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第4章 仲間達との絆
cys:76 許せない怒り
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「うあぁぁぁっ……!」
「ヒイッッ!……!」
2人の男達はノーティスとジークから立ち昇る圧倒的戦闘力にガタガタ震えているが、その内の1人は手を後ろに回しながら密かに魔力を溜めていた。
そしてニヤッと笑ったと同時に、ノーティスとジークに両手をバッと向け魔法を放つ。
「『マジック・スフラギー』!!」
レイが眠っている間にかけられた、魔力封じの技だ。
それを放った男は冷や汗をダクダクとかきながらも、ノーティスとジークを指差して嗤う。
「ヒャハハッ! これで、さっきみたいなデタラメな技は使えまい。油断したな! バカめ」
けれど、ノーティスとジークの表情は一切変わらない。
冷酷な目で見据えたままだ。
「はっ? それがなにか」
「ったくよ」
ノーティスとジークが平然とそう言い放つ中、もう1人の男はサッと2人の背後に回り、後ろからスタンガンをノーティスへ向けて飛び掛かってきた。
「キャハハハハッ! 痺れちまいな!」
だが、ノーティスはその男の腕を掴むと軽く捻ると、逆にその男にスタンガンを押し当てた。
バチバチバチっ!!
「なっ?! カハッ!!!」
その男が一瞬で気絶すると、ノーティスは男の胸ぐらをグイッと掴んで掴み上げ頬をペチペチ叩く。
「おーい、勝手に寝てんじゃねぇよコラ。起きろ」
けれど男が目を醒まさないので、ノーティスは男の胸ぐらを片手で掴んだまま拳の風圧でドアをドガッ!! と、吹き飛ばした。
怒りにキレてるノーティスの前では、ドア等何の意味も無い。
「ルミ―――、すまない。ちょっと来てくれ!」
「は、はい、ノーティス様」
すぐに来たルミに、ノーティスは男の胸倉を掴んだまま頼む。
「ルミ。悪いんだけどコイツ、気付けの魔法で起こして。今から拷問しなきゃいけないから」
「あっ……はい。ノーティス様。でも拷問はちょっとどうかと……ハハッ……」
拷問という言葉に少し引き気味のルミに、ノーティスはサラッと告げる。
「コイツらレイに手をかける寸前だったし、レイの頬を引っぱたきやがった」
するとルミは一瞬目を見開き、ノーティスを応援する表情に切り替わった。
目の前の2人の男達に対する怒りの炎が宿っている。
「やっちゃって下さい!! ノーティス様!」
「だよなルミ。じゃあ頼む」
ノーティスがそう告げるとルミは男に気付けの魔法をかけ、目を強制的に覚まさせた。
「あっ……ヒィィィィィッ!」
叫びを上げた男の事を、ノーティスは凍るように冷酷な眼差しで見下ろしている。
「テメェ、勝手に寝んなよ。地獄に行く前にリハーサルがまだだろーが。あっ?」
「うひゃぁぁぁぁぁっ……!」
男が顔を真っ青にした時ノーティスはその男をグイッと持ち上げ、もう1人の男の方へドガッ! と放り投げ凍てつくような瞳を向けた。
「お前もだからな」
そう告げられた2人は、壁の端でガタガタ震えてノーティスに悲愴な顔を向けている。
「な、なんで『マジック・スフラギー』が効かないんだ?」
「それに、あっしのスタンガンの不意打ちも破るなんて……」
ガタガタと怯える二人の事を、ノーティスは凍るような視線で睨みつける。
「バカか。あんなもん、弾き返すなんて俺らには造作もないんだよ。それとバチバチクソ野郎。目の前にしてりゃ、あんなトロイ攻撃当たる訳ねーだろ。酔ってフラフラの女に当てたからって、調子こいてんじゃねーぞ!!」
激しい怒りで口調が荒くなってるノーティスに、ルミもジークも少し引き気味だ。
「ハハッ……ジーク様。今日のノーティス様は止まりそうにありませんね」
「まあ、ノーティスの奴、キレるとあんな感じだったぜ」
「えっ?」
キョトンとした顔で見上げてきたルミに、ジークはバツ悪そうに顔をしかめて片手で頭を掻いた。
「あーー前に、お前さんを攫った時によ……」
「ああ~~~、そうでしたね」
そう言ってクスッと笑ったルミ。
今となっては思い出に出来ているから。
そんな感じで少し和んでる2人だが、もちろんジークもルミも怒っている。
ただ、ノーティスの怒りが激し過ぎるので逆に少し落ち着いてしまうのだ。
特にジークは負い目がある分そう感じてしまう。
───チッ、けどよ……
そう。それとコレとはまた別だ。
ジークはルミに直接危害は加えていないし、何より自分が想う女に手をかけようとした輩共を、許す事なんて出来はしない。
「ノーティス、すまねぇ。一瞬引いちまったが、お前さんの怒りはごもっともだ。で、どーするよコイツら」
「おっ、ジーク。こっちこそすまない。おしゃべりが過ぎたな。それに昔、師匠から言われたよ」
「ん、先生から?」
「物事は、手を動かしながら考えろって」
「あーーーーっ、さすが先生だ♪」
「って、事で……」
「ヒイッッ!……!」
2人の男達はノーティスとジークから立ち昇る圧倒的戦闘力にガタガタ震えているが、その内の1人は手を後ろに回しながら密かに魔力を溜めていた。
そしてニヤッと笑ったと同時に、ノーティスとジークに両手をバッと向け魔法を放つ。
「『マジック・スフラギー』!!」
レイが眠っている間にかけられた、魔力封じの技だ。
それを放った男は冷や汗をダクダクとかきながらも、ノーティスとジークを指差して嗤う。
「ヒャハハッ! これで、さっきみたいなデタラメな技は使えまい。油断したな! バカめ」
けれど、ノーティスとジークの表情は一切変わらない。
冷酷な目で見据えたままだ。
「はっ? それがなにか」
「ったくよ」
ノーティスとジークが平然とそう言い放つ中、もう1人の男はサッと2人の背後に回り、後ろからスタンガンをノーティスへ向けて飛び掛かってきた。
「キャハハハハッ! 痺れちまいな!」
だが、ノーティスはその男の腕を掴むと軽く捻ると、逆にその男にスタンガンを押し当てた。
バチバチバチっ!!
「なっ?! カハッ!!!」
その男が一瞬で気絶すると、ノーティスは男の胸ぐらをグイッと掴んで掴み上げ頬をペチペチ叩く。
「おーい、勝手に寝てんじゃねぇよコラ。起きろ」
けれど男が目を醒まさないので、ノーティスは男の胸ぐらを片手で掴んだまま拳の風圧でドアをドガッ!! と、吹き飛ばした。
怒りにキレてるノーティスの前では、ドア等何の意味も無い。
「ルミ―――、すまない。ちょっと来てくれ!」
「は、はい、ノーティス様」
すぐに来たルミに、ノーティスは男の胸倉を掴んだまま頼む。
「ルミ。悪いんだけどコイツ、気付けの魔法で起こして。今から拷問しなきゃいけないから」
「あっ……はい。ノーティス様。でも拷問はちょっとどうかと……ハハッ……」
拷問という言葉に少し引き気味のルミに、ノーティスはサラッと告げる。
「コイツらレイに手をかける寸前だったし、レイの頬を引っぱたきやがった」
するとルミは一瞬目を見開き、ノーティスを応援する表情に切り替わった。
目の前の2人の男達に対する怒りの炎が宿っている。
「やっちゃって下さい!! ノーティス様!」
「だよなルミ。じゃあ頼む」
ノーティスがそう告げるとルミは男に気付けの魔法をかけ、目を強制的に覚まさせた。
「あっ……ヒィィィィィッ!」
叫びを上げた男の事を、ノーティスは凍るように冷酷な眼差しで見下ろしている。
「テメェ、勝手に寝んなよ。地獄に行く前にリハーサルがまだだろーが。あっ?」
「うひゃぁぁぁぁぁっ……!」
男が顔を真っ青にした時ノーティスはその男をグイッと持ち上げ、もう1人の男の方へドガッ! と放り投げ凍てつくような瞳を向けた。
「お前もだからな」
そう告げられた2人は、壁の端でガタガタ震えてノーティスに悲愴な顔を向けている。
「な、なんで『マジック・スフラギー』が効かないんだ?」
「それに、あっしのスタンガンの不意打ちも破るなんて……」
ガタガタと怯える二人の事を、ノーティスは凍るような視線で睨みつける。
「バカか。あんなもん、弾き返すなんて俺らには造作もないんだよ。それとバチバチクソ野郎。目の前にしてりゃ、あんなトロイ攻撃当たる訳ねーだろ。酔ってフラフラの女に当てたからって、調子こいてんじゃねーぞ!!」
激しい怒りで口調が荒くなってるノーティスに、ルミもジークも少し引き気味だ。
「ハハッ……ジーク様。今日のノーティス様は止まりそうにありませんね」
「まあ、ノーティスの奴、キレるとあんな感じだったぜ」
「えっ?」
キョトンとした顔で見上げてきたルミに、ジークはバツ悪そうに顔をしかめて片手で頭を掻いた。
「あーー前に、お前さんを攫った時によ……」
「ああ~~~、そうでしたね」
そう言ってクスッと笑ったルミ。
今となっては思い出に出来ているから。
そんな感じで少し和んでる2人だが、もちろんジークもルミも怒っている。
ただ、ノーティスの怒りが激し過ぎるので逆に少し落ち着いてしまうのだ。
特にジークは負い目がある分そう感じてしまう。
───チッ、けどよ……
そう。それとコレとはまた別だ。
ジークはルミに直接危害は加えていないし、何より自分が想う女に手をかけようとした輩共を、許す事なんて出来はしない。
「ノーティス、すまねぇ。一瞬引いちまったが、お前さんの怒りはごもっともだ。で、どーするよコイツら」
「おっ、ジーク。こっちこそすまない。おしゃべりが過ぎたな。それに昔、師匠から言われたよ」
「ん、先生から?」
「物事は、手を動かしながら考えろって」
「あーーーーっ、さすが先生だ♪」
「って、事で……」
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