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紅華城の落城
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親とは、木の上に立って見ると書くが、己の母は木を赤子のように抱いているのだ。
そう、お紅は目の前の女を見て思った。
きりきりきり、からからから、と歯車の回る音が燃える天守閣で鳴り響いている。
これがただの絡繰りであればお紅もすべて許してしまえたのかもしれない。
母、菊の狂気も、妄執もなにもかも。
しかし許せなかった。断じて許してはいけないものを母はその胸に抱いていた。
「ご覧、お紅や。父上様がお帰りになられたえ」
ただの『木偶』を胸に抱いた母が口端を持ち上げ歪に笑う。
美しかった長い黒髪はざんばらに乱れておりかつての優美さなど最早見る影もない。
白磁のようだった肌も今では老いた松の樹皮より乾いていた。瞳の焦点も合っておらず、ただ燃えさかる炎によって紅花色に妖しく輝いている。
着物は大きくはだけて骨の浮き出た肩を晒していた。腰の帯がかろうじて脱げ落ちるのを防いでいるが、羞恥などという感情はすでに消え失せているようだ。
帯を彩る金椿が、今にも落ちる首に見えた。
「母上、それは父上ではございませぬ」
変わり果てた母の姿を苦々しく思いながらお紅は告げた。
お紅の目は母の胸元できろきろと眼球を動かし続けている『木偶』を睨んでいる。
これがこの世に存在していること自体がお紅には嘔気を起こすほど許しがたい。
動物の皮を被ったただの『木偶』。
中身はこの火の中にくべればたちまち炭となるだろう。
人間と同じように五体を持つこの『木偶』はいわば人形、それも母、菊が手ずから作った絡繰り人形だ。
その顔はお紅のよく知った造りをしている。
亡き父、唐津橋義正だ。
無論父などではない。
あれはただの木偶人形に過ぎない。
だのにそれが母にはまったくわからない。
正気を失っているのだ。ただの木偶人形を父だと思い込み、死んだ人間が戻ってきたと嬉しげに語っている。
気分が悪い。
お紅は内心歯噛みする思いだった。
「……何を言うておる? どこをどう見てもほれ、お前の父上様ではないか」
お紅の言葉を聞いた母は暫しの間をあけて、童女のようにころりとあどけなく首を傾げ笑った。
そのあまりに拙い仕草にお紅の胸が引き絞られる。
己の言葉などまるで届いていない。母は最早夢幻の中に生きているのだと、どれだけ否定したくとも認めるほかなかった。
爆ぜる火の粉が舞い散り、熱気と煙のせいで酷く息苦しい。
しかしたとえ狂女と化していようとも母を置き去りにするわけにはいかない。
攻め落とされたこの城は長くは持たないだろう。
今にも兵が天守へと駆け上ってくる。
多くの民が死んだ。
このうえ母を死なせるわけにはいかない。
たとえ、当人がすでにこの世を生きておらずとも。
「ほれ、お父上様じゃぞお紅。お前を呼んでおるではないか」
がしゃりがしゃりと。
そっと痩せ細った手を添えて、母はお紅に無機質な人形の顔を向けてみせた。そうして利き手に付けた繰り糸で、人形をたやすく動かしていく。
鯨のひげによるばねを組み込まれた人形は、継ぎ接ぎだらけの異様な腕をかたかたと動かし母の腰に回してみせた。
まるでかつての父、義正の仕草を真似るように。
その光景に、お紅の頭がかっと熱く煮え滾った。今すぐあの糸を腰の脇差で叩き切りたい憤怒に駆られる。
父ではない紛い物が、母に触れていることが叫び散らしたいほど度し難かった。こんなものはただのがらくただと、怒りに燃える心で吐き捨てる。
お紅を見る人形のがらんどうな目には何も映っていない。生気の無い眼窩にはまっているのは偽物の眼球だ。だというのに、お紅にはその硝子玉が己を嘲笑っているかのように見える。
ばちり、と爆ぜた火がお紅と母の間に飛び散り、燃えている床板に血飛沫がごとく色を焼き付けた。
「違う、違いまする……母上!」
唇は震え、歯を食いしばりお紅は首を左右に何度も振った。口内に鉄の味が広がっている。舞う火の粉が頬を焼き、痛みを感じた。だが今まさに痛みを訴えているのは己の心の方だった。
人形を抱き、人形に抱かれ、恍惚とした表情を浮かべる母の姿は見るに堪えない。
人間が壊れる瞬間を、母が壊れる瞬間を、齢十にしてお紅はまざまざと見せつけられていた。
「母上! 何故わからぬのです! そんなものは父上ではありませぬ!」
叫びながら、お紅は己の言葉が壊れかけた母への最後の一突きになることを知っていた。
今から己が母を殺すのだと。
「父上は……っ死に申した! それはただの人形にございます!!」
噛みしめ過ぎた歯は血を流し、お紅の口端に一筋の線となって流れている。
堅く握りしめた拳は真っ白で、今にも爆発せんばかりに小刻みに震えていた。
目が熱かった。流れているのが涙なのか、血なのか、お紅にはわからない。
ぴしり、と天守閣を支える柱のいくつかに亀裂が走り抜ける音が聞こえた。
「黙れお紅! わらわの愛しいお方に!っ 父上に何ということを!!」
烈火のごとく怒り狂いながら、母はお紅に憎悪の眼差しを向けた。その顔は般若のように厳めしく、惨い事実を突きつけた仇を恨めしげに睨んでいる。
優しく人形繰りを教えてくれた母は消え失せた。
いるのはただ、愛しい男を失い鬼女と化した女だけだった。
それでも、お紅は震える手を母に伸ばした。伸ばさずにはいられなかった。
「母上っ……!」
その時、城の崩落を押し留めていた土台柱が最後の断末魔を上げた。支えを失った城は瞬く間に轟音の中へと崩れ落ちていく。さながら龍の咆哮だった。
いつか見た山崩れのように、雪崩れるように城が滅び落ちていく。
人々に美しき花咲き乱れし城と呼ばれた紅華城の息の根が今、止まろうとしていた。
城主、唐津橋義正が一人娘、お紅は涙に濡れた目で見つめていた。
業火の中、人形を抱いたまま笑みを浮かべる母、菊の姿を。
その上に、炎と瓦礫が崩れ落ちていくのを。
隙間から見えた天空には赤い星雲が広がっていた。
「ははうええええええ――――っ!!」
滅びゆく城の悲鳴と、お紅の慟哭が燃える空を切り裂いた。
母を助けんと伸びた手の指先が宙を掻く。爆ぜた木片がお紅の右目に飛んだ。
眼球が焼かれ、片目の視界が真っ黒になる。
皮膚が燃える生臭い臭いが鼻をついた。
顔が熱いのは、火のせいか。涙のせいか。
燃えているのは血か。心か。
意識が奈落へと落ちる間際、倒れ込んだお紅の身体を家臣の誰かが支えた。
誰かはわからない。家臣はぐったりとくず折れたお紅を抱え、燃える城を駆け抜け外へと連れ出していく。
すべてが遠ざかる朦朧とした意識の中、お紅は家臣の背で燃ゆる空へと舞い上がる火の粉を見つめていた。
蛍のように登る火の中で、風に翻る着物の切れ端があった。
それは父と母がお紅によく似合うと言うてあつらえてくれた唐紅の晴れ着だ。
力が入らぬ腕を僅かに上げ、お紅は縋るように指を伸ばした。幸福な日々の名残を、どうにか捕まえたくて。
切れ端は外側から黒い墨と化し、高く高く登っていく。
今はもう二度と戻らない景色が灰燼と帰すのを、お紅は泣き濡れた瞼を落としながら、見送った。
―――それが、慶長元年のことだった。
そう、お紅は目の前の女を見て思った。
きりきりきり、からからから、と歯車の回る音が燃える天守閣で鳴り響いている。
これがただの絡繰りであればお紅もすべて許してしまえたのかもしれない。
母、菊の狂気も、妄執もなにもかも。
しかし許せなかった。断じて許してはいけないものを母はその胸に抱いていた。
「ご覧、お紅や。父上様がお帰りになられたえ」
ただの『木偶』を胸に抱いた母が口端を持ち上げ歪に笑う。
美しかった長い黒髪はざんばらに乱れておりかつての優美さなど最早見る影もない。
白磁のようだった肌も今では老いた松の樹皮より乾いていた。瞳の焦点も合っておらず、ただ燃えさかる炎によって紅花色に妖しく輝いている。
着物は大きくはだけて骨の浮き出た肩を晒していた。腰の帯がかろうじて脱げ落ちるのを防いでいるが、羞恥などという感情はすでに消え失せているようだ。
帯を彩る金椿が、今にも落ちる首に見えた。
「母上、それは父上ではございませぬ」
変わり果てた母の姿を苦々しく思いながらお紅は告げた。
お紅の目は母の胸元できろきろと眼球を動かし続けている『木偶』を睨んでいる。
これがこの世に存在していること自体がお紅には嘔気を起こすほど許しがたい。
動物の皮を被ったただの『木偶』。
中身はこの火の中にくべればたちまち炭となるだろう。
人間と同じように五体を持つこの『木偶』はいわば人形、それも母、菊が手ずから作った絡繰り人形だ。
その顔はお紅のよく知った造りをしている。
亡き父、唐津橋義正だ。
無論父などではない。
あれはただの木偶人形に過ぎない。
だのにそれが母にはまったくわからない。
正気を失っているのだ。ただの木偶人形を父だと思い込み、死んだ人間が戻ってきたと嬉しげに語っている。
気分が悪い。
お紅は内心歯噛みする思いだった。
「……何を言うておる? どこをどう見てもほれ、お前の父上様ではないか」
お紅の言葉を聞いた母は暫しの間をあけて、童女のようにころりとあどけなく首を傾げ笑った。
そのあまりに拙い仕草にお紅の胸が引き絞られる。
己の言葉などまるで届いていない。母は最早夢幻の中に生きているのだと、どれだけ否定したくとも認めるほかなかった。
爆ぜる火の粉が舞い散り、熱気と煙のせいで酷く息苦しい。
しかしたとえ狂女と化していようとも母を置き去りにするわけにはいかない。
攻め落とされたこの城は長くは持たないだろう。
今にも兵が天守へと駆け上ってくる。
多くの民が死んだ。
このうえ母を死なせるわけにはいかない。
たとえ、当人がすでにこの世を生きておらずとも。
「ほれ、お父上様じゃぞお紅。お前を呼んでおるではないか」
がしゃりがしゃりと。
そっと痩せ細った手を添えて、母はお紅に無機質な人形の顔を向けてみせた。そうして利き手に付けた繰り糸で、人形をたやすく動かしていく。
鯨のひげによるばねを組み込まれた人形は、継ぎ接ぎだらけの異様な腕をかたかたと動かし母の腰に回してみせた。
まるでかつての父、義正の仕草を真似るように。
その光景に、お紅の頭がかっと熱く煮え滾った。今すぐあの糸を腰の脇差で叩き切りたい憤怒に駆られる。
父ではない紛い物が、母に触れていることが叫び散らしたいほど度し難かった。こんなものはただのがらくただと、怒りに燃える心で吐き捨てる。
お紅を見る人形のがらんどうな目には何も映っていない。生気の無い眼窩にはまっているのは偽物の眼球だ。だというのに、お紅にはその硝子玉が己を嘲笑っているかのように見える。
ばちり、と爆ぜた火がお紅と母の間に飛び散り、燃えている床板に血飛沫がごとく色を焼き付けた。
「違う、違いまする……母上!」
唇は震え、歯を食いしばりお紅は首を左右に何度も振った。口内に鉄の味が広がっている。舞う火の粉が頬を焼き、痛みを感じた。だが今まさに痛みを訴えているのは己の心の方だった。
人形を抱き、人形に抱かれ、恍惚とした表情を浮かべる母の姿は見るに堪えない。
人間が壊れる瞬間を、母が壊れる瞬間を、齢十にしてお紅はまざまざと見せつけられていた。
「母上! 何故わからぬのです! そんなものは父上ではありませぬ!」
叫びながら、お紅は己の言葉が壊れかけた母への最後の一突きになることを知っていた。
今から己が母を殺すのだと。
「父上は……っ死に申した! それはただの人形にございます!!」
噛みしめ過ぎた歯は血を流し、お紅の口端に一筋の線となって流れている。
堅く握りしめた拳は真っ白で、今にも爆発せんばかりに小刻みに震えていた。
目が熱かった。流れているのが涙なのか、血なのか、お紅にはわからない。
ぴしり、と天守閣を支える柱のいくつかに亀裂が走り抜ける音が聞こえた。
「黙れお紅! わらわの愛しいお方に!っ 父上に何ということを!!」
烈火のごとく怒り狂いながら、母はお紅に憎悪の眼差しを向けた。その顔は般若のように厳めしく、惨い事実を突きつけた仇を恨めしげに睨んでいる。
優しく人形繰りを教えてくれた母は消え失せた。
いるのはただ、愛しい男を失い鬼女と化した女だけだった。
それでも、お紅は震える手を母に伸ばした。伸ばさずにはいられなかった。
「母上っ……!」
その時、城の崩落を押し留めていた土台柱が最後の断末魔を上げた。支えを失った城は瞬く間に轟音の中へと崩れ落ちていく。さながら龍の咆哮だった。
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業火の中、人形を抱いたまま笑みを浮かべる母、菊の姿を。
その上に、炎と瓦礫が崩れ落ちていくのを。
隙間から見えた天空には赤い星雲が広がっていた。
「ははうええええええ――――っ!!」
滅びゆく城の悲鳴と、お紅の慟哭が燃える空を切り裂いた。
母を助けんと伸びた手の指先が宙を掻く。爆ぜた木片がお紅の右目に飛んだ。
眼球が焼かれ、片目の視界が真っ黒になる。
皮膚が燃える生臭い臭いが鼻をついた。
顔が熱いのは、火のせいか。涙のせいか。
燃えているのは血か。心か。
意識が奈落へと落ちる間際、倒れ込んだお紅の身体を家臣の誰かが支えた。
誰かはわからない。家臣はぐったりとくず折れたお紅を抱え、燃える城を駆け抜け外へと連れ出していく。
すべてが遠ざかる朦朧とした意識の中、お紅は家臣の背で燃ゆる空へと舞い上がる火の粉を見つめていた。
蛍のように登る火の中で、風に翻る着物の切れ端があった。
それは父と母がお紅によく似合うと言うてあつらえてくれた唐紅の晴れ着だ。
力が入らぬ腕を僅かに上げ、お紅は縋るように指を伸ばした。幸福な日々の名残を、どうにか捕まえたくて。
切れ端は外側から黒い墨と化し、高く高く登っていく。
今はもう二度と戻らない景色が灰燼と帰すのを、お紅は泣き濡れた瞼を落としながら、見送った。
―――それが、慶長元年のことだった。
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