スライムなのに悪役令嬢になっちゃった!?・・・荷が重い!!

みやさん

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美少女との出会い編

へーんしーん!!

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じーーーーーっと、ファイヤーオパールのような紅い瞳と瞳が見つめ合う。

フローレンスの唖然として驚いた表情を浮かべた顔の前にぽかんとしたの顔がある。

その2人の横で2人の顔を忙しなく交互に見るリタの姿があった。

この状況に誰も声を出せなかった。



・・・・・そんな沈黙を破ったのは、リタだった。



「お嬢様・・・・・が、2人・・・・・。わたしの目がおかしくなったので・・・・・しょう・・・か?」


その言葉に返事をしたのは、スライムヒナタだった。


「え?お嬢様って双子だったの?あれ?でも1人しか居ないよ?リタさん何を言ってるのかな?」

「「・・・・・え??」」


ヒナタにフローレンスとリタ、2人の視線が集中した。その視線にたじろぐヒナタ。


「はえ?なに?」

「あなた・・・は、その・・・スライムさん・・・なの?」

「え?聞いたって言ってる事分かんないだろうけど、スライムですよー。何か様子がおかしいな?どうしたんだろう?」

「・・・・・自覚がないの??・・・スライムさん、姿が・・・その、・・・変わっているわよ?」

「えっ?姿が変わって?・・・・・!!」


ヒナタは自分の顔を両手でペタペタと触り、感触が違う事にようやく気がついたようだった。

そして、視界に漆黒の髪がサラッと流れたのが見えた。


「わっ!!わあぁぁぁ!!何コレ!?どういうことぉぉぉ!!?」

「それはこっちのセリフですわぁぁぁ!!!」


スパーーンッ!と、いつの間にかお嬢様が持っていた扇子がヒナタの頭部にヒットした。


「いっっったあぁぁぁぁぁいぃぃ!!」

「なんでスライムなハズなのに、人間に変化したのよ!?それもなんでわたくしの姿なの~!!?」

「お・お・お嬢様!!その、スライムの姿が変わったのはとても驚きましたが、あの・・・その、ふ・服を・・・何か服を着せません事には・・・話もできません!」

「はっ!!そうねっ!リタ!素晴らしい事に気がついたわ!すぐにわたくしので構わないから服を用意してちょうだい!」

「か・かしこまりました!」


パタパタと急ぎ足でフローレンスのクローゼットの中を探す。そして、シンプルな青色のワンピースを持ってきた。


「とりあえず、コレはいかがでございますか?」

「うん。それでいいわ。着せてあげてちょうだい。」

「はい!すぐに!スライムさんはこちらへどうぞ。」


テキパキと下着からワンピースまで着せられていく。靴まで履かせてもらい、やっと落ち着いたところで一息つけた。

その頃にはフローレンスも落ち着いたようで、ソファに座りリタが入れてくれていた紅茶で寛いでいた。

実際は必死に冷静になろうとしているのかもしれないが。


「お嬢様。終わりました。」

「ご苦労様。助かったわ、リタ。ありがとうね。」

「いえ、とんでもないです。」


為されるがままだったヒナタも、ようやく自分の身に何が起こったのか理解する事ができた。そして、これからの自分の未来に不安を覚えていた。


「あの・・・、」

「さて、スライムさん?」


ヒナタが話しかけようとするのを遮り、フローレンスが話しかけてきた。


「あなたは、人の姿に変化する事もできるのね?」

「えっ・・・あ、その、・・・なんかできてますね?あは、は」

「??自分で理解していなかったの?」

「えっ~と、そう・・・ですね?」

「何?はっきりしなさいな?」


煮え切らないヒナタの態度に困惑が隠せないフローレンス。


「その~・・・人の姿に変化したのは初めてなので・・・よく、分からないです。」

「そうなの。じゃあ、なぜ今、変化したの?」

「それも、その、分からないです。」

「どういう事?」


再び紅い瞳が見つめ合う。困惑の色が隠せていない。
そこへリタがおずおずと話しかけてきた。


「あの、お嬢様?気がついた事があるのですが・・・、その、もしかしたら、お嬢様が言った事が関係しているのでは?」

「え?わたくし?」

「はい・・・その、先程のーーー」




"わたくしみたいに話さないかしら!?"





リタの指摘にハッとなるフローレンス。思い当たった事に愕然となる。


「まさか・・・え、でも、言われてみると思い当たるのはそれくらいしか・・・。」

「おそらく、騎獣を従えるための魔道具も影響したのかもしれません。本人?でいいのかしら、その、スライムの意思関係なくお嬢様の言葉に反応したのかも。」

「そうなのかしら・・・。それでも、スライムが変化するなんて聞いたことないわ。」

「さようでございますね・・・。」


しげしげと見つめられ、居心地の悪い思いをしていたヒナタだったが、ふと、フローレンスと目が合うとニヤリと黒い笑顔を向けられた。


「あなた、かなり使えるわね!いい拾い物をしたわ!」
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