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呪いと祝福の境界
021 決心
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例の新しいアジトに帰ったミナミとナガトは、勝利を祝して、わいわいと乾杯していた。傷だらけで包帯でグルグルにされているナガトに対して、ミナミは服すら綺麗なままであった。
ふと、ナガトは黙って考えた。ナガトが初めてカルタと出会ったきっかけとなった、トウは、今ごろ、息子のシータと一緒になれたのだろうか。
カルタの発言を思い出した。
「力がないから奪われる。」
弱者でいることは罪である。そう言われている様にナガトは感じた。それで言うと、今回の件では、ナガトはカルタに勝つことができなかった。結果的にはミナミがいたから何とかなったものの、もし1人だったら、結局何も出来なかった。
「強くなりてぇ。」
ナガトの口から、考えていたことが、思わず口を突いて出た。
それまでクビクビと酒を浴びていたミナミは、酒を飲む手を止め、ナガトに目をやった。
「頼む。俺を…鍛えて欲しい。」
真剣な口調で、ナガトは言った。
「なら…賭けをしよう。それでお前が勝ったら鍛えてやる。」
「賭け?」
「簡単な賭けさ。
お前はそこに立っているだけでいい。」
ミナミは少し離れた場所を指さした。そして小刀を取り出して続けた。
「んで、私はこのナイフをお前に向かって投げる。」
「はっ!?」
予想外の発言に、咄嗟に変な声が出た。
「お前が生きていたら鍛えてやる。」
何でもないように言うミナミに対して、ナガトは恐る恐る聞いた。
「…それで死んだら…?」
「死んだらそれまで。鍛えるもクソもないだろ。で、どうする?」
ナガトは生唾を飲んだ。こんなことで命をかけるなんて馬鹿馬鹿しいと返答を躊躇い、黙った。
「何のリスクも取らずに強くはなれねぇよ」
ミナミは真剣な目でナガトを見た。だだっ広いアジトは、シンとした。ハッとした気にさせられた。もう一度生唾を飲み、ナガトは決心した。
「わかっ」
「なーーんて嘘に決まってんだろ馬鹿。鍛える?良いよ。強くなりたいなんて良いことだし。」
ミナミはスカして言った。
「はぁぁぁ!?おまっ!こっちがどんなつもりで!?…はぁ!??」
ナガトは言葉が出なかった。ハハハとミナミは高笑いした。
未だ降り続ける雨の中、そうして2人の騒がしい夜は、次第に更けていった。
ふと、ナガトは黙って考えた。ナガトが初めてカルタと出会ったきっかけとなった、トウは、今ごろ、息子のシータと一緒になれたのだろうか。
カルタの発言を思い出した。
「力がないから奪われる。」
弱者でいることは罪である。そう言われている様にナガトは感じた。それで言うと、今回の件では、ナガトはカルタに勝つことができなかった。結果的にはミナミがいたから何とかなったものの、もし1人だったら、結局何も出来なかった。
「強くなりてぇ。」
ナガトの口から、考えていたことが、思わず口を突いて出た。
それまでクビクビと酒を浴びていたミナミは、酒を飲む手を止め、ナガトに目をやった。
「頼む。俺を…鍛えて欲しい。」
真剣な口調で、ナガトは言った。
「なら…賭けをしよう。それでお前が勝ったら鍛えてやる。」
「賭け?」
「簡単な賭けさ。
お前はそこに立っているだけでいい。」
ミナミは少し離れた場所を指さした。そして小刀を取り出して続けた。
「んで、私はこのナイフをお前に向かって投げる。」
「はっ!?」
予想外の発言に、咄嗟に変な声が出た。
「お前が生きていたら鍛えてやる。」
何でもないように言うミナミに対して、ナガトは恐る恐る聞いた。
「…それで死んだら…?」
「死んだらそれまで。鍛えるもクソもないだろ。で、どうする?」
ナガトは生唾を飲んだ。こんなことで命をかけるなんて馬鹿馬鹿しいと返答を躊躇い、黙った。
「何のリスクも取らずに強くはなれねぇよ」
ミナミは真剣な目でナガトを見た。だだっ広いアジトは、シンとした。ハッとした気にさせられた。もう一度生唾を飲み、ナガトは決心した。
「わかっ」
「なーーんて嘘に決まってんだろ馬鹿。鍛える?良いよ。強くなりたいなんて良いことだし。」
ミナミはスカして言った。
「はぁぁぁ!?おまっ!こっちがどんなつもりで!?…はぁ!??」
ナガトは言葉が出なかった。ハハハとミナミは高笑いした。
未だ降り続ける雨の中、そうして2人の騒がしい夜は、次第に更けていった。
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