俺がモテない理由

秋元智也

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第二十一話 出発の朝

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結局、帝国の少し外れに位置した場所に大きな元
貴族の屋敷を貰い受けたのだが、すぐに手放す事
となったのである。

俺たちが出ると同時に子供達が駆けてきていた。

数人の教会のシスターが後を追うように走って
来る。

「勇者様、この度はこのような屋敷を頂き、誠に
 ありがとうございます。いつでも自分の家のよ
 うに帰ってきて下さいね」

まだ年若いシスターは誠治をじっと見つめて頬を
染めていた。

あぁ……これは誠治には帰って来て欲しいですっ
てことかよっ!
まじでわかりやすいな。この世界の女はよっ!

全くもって失礼な奴らだぜ。

俺には何の礼もなければ挨拶もない。

子供達が出て行く俺をじっと見つめると、いきな
りギャン泣きし出した。

あぁ、目つきが悪いとかそう言うことかよっ!

誠治がすぐにあやすと、俺の背を押すように出て
行く。

「あれって、やっぱり顔が怖いとか、そう言う事
 かよ?」
「う~ん、どうかな?でも、僕は陸の目はちょっ
 とキツく見えるかもしれないけど、可愛いと思
 うよ?」
「変な気遣いはいらねーからなっ!」

誠治に『可愛い』と言われても全く嬉しくなかっ
た。

「可愛い女の子に言って欲しいよ……マジでアウラ
 ちゃんどこ行ったのかな~」
「あんな無責任な神官なんてどうでもいいでしょ?」
「でも、俺にも優しかったしさ~」

俺に唯一親切にしてくれた子だったから、記憶に残
っているのだ。

レイネと合流する前まで一緒にいたのだが、忽然と
居なくなってしまったのだった。

帝国を出る門の前で、二人の人影が待っていた。

「あれ?どうしてこんなところにいるんだ?」
「水くさいじゃないか、黙って行くつもりだったの
 か?」

モンドが旅の荷物を背負って立っていたのだ。
俺は、すぐに荷物の整理をしていたので、アゾビエ
ンテを追う事は話していない。

「でも、せっかく平和になったのに……」
「まだ、残党が残っていたんだろ?俺も勇者パーテ
 ィーの一員だったんだ、最後まで付き合うぞ」
「モンドっていい奴だなっ………」

俺はちょっぴり感動した。
そしてその横を見て、うんざりするように聞く。

「なんでお前までいるんだよ?さっさと教会へ帰る
 んだろ?」
「何を言うのよ!回復には私が必要でしょう?必要
 なのよ!勇者様に何かあったらどうするのよ!」

捲し立てるように自分の価値を主張するのは聖女の
レイネだった。

俺に散々出ていけと言っておきながら誠治も一緒
に出て行くと言うと、ついてくると言うのだった。

「別について来なくてもいいんだぞ?」
「レイネ、モンド、ありがとう。でも、自分の仕事
 はいいのかい?僕らは行くあてのない旅になると
 思うけど……」
「それでもいい、連れて行け」
「そうね、勇者様と一緒なら、どこへでも行くわ。
 だって私達は運命の……」
「あーーーー!もう、行くぞ」

レイネの言葉に被せるように俺は声を上げた。

「やっぱり、陸がいると心強いね?」
「そんな事ねーだろ?勇者様……」

ニヤリと嫌味っぽく言ってみる。

俺はいつだって主役ではない。脇役なのだ。
モブA。
でも、決して死なない。
誰よりも強くなってやる。

あの時は仕留め損なったが、今度こそ俺たちの
邪魔をする者は潰す!

絶対に潰す!

せっかく異世界来てスローライフが出来ると思
ったのに~~~。

世界も平和になって、俺だけのハーレム作って
毎日遊んで暮らす予定だったのだ。

それをぶち壊した報いは絶対に取らせる!
俺はそう意気込むと、鼻息を荒くしたのだった。





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