5 / 6
5
しおりを挟む
淡々とした仕事ぶりから、あまり他人には興味がないのかと思いきや、どうやら後輩の騎士に興味があるようだ。幸いそいつには幼馴染の彼女がいるのでそれを伝えると一途で素敵だなんて言う。俺だって君に一途だ。交際の申し込みは有耶無耶にされたが、特別扱いしているのはアマラだけだ。彼女自身も他の男と会っている様子はないし、ほぼほぼ付き合っていると言っていいと思っていた。
どうも軽い人間と思われている自覚はある。では、どうやったら覆せるか。仕事の成果を見せれば、客観的にも証明できると考えた。1か月の遠征を終えた頃に、丁度昇進することが決まった。改めて気持ちを伝えてプロポーズをする。しかし、1か月ぶりに会おうとしても彼女から避けられている。さりげなく経理部の人間に聞いてみると、
上司に紹介を頼んでいるというじゃないか。
俺という存在がありながら?この1か月でどんな心境の変化があったというのだ。避けられているならこちらから行くしかない。彼女の通勤時間は把握している。周りを見渡すと通勤中の職員も多い。見物人もたくさん作れそうだ。なんて冷静な考えは彼女の姿を見つけた時に吹っ飛んでいた。
「俺とのことは遊びだったの」
こんな情けない姿を見せたかったわけではないが、俺は必死だった。
「お見合いなんてしないで。結婚なら俺としよう」
こんな通勤途中に大勢の前で言う予定なんてなかった。周囲のざわつきが聞こえる。朝っぱらから他人の痴話喧嘩を見ることになるなんて思わなかっただろう。一瞬正気に戻りかけるが、ここで引いたらいけないと本能が告げている。
「これから仕事なんです。あなたもそうでしょう。不真面目な人は嫌いです」
嫌われたら元も子もない。反射的に手を離すが、このまま終わりにするわけにはいかない。退勤後の約束をしてそれぞれの職場に向かった。騒ぎを聞いた隊員から噂が広まり、散々揶揄われるも、多くの同僚から応援されて残業などなく退勤することができた。
どうも軽い人間と思われている自覚はある。では、どうやったら覆せるか。仕事の成果を見せれば、客観的にも証明できると考えた。1か月の遠征を終えた頃に、丁度昇進することが決まった。改めて気持ちを伝えてプロポーズをする。しかし、1か月ぶりに会おうとしても彼女から避けられている。さりげなく経理部の人間に聞いてみると、
上司に紹介を頼んでいるというじゃないか。
俺という存在がありながら?この1か月でどんな心境の変化があったというのだ。避けられているならこちらから行くしかない。彼女の通勤時間は把握している。周りを見渡すと通勤中の職員も多い。見物人もたくさん作れそうだ。なんて冷静な考えは彼女の姿を見つけた時に吹っ飛んでいた。
「俺とのことは遊びだったの」
こんな情けない姿を見せたかったわけではないが、俺は必死だった。
「お見合いなんてしないで。結婚なら俺としよう」
こんな通勤途中に大勢の前で言う予定なんてなかった。周囲のざわつきが聞こえる。朝っぱらから他人の痴話喧嘩を見ることになるなんて思わなかっただろう。一瞬正気に戻りかけるが、ここで引いたらいけないと本能が告げている。
「これから仕事なんです。あなたもそうでしょう。不真面目な人は嫌いです」
嫌われたら元も子もない。反射的に手を離すが、このまま終わりにするわけにはいかない。退勤後の約束をしてそれぞれの職場に向かった。騒ぎを聞いた隊員から噂が広まり、散々揶揄われるも、多くの同僚から応援されて残業などなく退勤することができた。
3
あなたにおすすめの小説
カモフラージュの恋
湖月もか
恋愛
容姿端麗、文武両道、しかも性格までよし。まるで少女漫画の王子様のような幼馴染な彼。
当たり前だが、彼は今年も囲まれている。
そんな集団を早く終わらないかなと、影から見ている私の話。
※あさぎかな様に素敵な表紙を作成していただきました!
【完結】私の愛する人は、あなただけなのだから
よどら文鳥
恋愛
私ヒマリ=ファールドとレン=ジェイムスは、小さい頃から仲が良かった。
五年前からは恋仲になり、その後両親をなんとか説得して婚約まで発展した。
私たちは相思相愛で理想のカップルと言えるほど良い関係だと思っていた。
だが、レンからいきなり婚約破棄して欲しいと言われてしまう。
「俺には最愛の女性がいる。その人の幸せを第一に考えている」
この言葉を聞いて涙を流しながらその場を去る。
あれほど酷いことを言われってしまったのに、私はそれでもレンのことばかり考えてしまっている。
婚約破棄された当日、ギャレット=メルトラ第二王子殿下から縁談の話が来ていることをお父様から聞く。
両親は恋人ごっこなど終わりにして王子と結婚しろと強く言われてしまう。
だが、それでも私の心の中には……。
※冒頭はざまぁっぽいですが、ざまぁがメインではありません。
※第一話投稿の段階で完結まで全て書き終えていますので、途中で更新が止まることはありませんのでご安心ください。
恋を質に入れた日
トム
恋愛
路地裏の地下にある質屋では、
“記憶”を売ることができる。
恋人の手術費を工面するため、
俺は彼女と出会った日の幸福を手放した。
愛の熱を失ったまま、
それでも共に生きることはできるのか。
おにょれ王子め!
こもろう
恋愛
レティジアは公爵令嬢で、王子フリードの婚約者。しかし現在、フリードとの関係はこじれまくっている。
見た目は気が強そうだが実は泣き虫なレティジアは人知れず毎日涙を流し、フリードはなんだかイライラしている。
そんな二人の前に現れるのは……!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる