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第八話 君が居ない
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俊は家の中を慌てて探し始めた。
ベッドに温もりはなく、すでに冷え切っていた。
風呂場にも、タンスのなかにもいない。
子供の頃に驚かせる為にタンスの中に隠れていて驚かされた事を思い
出したが…今は状況が違う。
スマホを鳴らすがすぐに留守電に切り替わってしまう。
メールを何通か入れておくと外に駆け出していた。
(どこに行ったんだよ…なんで何も言わねーんだよ、クソッ…)
苛立ちが募るが、話す相手は今はいない。
ただ仲直りがしたいという気持ちで恵に相談したが、家から出るべき
じゃなかった。
そのまま家に残っていればこんな事にはならなかったのではないか?
あまりに軽率だった。
こうなるかも知れない事は分かっていたのに、一瞬逃げたのだ。
俊は自分で考えるより、話を聞いてくれる、相談できる相手に丸投げ
してしまった。
自分で考えて解決しなきゃいけない事なのに…。
朝になっても見つからず、そのまま家に帰ると眠ってしまっていた。
昼の講義にも出る気がしなかったのでそのまま眠る事にした。
次の日も、大学へ行こうとしたが、そんな気分になれないと家で寝て
過ごした。
メールは今も既読は付いていなかった。
「メールすら見たくないのかよ…」
苛立ちぎみにスマホを放り投げた。
月曜になると大学前で朝早くから立つ事にした。
来たところを捕まえればいいと考えるが、一向に荒太は現れなかった。
「あっ!おい杉浦!」
「あれ?俊くんじゃん?どうしたの?」
「荒太知らねーか?見たら連絡くれ!」
「嫌だ…」
「頼むっ…えっ…なんで?」
「だってそれって俊くんが会いたいからって事だろ?荒太くんはどう
なんだよ?会いたく無いやつに無理矢理会わされるなんてどーみて
も、おかしいだろ?」
「それは…喧嘩したから…仲直りしたくて…」
「ふ~ん、だったら人の力借りずに自分で探したら?」
杉浦晴翔は冷たい口調で言うと通り過ぎていく。
言われなくたって自分でも探している。
しかし、見つからないのだ。
一週間が過ぎた。
あれから荒太からの連絡はない。
どこにいるのかもわからない。
だが、抗議にはちゃんと出ているらしく、先生に聞くと出席簿を見せて
もらったが、名前がちゃんと記入されていたのだった。
「もう限界だぁ~、どこいったんだよ…」
山村教授にも聞きたいが、あの日以来会う気が起きず行っていない。
それに荒太が行くとは思えなかったから、探しにも行かなかった。
もし、教授の所にいるのなら本気で別れるつもりだと言う事だった。
「あんな変態に身体を許して無いよな…?まさか…な…」
考えれば考えるほどに苛立ちが募るばかりだった。
ベッドに温もりはなく、すでに冷え切っていた。
風呂場にも、タンスのなかにもいない。
子供の頃に驚かせる為にタンスの中に隠れていて驚かされた事を思い
出したが…今は状況が違う。
スマホを鳴らすがすぐに留守電に切り替わってしまう。
メールを何通か入れておくと外に駆け出していた。
(どこに行ったんだよ…なんで何も言わねーんだよ、クソッ…)
苛立ちが募るが、話す相手は今はいない。
ただ仲直りがしたいという気持ちで恵に相談したが、家から出るべき
じゃなかった。
そのまま家に残っていればこんな事にはならなかったのではないか?
あまりに軽率だった。
こうなるかも知れない事は分かっていたのに、一瞬逃げたのだ。
俊は自分で考えるより、話を聞いてくれる、相談できる相手に丸投げ
してしまった。
自分で考えて解決しなきゃいけない事なのに…。
朝になっても見つからず、そのまま家に帰ると眠ってしまっていた。
昼の講義にも出る気がしなかったのでそのまま眠る事にした。
次の日も、大学へ行こうとしたが、そんな気分になれないと家で寝て
過ごした。
メールは今も既読は付いていなかった。
「メールすら見たくないのかよ…」
苛立ちぎみにスマホを放り投げた。
月曜になると大学前で朝早くから立つ事にした。
来たところを捕まえればいいと考えるが、一向に荒太は現れなかった。
「あっ!おい杉浦!」
「あれ?俊くんじゃん?どうしたの?」
「荒太知らねーか?見たら連絡くれ!」
「嫌だ…」
「頼むっ…えっ…なんで?」
「だってそれって俊くんが会いたいからって事だろ?荒太くんはどう
なんだよ?会いたく無いやつに無理矢理会わされるなんてどーみて
も、おかしいだろ?」
「それは…喧嘩したから…仲直りしたくて…」
「ふ~ん、だったら人の力借りずに自分で探したら?」
杉浦晴翔は冷たい口調で言うと通り過ぎていく。
言われなくたって自分でも探している。
しかし、見つからないのだ。
一週間が過ぎた。
あれから荒太からの連絡はない。
どこにいるのかもわからない。
だが、抗議にはちゃんと出ているらしく、先生に聞くと出席簿を見せて
もらったが、名前がちゃんと記入されていたのだった。
「もう限界だぁ~、どこいったんだよ…」
山村教授にも聞きたいが、あの日以来会う気が起きず行っていない。
それに荒太が行くとは思えなかったから、探しにも行かなかった。
もし、教授の所にいるのなら本気で別れるつもりだと言う事だった。
「あんな変態に身体を許して無いよな…?まさか…な…」
考えれば考えるほどに苛立ちが募るばかりだった。
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