俺がモテない理由

秋元智也

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第二十話 新たな旅立ち

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サラサラと灰になって行くのを見ながら俺は
一息ついたのだった。
すると、そこに誠治が来るとポツリと呟く。

「やっぱり、眷属だったね」
「あぁ、それもあいつだった」
「そう……だろうね。まだ終わっていなかっ
 たんだ」
「そうだな……」

皇帝には報告してしまったが、実際はまだ終わっ
ていなかったのだ。

魔王は無力化してあるが、その配下までも大人し
くしているわけではない。

人間との和睦協定を認めない魔族はまだいるだろう。

「厄介なことになったな…」
「でも、僕たちがやらないとね」
「まじか……ゆっくり出来ると思ったのにな~」
「それもいいんじゃないかな?前は魔王という敵を
 倒す事が目的だったけど、今度はゆっくりと色々
 な国を巡りながら旅でもしようよ」

誠治は呑気な返事をしてきた。

「せっかく屋敷をもらったのに、いいのかよ?」
「うん、大丈夫。孤児院として活用する事にする
 から」
「はいはい、そうと決まれば、旅の支度をしなき
 ゃだな」

魔王の侵略を止めた勇者パーティーの次の目的地
は、魔王の残党狩りとなったのであった。



一度暴れて、勇者に見つかった土地で再び悪さを
するとは思えなかったので、畑を荒らす魔物の駆
除を終えたと報告する事にしたのだった。

そして、消えた村人は……。
まさか灰になったとは言えない。

「どうやって誤魔化すんだ?」
「う~ん、まぁ遺骨だけでも回収できたらよかっ
 たんだけどね……陸って錬金術師も齧ってたよ
 ね?」
「は?無理だろ?」
「でも、死んだかどうかわからずに待つよりはい
 いと思うけど?」
「………うぅ…」

俺は魔法を習得しながら錬金術師にも手を出して
いた。
ただ基本的な事しか出来なかったが、その中に簡
単なモノなら修復させる事も出来るのだ。

修復であって、そのものの復元ではない。

動物の骨を人間の骨の一部のように見せかけると
いう小細工を言っているのだ。

現代人の科学で骨の標本を思い出せれば問題なく
作る事が出来る。
ただし、本物ではない為どうしてもばらつきや、
形が歪になってしまう事はある。

「この世界の人には見分けなんてつかないよ」
「……勇者が言う台詞か?」
「いいの、いいの。村の人が安心できればいいん
 だよ」

いつまでも待つより、誰ともわからないが、消え
た人数分の遺骨さえあればそれでいいのだった。

俺は、適当に白骨化した骨を拾うと人間の頭蓋骨
を思い浮かべた。

魔力で練ったところに入れて形を整形して行く。

「ふぅ~、これでいいか?」
「うん、上出来だよ。後4つよろしく」

朝日が昇って、村長の家に行く前には数個の骸と
魔物の報告に行ったのだった。

もちろん、村長は泣いて喜んでくれた。
魔物を倒した事と、行方不明だった村人を見つけ
てくれたのだから。
報酬は少し多めにしてくれた。
これには罪悪感しか湧かなかった。




     ♦︎




家に帰ると早速荷物をまとめた。
俺が少ない荷物をまとめていると、なんだか嬉し
そうにレイネが見つめてきた。

「あら、陸ったら出かけるのかしら?そのままず
 っと帰って来なくていいわよ?私と勇者様の邪
 魔ばかりしたんだから、いい加減に邪魔者だと
 気づいたのかしら?」
「悪いが、旅に出るんだ。もちろんあいつも一緒
 だぞ?邪魔で悪かったな。もうついて来なくて
 もいいぞ?」
「えっ!えぇぇぇーーーー!!ちょっと待ちなさ
 いよ!どう言う事よ!この家は?」

慌てるレイネに俺は、軽く鼻を鳴らした。

「ふっ……聞いてないのか?孤児院になるんだっ
 てよ?」
「ちょっと!待ちなさいよ!」

聖女とは思えぬほど口が悪い。

いつも猫の皮をかぶっているだけあってか、俺に
だけ当たりがきついのだ。






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