僕の好きは、君とは違う!

秋元智也

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温泉旅行

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恵が持ってきた温泉ツアーの雑誌を机の上に開くと何かを悩んでいる。

俊が悩む事といえば、旅行の予定なのだろう。
前に風邪ひいておじゃんになってから色々とあったので未だに行けていな
かった。

「恵はどこがオススメだって言ってたんだ?」
「ここと、ここ。こっちは室内に露天風呂がついてるって。掛け流しだから
 エッチな事してもいいって」

俊の頭の中はヤることしかないのか?と思うようになった。
お互い好きだと分かってからは腫れも治ると、しつこいくらい前戯が長くな
った気がする。

確かにデリケートな部分ではあるけど、あまりに前戯が長いとこっちの体力
がもたない。最初は痛くても慣れれば平気なのだ。
それを言うと、恵からも怒られた。


『気持ちよくないのに痛いのは絶対にダメ!もっとしっかりと慣らすまで俊
 くんは入れちゃダメ!』


それ以来、とにかくしつこいくらい長くなった。

「オススメならそこでいいだろ?」
「う~ん、でもな~」
「何がダメなんだよ?」
「夜に花火大会がある日を選ぶ予定なんだけど…この旅館からだと見えないんだ」

何てくだらない事を言ってるんだ?

「近くまで観に行けばいいだろ?」
「浴衣来て?」
「そうだな…それもいいいな」
「終わったら脱がしてもいい?」
「そうだな…/////…お前がそうしたいなら…」

照れる荒太の姿を見て俊はすぐにそこに決めたらしい。

旅行当日、午前中の講義を終えて帰って来るとスーツケースいっぱいに荷物を
入れ終わってすぐに行けるようにしていたようだった。

「荒太は準備できてる?」
「あぁ、昨日のうちに終わらせてある。行くか?」
「だな!」

この日の為にといつの間にか免許を取っていた俊の運転でレンタカーを走らせた。

「二日間で借りたんだっけ?」
「いや、三日間。」
「ん?なんで?」
「帰ってきてからやりたい事があるから…」
「何かあったっけ?」
「カーセックス…狭い中でシたい」
「ぶーーーーっ!」

飲んでいたお茶を少し溢してしまった。
あの日以来、俊は自分の考えをちゃんと口に出すようになった。
いいことかといえば良いことなのだが、煩悩も全て言うので変態的な考えも聞かさ
れる事が多くなった。

「嫌だったか?俺はしたいんだけど?」
「嫌っていうか…ベッドじゃダメなのか?お前の前戯長くて狭いと辛くないか?」
「大丈夫、その分たっぷりローション使うから。一本分全部使えばいいか?」
「多い!多いからな!お俺の中にそんなに入らないから!それに尿漏れシートも
 買っとけよ。絶対に汚すから…」

荒太は本当に俊には甘いと思った。
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