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種明かしの時間です
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「すまない予定変更だ。侯爵家に向かってくれ」
「アスター様っ」
「馬車の中でするような話じゃない」
それだけ告げるとアスター様は黙り込んでしまった。侯爵家に到着すると、応接間に案内された。
「最近読んだ小説に婚約破棄モノでもあった?真実の愛を見つけたとかそういう話かな。…自分から言っておいてごめん、そういう話なら聞きたくない」
「私がアスター様に憧れているという噂を流した理由の1つは、恋の噂が多い方だったからです。私に興味を持つこともなければ、私が興味を持つこともない。男性避けの為にお名前を利用させてもらおうと」
「……うん」
「でもアスター様にはずっと思いを寄せている方がいらっしゃったのでしょう。色んな女性との噂もその方を探している過程で作られてしまったものなら…あなたが一途に1人の女性を思える方なら、私のようなもののために犠牲になってほしくありません。その方とはうまくいかなかったのかもしれませんが…焦らずとも」
「僕が初恋の女の子にフラれて自暴自棄になって、丁度いいから君と婚約したと思っているの?」
そうとしか考えられない。意中の相手との恋が叶わなくとも、もっと自身に見合った相手といくらでも出会いがあるはずだ。わざわざ私に行くなんて自棄になっている以外に何があるというの。
「僕のお姫様はガラスの靴も落としてくれないし、魔法使いがいなくても自分で変身できてしまう。身分違いの恋に燃え上がったりしない。王子様が好きだと聞いたから、それらしく振舞っても他の女の子が近寄ってくるばかりで声もかけてくれない」
「そうなのですね」
いくら多くの女性から思いを寄せられる人でも、好きな相手から同じ気持ちをもらえるとは限らないのね。
「僕に好意を持ってくれているって噂に浮かれて婚約を申し込んだのに……ただの隠れ蓑にされただけと知った時はショックだったよ。まぁそれを利用して婚約まで持っていったのも僕だけど」
「え?」
「僕の初恋のお姫様は君だよ、ミクリィ」
「アスター様っ」
「馬車の中でするような話じゃない」
それだけ告げるとアスター様は黙り込んでしまった。侯爵家に到着すると、応接間に案内された。
「最近読んだ小説に婚約破棄モノでもあった?真実の愛を見つけたとかそういう話かな。…自分から言っておいてごめん、そういう話なら聞きたくない」
「私がアスター様に憧れているという噂を流した理由の1つは、恋の噂が多い方だったからです。私に興味を持つこともなければ、私が興味を持つこともない。男性避けの為にお名前を利用させてもらおうと」
「……うん」
「でもアスター様にはずっと思いを寄せている方がいらっしゃったのでしょう。色んな女性との噂もその方を探している過程で作られてしまったものなら…あなたが一途に1人の女性を思える方なら、私のようなもののために犠牲になってほしくありません。その方とはうまくいかなかったのかもしれませんが…焦らずとも」
「僕が初恋の女の子にフラれて自暴自棄になって、丁度いいから君と婚約したと思っているの?」
そうとしか考えられない。意中の相手との恋が叶わなくとも、もっと自身に見合った相手といくらでも出会いがあるはずだ。わざわざ私に行くなんて自棄になっている以外に何があるというの。
「僕のお姫様はガラスの靴も落としてくれないし、魔法使いがいなくても自分で変身できてしまう。身分違いの恋に燃え上がったりしない。王子様が好きだと聞いたから、それらしく振舞っても他の女の子が近寄ってくるばかりで声もかけてくれない」
「そうなのですね」
いくら多くの女性から思いを寄せられる人でも、好きな相手から同じ気持ちをもらえるとは限らないのね。
「僕に好意を持ってくれているって噂に浮かれて婚約を申し込んだのに……ただの隠れ蓑にされただけと知った時はショックだったよ。まぁそれを利用して婚約まで持っていったのも僕だけど」
「え?」
「僕の初恋のお姫様は君だよ、ミクリィ」
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