僕の好きは、君とは違う!

秋元智也

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温泉旅行 2

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現地に着くと想像よりも、かなり立派な旅館だった。

「結構高かったとか?」
「いや、そうでもないよ。それと…恵が言うには多いんだって。」
「ん?」
「夜になれば分かるけど、お盛んな部屋が多いから声出してもいいよ
 って言ってたんだ。」
「なっ…バカ!昼真から何言うんだ!」

慌てて口を塞ぐとロビーに入って行った。
受付を済まして浴衣を借りにロビーまできた。

「お客さま、浴衣レンタルでしたらこちらですよ~」

にこやかに従業員の方が案内してくれた。

「お色は何がよろしいですか?お客さまですとこちらなんかいかがですか?」

似合いそうなものを出して見せてくれる。
悩んでいると横から手が出てきて勝手に決められた。

「荒太ならこの色かな。帯はこっちがいい。俺の、選んでよ?荒太。」
「あぁ…」

お互いのを選ぶと着せてくれた。
浴衣の下はパンツしか履いていない。
まさか外でシたいなんて言わないよな?

と不安に思いながらも会場へと向かう。
小さな街の花火大会のせいか人もそこまで多くはなかった。
隅田川花火大会は多くの人でごった返していて、何度潰された事か…。

「人もそれなりでいいな…ここ」
「また来ようか?」
「そうだな…」

知らない街の花火大会。
手を繋いでいても、見られる事に恥ずかしげもない。
どうせ明日にはもう見ることのない人達だから。

小さい街だったが、結構見応えのある花火だった。
真下で見たせいか、余計に迫力があってよかった。

花火を見上げている間後ろから抱きしめるようにしていた俊がピッタリ
と身体をくっつけて来るせいで荒太は花火に集中できなかった。

硬いモノが後ろに当たっているし、これからの事を考えると顔が熱くな
ってくる。

「どうした?真っ赤だよ?」

わざと耳元で囁いて来るあたり確信犯だったのだろう。
そんな俊の思惑にまんまと乗ってやる荒太は本当に甘い。

誘われるまま、静かな茂みに行くとはだけさせられる。
いつしか花火も終わりのラストスパートとばかりに連続で上がり始めた。
熱く火照った身体も同じく熱く激しさを増していった。
観客が帰り始めると、浴衣を直され旅館へと帰った。
少し土がついてしまったと弁解するとにこやかに受け取ってくれた。

部屋付きの露天風呂へと入ると二人が入ったせいで水が溢れて出て行く。

「こう言うのもたまにはいいな~。気持ちいい~」
「うん、荒太とくっついていられるのもいいな?」
「/////」

照れる荒太に俊は恥ずかしげもなく堂々としていた。
もう、聞く事もせず抱きしめられるとキスを交わした。

もうそれだけで何をするのかを察して身体の力を抜いていった。
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