imitation

優未

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誰もがお姫様だった

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 自分の狭い世界しか知らなかった頃は、この部屋は確かに素敵なお城だった。

 お気に入りのものに囲まれて、私はお姫様だと思っていた。

 それが勘違いだと教えてくれる大人はいなかった。






 私が物語の主役ではないと知ったのは王子様の婚約者を決めるパーティーだった。

「ラナキュラス家のご令嬢か」
「リリー様素敵」
「メラルダ様はダメだったか」

 周りの声など全く聞こえてこなかった。幸せそうに見つめあう2人の姿がにじんで見える。私は選ばれなかったわけではない、その目に入りすらしなかった。この会場に入った時から気が付いていた。私以外のすべてが輝いて見えた。

 私は自分が好きなことをしていただけで努力なんてしなかった。そのままの自分を愛してもらえるなんて当たり前のことではない。相手の好みを知ろうとか、自分のことを知ってもらおうと何か行動をしたわけでもない。そもそも、王子様という存在に憧れただけで好きというわけでもなかった。お姫様だから選ばれるはず。そんな傲慢な考えしかなくて。

 私はただの参加者Aでしかなかったのに。

「ミクリィ?」

 涙を流す娘を心配して両親が声をかける。

「お2人がとても素敵だから感動してしまって」

 これもまた事実で。まるで物語から抜けてきたのではないかというくらい眩しかった。私も大人になったら、もっと勉強を頑張ったら、綺麗なドレスを身に着けたらあんな風になれるだろうか。いつか王子様が迎えにきてくれるかもしれない。


 幼い頃の私はどこまでも夢を見る子供だった。この日を境に自分にできることは何でも頑張った。しかし、努力すればするほど分かったことがある。






 私はやはりお姫様にはなれないのだ。
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