世界は冒険に満ちている!(笑)

みやさん

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お宝はいただいた!

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操られていたアッシュを救い出し、目的の部屋へと侵入できた怪盗ユータ。

そこにはたくさんの宝石がガラスケースにそこかしこへと並べられ、キラキラと輝いていた。

怪盗ユータは、目的の宝石を探す。

程なく目的のものを見つけ出した!


「やったぁぁぁ!これこれー!」


いつもの怪盗ユータらしからぬミスをここで犯してしまう。
目的の宝石を見つけた事により、警戒心が緩んでしまったのだ。

ガラスケースに入った宝石に駆け寄り、ガラスに手をかけ持ち上げた。


その瞬間!


台座の部分からシュン!と音がしたかと思うと矢が飛び出してきたのだ。

反射的に避ける怪盗ユータだったが、ギリギリ避けきれない・・・が、その怪盗ユータをドンッ!と押し出す前足が怪盗ユータの視界に掠った。

アッシュだった。

アッシュは、警戒を怠らず怪盗ユータを見守っていたのだ。
その事が、怪盗ユータを罠から救ったのだった。

だがしかし、その代償として矢がアッシュの体に刺さってしまった。


「アッーーーシュ!!!」


痛みを堪えるように、ぎゅっと目を閉じただ痛みに集中しているアッシュの様子に怪盗ユータは後悔が沸いてくる。


「アッシュ、ごめん。ぼくが油断していたばっかりに・・・ちょっと痛いかもしれないけど、矢を抜くからね。」


怪盗ユータは矢に手をかけると「せーのっ」と声をかけ一気に引き抜いた。


「ぎゃうんっ!!」

「ほら、このポーションを飲むと大丈夫だぞ。」


そう言ってポーションを差し出す。だが、なかなかアッシュはポーションを飲まなかった。

なぜなら、ポーションの色がおかしかったから。無色のはずが、なぜか茶色い。怪しんで飲めずにいたのだ。

だが、そうとは知らず怪盗ユータは早く飲むように急かしてくる。


「アッシュ!早く飲まないと死んじゃうの!わかるよね?早く飲むんだ!」

「・・・クゥン。」

「どうして?なんで?!飲まないの?」

「・・・ワフ。」


アッシュはやれやれとでも言いたそうにノロノロと動きポーションの瓶に口つけ、飲み口付近だけペロッと舐めた。
すると、ゲホゲホとむせてしまった。

その状態を見てやっと怪盗ユータは気づいた。


「え?あ、色がおかしい。これはダメだ。もう一本の方を・・・うん、これなら大丈夫。・・・ちょっと待ってて。」


そう言うと先程、矢が飛び出してきた台座へと向かう。そのガラスケースを手に取り、もう罠が発動しないのを確認したのちガラスケースを取ってきた。

そのガラスケースをくるっとひっくり返すとポーションをとぽとぽ、入れ始めた。ガラスケースを器の代わりにしたのだ。


「さあ、これなら飲める?どうぞ。」

「アンッ!」

やっとポーションを飲めたアッシュは、痛みはどこにいったのかと不思議に思うほど回復することができた。


「よかった・・・。よし、このまま宝石をいただいて帰るぞ!」


怪盗ユータは胸ポケットからカードを取り出すとピンッと投げた。


"お宝はいただいた
      ーーー怪盗ユータ参上!"



その後、ある男爵家から喜びの歓声が上がることとなった。






◇◆◇◆◇◆◇◆





「アッシュ!飲むだ!飲まないと死んじゃうの!分かるよね!??」

「・・・クゥン・・」


ユータのなんだか切羽詰まった声が聞こえてくる。


「ユー君、どうしたの?」

「ママ~!アッシュがポーション飲まないの!」

「ポーション?どんなの?ママに見せてくれる?」

「うん、これー。」


ユータから受け取ったのは、なんだか茶色い水が入ったペットボトルだった。


「ねえ、ユー君?これ、中身は・・・何?」

「ぼくがお外で作ったやつ。」

(外・・・ということは、泥水。間違いなかったか。)


ユータは泥水をペットボトルに詰めて、アッシュに飲ませようとしていたようだった。


「ユー君、そのポーションは作り方を間違えているわ。」

「えっ!?」


ママはキッチンから空のペットボトルを取り出し、水道水を詰めてきた。


「ユー君、ポーションは透明なのよ。」

「そうなの・・・?」

「そうなの!!アッシュを助けたければ、このポーションを飲ませるのよ。あと、これに移してからにしてね。直接はアッシュも飲みにくいからね。」


ママは足元に落ちていたプラスチックの深めの蓋に水を少し入れた。


「あ!これ宝石を入れるやつなのに・・・。」

(え!そうなの?・・・押し切ろう。)
「大丈夫!ポーションを飲ませるのに使ったら、ママのところに持ってきて?ちゃんとキレイにしてあげるからね。」

「うん!わかった!・・・アッシュ、ほら飲んでー!元気になるぞー!」

「ワウン!」


勢いよくアッシュは水を飲むのだった。


「ふー、なんとかなったー。」
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