54 / 55
温泉旅行 2
しおりを挟む
現地に着くと想像よりも、かなり立派な旅館だった。
「結構高かったとか?」
「いや、そうでもないよ。それと…恵が言うには多いんだって。」
「ん?」
「夜になれば分かるけど、お盛んな部屋が多いから声出してもいいよ
って言ってたんだ。」
「なっ…バカ!昼真から何言うんだ!」
慌てて口を塞ぐとロビーに入って行った。
受付を済まして浴衣を借りにロビーまできた。
「お客さま、浴衣レンタルでしたらこちらですよ~」
にこやかに従業員の方が案内してくれた。
「お色は何がよろしいですか?お客さまですとこちらなんかいかがですか?」
似合いそうなものを出して見せてくれる。
悩んでいると横から手が出てきて勝手に決められた。
「荒太ならこの色かな。帯はこっちがいい。俺の、選んでよ?荒太。」
「あぁ…」
お互いのを選ぶと着せてくれた。
浴衣の下はパンツしか履いていない。
まさか外でシたいなんて言わないよな?
と不安に思いながらも会場へと向かう。
小さな街の花火大会のせいか人もそこまで多くはなかった。
隅田川花火大会は多くの人でごった返していて、何度潰された事か…。
「人もそれなりでいいな…ここ」
「また来ようか?」
「そうだな…」
知らない街の花火大会。
手を繋いでいても、見られる事に恥ずかしげもない。
どうせ明日にはもう見ることのない人達だから。
小さい街だったが、結構見応えのある花火だった。
真下で見たせいか、余計に迫力があってよかった。
花火を見上げている間後ろから抱きしめるようにしていた俊がピッタリ
と身体をくっつけて来るせいで荒太は花火に集中できなかった。
硬いモノが後ろに当たっているし、これからの事を考えると顔が熱くな
ってくる。
「どうした?真っ赤だよ?」
わざと耳元で囁いて来るあたり確信犯だったのだろう。
そんな俊の思惑にまんまと乗ってやる荒太は本当に甘い。
誘われるまま、静かな茂みに行くとはだけさせられる。
いつしか花火も終わりのラストスパートとばかりに連続で上がり始めた。
熱く火照った身体も同じく熱く激しさを増していった。
観客が帰り始めると、浴衣を直され旅館へと帰った。
少し土がついてしまったと弁解するとにこやかに受け取ってくれた。
部屋付きの露天風呂へと入ると二人が入ったせいで水が溢れて出て行く。
「こう言うのもたまにはいいな~。気持ちいい~」
「うん、荒太とくっついていられるのもいいな?」
「/////」
照れる荒太に俊は恥ずかしげもなく堂々としていた。
もう、聞く事もせず抱きしめられるとキスを交わした。
もうそれだけで何をするのかを察して身体の力を抜いていった。
「結構高かったとか?」
「いや、そうでもないよ。それと…恵が言うには多いんだって。」
「ん?」
「夜になれば分かるけど、お盛んな部屋が多いから声出してもいいよ
って言ってたんだ。」
「なっ…バカ!昼真から何言うんだ!」
慌てて口を塞ぐとロビーに入って行った。
受付を済まして浴衣を借りにロビーまできた。
「お客さま、浴衣レンタルでしたらこちらですよ~」
にこやかに従業員の方が案内してくれた。
「お色は何がよろしいですか?お客さまですとこちらなんかいかがですか?」
似合いそうなものを出して見せてくれる。
悩んでいると横から手が出てきて勝手に決められた。
「荒太ならこの色かな。帯はこっちがいい。俺の、選んでよ?荒太。」
「あぁ…」
お互いのを選ぶと着せてくれた。
浴衣の下はパンツしか履いていない。
まさか外でシたいなんて言わないよな?
と不安に思いながらも会場へと向かう。
小さな街の花火大会のせいか人もそこまで多くはなかった。
隅田川花火大会は多くの人でごった返していて、何度潰された事か…。
「人もそれなりでいいな…ここ」
「また来ようか?」
「そうだな…」
知らない街の花火大会。
手を繋いでいても、見られる事に恥ずかしげもない。
どうせ明日にはもう見ることのない人達だから。
小さい街だったが、結構見応えのある花火だった。
真下で見たせいか、余計に迫力があってよかった。
花火を見上げている間後ろから抱きしめるようにしていた俊がピッタリ
と身体をくっつけて来るせいで荒太は花火に集中できなかった。
硬いモノが後ろに当たっているし、これからの事を考えると顔が熱くな
ってくる。
「どうした?真っ赤だよ?」
わざと耳元で囁いて来るあたり確信犯だったのだろう。
そんな俊の思惑にまんまと乗ってやる荒太は本当に甘い。
誘われるまま、静かな茂みに行くとはだけさせられる。
いつしか花火も終わりのラストスパートとばかりに連続で上がり始めた。
熱く火照った身体も同じく熱く激しさを増していった。
観客が帰り始めると、浴衣を直され旅館へと帰った。
少し土がついてしまったと弁解するとにこやかに受け取ってくれた。
部屋付きの露天風呂へと入ると二人が入ったせいで水が溢れて出て行く。
「こう言うのもたまにはいいな~。気持ちいい~」
「うん、荒太とくっついていられるのもいいな?」
「/////」
照れる荒太に俊は恥ずかしげもなく堂々としていた。
もう、聞く事もせず抱きしめられるとキスを交わした。
もうそれだけで何をするのかを察して身体の力を抜いていった。
0
あなたにおすすめの小説
異世界にやってきたら氷の宰相様が毎日お手製の弁当を持たせてくれる
七瀬京
BL
異世界に召喚された大学生ルイは、この世界を救う「巫覡」として、力を失った宝珠を癒やす役目を与えられる。
だが、異界の食べ物を受けつけない身体に苦しみ、倒れてしまう。
そんな彼を救ったのは、“氷の宰相”と呼ばれる美貌の男・ルースア。
唯一ルイが食べられるのは、彼の手で作られた料理だけ――。
優しさに触れるたび、ルイの胸に芽生える感情は“感謝”か、それとも“恋”か。
穏やかな日々の中で、ふたりの距離は静かに溶け合っていく。
――心と身体を癒やす、年の差主従ファンタジーBL。
前世が教師だった少年は辺境で愛される
結衣可
BL
雪深い帝国北端の地で、傷つき行き倒れていた少年ミカを拾ったのは、寡黙な辺境伯ダリウスだった。妻を亡くし、幼い息子リアムと静かに暮らしていた彼は、ミカの知識と優しさに驚きつつも、次第にその穏やかな笑顔に心を癒されていく。
ミカは実は異世界からの転生者。前世の記憶を抱え、この世界でどう生きるべきか迷っていたが、リアムの教育係として過ごすうちに、“誰かに必要とされる”温もりを思い出していく。
雪の館で共に過ごす日々は、やがてお互いにとってかけがえのない時間となり、新しい日々へと続いていく――。
鎖に繋がれた騎士は、敵国で皇帝の愛に囚われる
結衣可
BL
戦場で捕らえられた若き騎士エリアスは、牢に繋がれながらも誇りを折らず、帝国の皇帝オルフェンの瞳を惹きつける。
冷酷と畏怖で人を遠ざけてきた皇帝は、彼を望み、夜ごと逢瀬を重ねていく。
憎しみと抗いのはずが、いつしか芽生える心の揺らぎ。
誇り高き騎士が囚われたのは、冷徹な皇帝の愛。
鎖に繋がれた誇りと、独占欲に満ちた溺愛の行方は――。
【WEB版】監視が厳しすぎた嫁入り生活から解放されました~冷徹無慈悲と呼ばれた隻眼の伯爵様と呪いの首輪~【BL・オメガバース】
古森きり
BL
【書籍化決定しました!】
詳細が決まりましたら改めてお知らせにあがります!
たくさんの閲覧、お気に入り、しおり、感想ありがとうございました!
アルファポリス様の規約に従い発売日にURL登録に変更、こちらは引き下げ削除させていただきます。
政略結婚で嫁いだ先は、女狂いの伯爵家。
男のΩである僕には一切興味を示さず、しかし不貞をさせまいと常に監視される生活。
自分ではどうすることもできない生活に疲れ果てて諦めた時、夫の不正が暴かれて失脚した。
行く当てがなくなった僕を保護してくれたのは、元夫が口を開けば罵っていた政敵ヘルムート・カウフマン。
冷徹無慈悲と呼び声高い彼だが、共に食事を摂ってくれたりやりたいことを応援してくれたり、決して冷たいだけの人ではなさそうで――。
カクヨムに書き溜め。
小説家になろう、アルファポリス、BLoveにそのうち掲載します。
【完結】愛されたかった僕の人生
Kanade
BL
✯オメガバース
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
お見合いから一年半の交際を経て、結婚(番婚)をして3年。
今日も《夫》は帰らない。
《夫》には僕以外の『番』がいる。
ねぇ、どうしてなの?
一目惚れだって言ったじゃない。
愛してるって言ってくれたじゃないか。
ねぇ、僕はもう要らないの…?
独りで過ごす『発情期』は辛いよ…。
借金のカタで二十歳上の実業家に嫁いだΩ。鳥かごで一年過ごすだけの契約だったのに、氷の帝王と呼ばれた彼に激しく愛され、唯一無二の番になる
水凪しおん
BL
名家の次男として生まれたΩ(オメガ)の青年、藍沢伊織。彼はある日突然、家の負債の肩代わりとして、二十歳も年上のα(アルファ)である実業家、久遠征四郎の屋敷へと送られる。事実上の政略結婚。しかし伊織を待ち受けていたのは、愛のない契約だった。
「一年間、俺の『鳥』としてこの屋敷で静かに暮らせ。そうすれば君の家族は救おう」
過去に愛する番を亡くし心を凍てつかせた「氷の帝王」こと征四郎。伊織はただ美しい置物として鳥かごの中で生きることを強いられる。しかしその瞳の奥に宿る深い孤独に触れるうち、伊織の心には反発とは違う感情が芽生え始める。
ひたむきな優しさは、氷の心を溶かす陽だまりとなるか。
孤独なαと健気なΩが、偽りの契約から真実の愛を見出すまでの、切なくも美しいシンデレラストーリー。
転生したら魔王の息子だった。しかも出来損ないの方の…
月乃
BL
あぁ、やっとあの地獄から抜け出せた…
転生したと気づいてそう思った。
今世は周りの人も優しく友達もできた。
それもこれも弟があの日動いてくれたからだ。
前世と違ってとても優しく、俺のことを大切にしてくれる弟。
前世と違って…?いいや、前世はひとりぼっちだった。仲良くなれたと思ったらいつの間にかいなくなってしまった。俺に近づいたら消える、そんな噂がたって近づいてくる人は誰もいなかった。
しかも、両親は高校生の頃に亡くなっていた。
俺はこの幸せをなくならせたくない。
そう思っていた…
やっと退場できるはずだったβの悪役令息。ワンナイトしたらΩになりました。
毒島醜女
BL
目が覚めると、妻であるヒロインを虐げた挙句に彼女の運命の番である皇帝に断罪される最低最低なモラハラDV常習犯の悪役夫、イライ・ロザリンドに転生した。
そんな最期は絶対に避けたいイライはヒーローとヒロインの仲を結ばせつつ、ヒロインと円満に別れる為に策を練った。
彼の努力は実り、主人公たちは結ばれ、イライはお役御免となった。
「これでやっと安心して退場できる」
これまでの自分の努力を労うように酒場で飲んでいたイライは、いい薫りを漂わせる男と意気投合し、彼と一夜を共にしてしまう。
目が覚めると罪悪感に襲われ、すぐさま宿を去っていく。
「これじゃあ原作のイライと変わらないじゃん!」
その後体調不良を訴え、医師に診てもらうととんでもない事を言われたのだった。
「あなた……Ωになっていますよ」
「へ?」
そしてワンナイトをした男がまさかの国の英雄で、まさかまさか求愛し公開プロポーズまでして来て――
オメガバースの世界で運命に導かれる、強引な俺様α×頑張り屋な元悪役令息の元βのΩのラブストーリー。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる