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第十一話 剣と剣の戦い
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あの時は、本当にただ景品と賞金が目当てだった。
だから、誰が相手であっても、問題ないと思って
いたのだった。
前衛の戦士が欲しい。
回復魔法を使える神官が欲しい。
これは勇者パーティーの最低条件だった。
どのゲームでも、最低限必要な構成だった。
ここ、鍛治職人の街で開催される騎士の大会は
魔法なしの剣と剣の戦いだった。
俺も多少は剣は使える。
もちろん、勇者である誠治には敵わないが…。
それでも、一般兵と何度か訓練したので普通に
使える程度にはなっているのだ。
どこまで通じるのか試してみたいという気持ち
も少なからずあった。
だが、誠治が出るとなれば話は変わってくる。
ただ恥をかくだけなので、絶対に出る気にはな
れない。
こうして、誠治を応援しつつ、裏で行われてい
る賭け試合の方に参加したのだった。
「おっちゃん、金貨5枚を新人のSに賭ける」
「おぉ?いいのか?初めての新人だぞ?対戦相
手は、毎年優勝は逃しているが、強者だぞ?」
「いいのいいの。俺はあいつに賭けたい気分なの」
「悪い事は言わん、新人はやめとけ。しかも金貨
5枚も……無くなるだけだぞ?」
俺はニヤリと笑うと、掛札を受け取った。
周りではバカにしたように笑っていた。
それもそうだろう。
今、観覧席から見ただけでも体格が違い過ぎる。
誠治は俺よりも身長は高い方だったが、誠治の前
に立っている男は、その倍ほどあった。
筋肉も隆起していて、大人と子供程の差があったか
らだった。
賭けの倍率も200%……それほど、俺以外全員が対
戦相手にかけた事になる。
「これは美味しい試合じゃん」
始まって、あっという間に決着がついた。
それも、勢いよく向かって行った大男の方が力技で
負けたのだった。
剣が当たった瞬間、弾き飛ばされるように後方に吹
っ飛び、そのまま気絶したのだった。
俺は喜び勇み換金場所へと戻って来た。
「おっちゃん、換金よろしく!」
「お、さっきの小僧か。お前、なかなかいい目をし
ているな~」
「へへへっ……だろ?」
そう言うと、袋に入った金貨を数えた。
5枚から一気に増えたせいで結構重い。
もうちょっと賭けたい所だったが、周りの視線が痛
くて今日はやめておく事にした。
もちろん、誠治の試合はもう一戦あるが、まだ慌て
る事はない。
俺が歩いていると、後ろに同じペースでついてくる
者がいた。
もちろん一人ではない。
数人……。
悪目立ちしたせいか、もしくは金貨を奪うつもりか。
どちらにしても、いい意味ではなさそうだった。
いきなり走り出すと、路地裏を曲がった。
そして、魔法で風を起こすと一気に屋根の上まで舞
い上がったのだった。
眼下には、さっきついて来ていた男達が、キョロキ
ョロと探している。
俺は屋根を伝って、風魔法を駆使して宿屋まで戻っ
てきた。
「誠治、今日はすごかったな~」
「見ててくれたんだね。絶対に優勝するから、見
ててくれるよね?」
「あぁ、そうだな……」
少しぎこちなく答えると、誠治は何かがあったの
だと悟った。
「また何かやらかしたの?」
「違うって、帰る時になんか変な奴らにつけられ
ててさ」
「それって、陸を害そうとしてたって事?」
「さぁ~な、わかんねーけど。しっかり巻いて来
たからさ」
「いくら魔法が使えても接近戦は危ないんだから
ね?特に対人戦は魔物と違って、予想外な動き
をするから」
「あぁ、気をつけるよ」
誠治はその日、ずっと俺から離れなかった。
あーーーだから、言いたくなかったんだよっ!
少しは一人にしてくれよっ!
と、心の中で叫んだのだった。
だから、誰が相手であっても、問題ないと思って
いたのだった。
前衛の戦士が欲しい。
回復魔法を使える神官が欲しい。
これは勇者パーティーの最低条件だった。
どのゲームでも、最低限必要な構成だった。
ここ、鍛治職人の街で開催される騎士の大会は
魔法なしの剣と剣の戦いだった。
俺も多少は剣は使える。
もちろん、勇者である誠治には敵わないが…。
それでも、一般兵と何度か訓練したので普通に
使える程度にはなっているのだ。
どこまで通じるのか試してみたいという気持ち
も少なからずあった。
だが、誠治が出るとなれば話は変わってくる。
ただ恥をかくだけなので、絶対に出る気にはな
れない。
こうして、誠治を応援しつつ、裏で行われてい
る賭け試合の方に参加したのだった。
「おっちゃん、金貨5枚を新人のSに賭ける」
「おぉ?いいのか?初めての新人だぞ?対戦相
手は、毎年優勝は逃しているが、強者だぞ?」
「いいのいいの。俺はあいつに賭けたい気分なの」
「悪い事は言わん、新人はやめとけ。しかも金貨
5枚も……無くなるだけだぞ?」
俺はニヤリと笑うと、掛札を受け取った。
周りではバカにしたように笑っていた。
それもそうだろう。
今、観覧席から見ただけでも体格が違い過ぎる。
誠治は俺よりも身長は高い方だったが、誠治の前
に立っている男は、その倍ほどあった。
筋肉も隆起していて、大人と子供程の差があったか
らだった。
賭けの倍率も200%……それほど、俺以外全員が対
戦相手にかけた事になる。
「これは美味しい試合じゃん」
始まって、あっという間に決着がついた。
それも、勢いよく向かって行った大男の方が力技で
負けたのだった。
剣が当たった瞬間、弾き飛ばされるように後方に吹
っ飛び、そのまま気絶したのだった。
俺は喜び勇み換金場所へと戻って来た。
「おっちゃん、換金よろしく!」
「お、さっきの小僧か。お前、なかなかいい目をし
ているな~」
「へへへっ……だろ?」
そう言うと、袋に入った金貨を数えた。
5枚から一気に増えたせいで結構重い。
もうちょっと賭けたい所だったが、周りの視線が痛
くて今日はやめておく事にした。
もちろん、誠治の試合はもう一戦あるが、まだ慌て
る事はない。
俺が歩いていると、後ろに同じペースでついてくる
者がいた。
もちろん一人ではない。
数人……。
悪目立ちしたせいか、もしくは金貨を奪うつもりか。
どちらにしても、いい意味ではなさそうだった。
いきなり走り出すと、路地裏を曲がった。
そして、魔法で風を起こすと一気に屋根の上まで舞
い上がったのだった。
眼下には、さっきついて来ていた男達が、キョロキ
ョロと探している。
俺は屋根を伝って、風魔法を駆使して宿屋まで戻っ
てきた。
「誠治、今日はすごかったな~」
「見ててくれたんだね。絶対に優勝するから、見
ててくれるよね?」
「あぁ、そうだな……」
少しぎこちなく答えると、誠治は何かがあったの
だと悟った。
「また何かやらかしたの?」
「違うって、帰る時になんか変な奴らにつけられ
ててさ」
「それって、陸を害そうとしてたって事?」
「さぁ~な、わかんねーけど。しっかり巻いて来
たからさ」
「いくら魔法が使えても接近戦は危ないんだから
ね?特に対人戦は魔物と違って、予想外な動き
をするから」
「あぁ、気をつけるよ」
誠治はその日、ずっと俺から離れなかった。
あーーーだから、言いたくなかったんだよっ!
少しは一人にしてくれよっ!
と、心の中で叫んだのだった。
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