世界は私次第。

しふぉんけーき〈シフォントス〉トス

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こんな世界

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こんな世界なんて。

あっても意味ない

【私が世界を壊せればいいのに】



「・・・2階じゃ、無理か。」

「・・・どした、柚杏。」

「なんでも、無いよ。篠山」

俺の幼なじみの少女柚杏は無意味に2階からベランダを見下ろしている。

俺がこいつの秘密を知ったのは、本当につい最近だ。

「柚杏、壊さないでくれよ。」

「ムリかも、篠山。」

幼馴染。なのに柚杏は頑なに俺のことを篠山と呼ぶ。

「・・・お前、もう少し頑張れよ。」

「・・・嫌だよ、篠山。無理だよ。」

わかってる。コイツはそういう奴なんだ。

「柚杏、お前は強いんだろ?大丈夫」

昔、柚杏と初めて会った時。
こいつは、【私は柚杏。祐月柚杏。私は強いの。・・・この無意味な世界より、ずっと】

「それはこの世って意味じゃなくて、この地球って意味なの。わかる?篠山。それよりさ、同じクラスの、沖谷さん、だっけ。バカよね。私に飛び降り自殺しろ、だなんて。」

「・・・怖く、ないのか?」

「・・・バカ。怖いよ。でも篠山は私を見捨てないでしょ?」

柚杏はこの世界の命だ。
柚杏の生命エネルギーを糧としてこの地球は生きている。
柚杏が死ねば、世界はあっという間に終焉を迎える。

「・・・理不尽かよ。」

「・・・何が。私が死ねばこの世界が壊れること?それなら私は理不尽とは思ってないの。だって私はこの世界が壊せるから。嬉しいんだよ。篠山。」

コイツは世界を憎んでいる。
幼い頃の、ひとつだけの出来事がきっかけで。



夢をよく見た。
小さい頃の話だが。

俺は、友達と遊んでいた。
そうすると、必ず気づけば1人になっていて、白色の服を身にまとった女の子に【大丈夫】と言われる夢。

その夢を始めてみたその日から俺の信じる言葉は大丈夫になった。

俺はいつか、誰かを大丈夫にできる存在に、誰かの命を救う存在になりたい。

俺の将来の夢は、その日から医者になった。



「柚杏、お前、大丈夫か?」

「なに、篠山。まるで私が大丈夫じゃないみたいな言い方するね。」

「まぁな。」

俺は知ってる。
この、祐月柚杏という人間は人間では無いこと。
この、祐月柚杏という人間は絶対に世界を滅ぼすこと。
この、祐月柚杏という人間は神と対等の位置に居るということ。

そしてまもなく沖谷は死ぬということを。
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