体ぶらずに言えよ」
「───絶対的服従力」
「何それ。魔力とどう違うんだ?それと名前がありきたりすぎてダサい」
「名前に関しては何も言うな。(作者に)消されるぞ」
ぶっ殺すぞ少年
「で、魔法との違いは、魔力は使い手の体内に血液と共に流れている。それを使って出すのが魔法。超能力のようなものだと思えば早いかもな。しかし、お前にあるのは超能力では無い。人間の本来持つ性能の一部─今回のお前で言うとカリスマ性になる─だけが異常に高いのだ。」
そして、魔力は生まれつきある物で後から無くなったりつく事も無い。一方、少年の力は、後々成長によって現れもするし無くなりもする。この二つ共を持つ者は無いとされている。
「じゃあ、唯一神は魔法は使えなかったのか?」
「そうだ。唯一神はその力だけで強力な魔法を使う他の神てきを倒し、頂点に立ったんだ。だから、その力は使いようによっては最強になりうる!そして今一度頼む!我等魔王軍を!その力で、勝利へと導いてくれないか!」

「ああ。良いぜ。やってやるよ」

ダークヒーローも悪くない。そう、少年は決意した。
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