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優未

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部屋にノック音が響く。

「”どうぞ”」

扉が開くと同時に防音魔法が展開される。話をしていれば登場するとは何とタイミングのいいことか。―――既に防音魔法をかけているはずなのだが聞こえていたのか?重ね掛けする用意周到さも流石である。

「偶然とはいえ対象者に接触するとは流石だね」

「私はこのまま任務を?」

「魔力量が突然減ったとのことだけど。デュランテ、問題はなさそうかな」

「私が診た限り、回復を待つのみといったところですが。今回の任務に支障はないかと」

「ではどのみちサフィールの出番はなしということでいいね」

「はい、殿下」


「しかし想定外のことが続くな。サフィールの調子は?」

「しばらく復帰は難しそうです。今は実家に戻って療養中とのことです」

「お前にこんな役割なんてさせてすまないな。役不足ではないか?」

「…目くらましも必要でしょう」

「クレマチスの娘はどうだ」

「彼女は何も知らないかと。クレマチス自身はあまり家にはいないようです」

「お前に限ってないと思うが、あの娘に惚れてはいないだろうな」

「まさか」

「本当に欲しいのなら役目を果たせよ」

「ご冗談を」

「今回の調査が済んだら褒美をやるつもりなのは本当だ。いい報告を待っている」

用は済んだとばかりにカルミエ第一王子が部屋を出ていく。彼はなかなか鋭いところがあるため油断ならない。

―――任務に私情を挟むだなんてどうかしている

「はぁーっ」

大きく息を吐きだす。

”好きな人がいるんです”

「一体誰なんだ」

思わずこぼれた胸の内をひとり呟くと防音魔法を解除し、自分も部屋を出た。
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