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2話
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夜に安アパートに帰ってくると賄いで貰ったおにぎりと串焼き
を出しながら齧る。
温めるレンジもない。
さめて冷たくても食べれればそれでいい。
孤児院ではレンジで温めていいのは上級生だけだった。
優遇されるのはいつでも人に気に入られる一部の人間だけだった。
中学は義務教育で行かせてもらえるが高校からはお金がいる。
孤児院育ちの有栖川優には払えるだけのお金はない。
今の安アパートさえもなんとか借りれてはいるが大家からはいつも
睨まれて、いつ追い出される分からない。
そして明日からバイトすら無くなってしまったのだ。
「はぁ~…どうしよう…」
賄いで多少は浮いていた食費もこれからはそうはいかないだろう。
ネットを付けると起動させたまま画像がつくまでしばらく放置する。
その間に服を脱ぐとシャワーを浴びてくる。
鬱陶しい髪をかきあげてローブを着てベッドの上に座る。
その頃にはパッと画面が点滅していた。
丁度0時を回るこの時間。寝る前にとネットをつけてエッチな動画を
検索するであろう時間に配信を始める。
最初は自分の肌を晒したりしていたが、今ではカメラの前でちんこを
扱きイクまでを流す。
いつしかコメントが付き、その通りにすると『投げ銭』がもらえた。
もちろん100円とか少額なものだが、ありがたい収入源だった。
『もっとお尻あげて見せて~』
「お尻?こんな感じ?」
カメラに向かってお尻を突き出す。コメント欄にはいくつかの草が書
かれていた。
喜びだろうか?最近書く人が多い気がする。
『もっと、もっと、そしたら投げ銭しちゃう!』
『あ!俺もするする。だから尻の穴広げてみて!』
「えっ…えーっと、した事ないけど…指でいいかな?」
言われた通りに指を舐めるとカメラに向けたまま尻の穴に指を入れて
見る。
ぎゅっとしまったそこはなかなか奥には入っていかない。
「ぅっ……ンッ……もう、無理っ…」
一本の指ですらなかなか入っていかない。
ぐりぐりと入れてみるが力が入っているせいかすぐに追い出されてし
まう。
『wwwwwwww』
画面いっぱいに書かれた草のマーク。
少額だが、投げ銭も貰えた。
やってよかったのだろうか?
「喜んでもらえてよかった…」
『今度は二本までは入れてよ?玩具でもいいけどw』
『それな!マジ入れるんならもっと慣らせよw』
配信を終えると疲れた気がする。
それでもお金が入るならなんだってやる。
そんな時、ピロンッと音が鳴った。
個人的に送られてきたチャットルームだった。
ボタンをクリックするといつもすぐに投げ銭してくれる常連のラビット
さんだった。
『ごめんね、いきなりで…君に個人的に話したかったんだよ。』
「はい…いつも投げ銭ありがとうございます」
『アリス、ちょっと僕から提案があるんだがどうだろうか?』
「はぁ…」
いきなり持ちかけられた提案とは、個人ルームで言われた事をするという
ものだった。
もちろん生配信という事だ。
それもラビットさんにだけ見せるというものだった。
「それは…」
『あぁ、もちろん投げ銭はたっぷりしてあげるよ。ほらっ…』
そう言うとチャリンと音がして1000円が表示された。
まだ何もしていない。
これはただの誠意なのだろう。
「俺は何をしたらいいですか?」
『そうだな~この通りにしてくれ。次の配信までにここのコインロッカー
に入れておいた手紙と袋を取りに行って欲しい、いいかな?』
「分かりました」
『もちろん、僕からのプレゼントはさっきの配信で使ってくれてもいいよ
ただし、このプライベートで使ったモノに限るけどね』
そう言うと切られてしまった。
さっき届いた地図は意外と近い場所だった。
指定された日にちに取りに行くと、教えて貰った暗証番号で鍵が開いた。
大きな紙袋が二つ入っている。
中には分厚い手紙と本が1冊入っていた。
手紙には使う道具と、配信日時が記されていて、本にはアナルセックスの
基本的な洗浄から必要なモノの知識が書かれていた。
少し重いと思ったが、家に帰って開けると数本のローションと玩具が詰ま
っていたのだった。
を出しながら齧る。
温めるレンジもない。
さめて冷たくても食べれればそれでいい。
孤児院ではレンジで温めていいのは上級生だけだった。
優遇されるのはいつでも人に気に入られる一部の人間だけだった。
中学は義務教育で行かせてもらえるが高校からはお金がいる。
孤児院育ちの有栖川優には払えるだけのお金はない。
今の安アパートさえもなんとか借りれてはいるが大家からはいつも
睨まれて、いつ追い出される分からない。
そして明日からバイトすら無くなってしまったのだ。
「はぁ~…どうしよう…」
賄いで多少は浮いていた食費もこれからはそうはいかないだろう。
ネットを付けると起動させたまま画像がつくまでしばらく放置する。
その間に服を脱ぐとシャワーを浴びてくる。
鬱陶しい髪をかきあげてローブを着てベッドの上に座る。
その頃にはパッと画面が点滅していた。
丁度0時を回るこの時間。寝る前にとネットをつけてエッチな動画を
検索するであろう時間に配信を始める。
最初は自分の肌を晒したりしていたが、今ではカメラの前でちんこを
扱きイクまでを流す。
いつしかコメントが付き、その通りにすると『投げ銭』がもらえた。
もちろん100円とか少額なものだが、ありがたい収入源だった。
『もっとお尻あげて見せて~』
「お尻?こんな感じ?」
カメラに向かってお尻を突き出す。コメント欄にはいくつかの草が書
かれていた。
喜びだろうか?最近書く人が多い気がする。
『もっと、もっと、そしたら投げ銭しちゃう!』
『あ!俺もするする。だから尻の穴広げてみて!』
「えっ…えーっと、した事ないけど…指でいいかな?」
言われた通りに指を舐めるとカメラに向けたまま尻の穴に指を入れて
見る。
ぎゅっとしまったそこはなかなか奥には入っていかない。
「ぅっ……ンッ……もう、無理っ…」
一本の指ですらなかなか入っていかない。
ぐりぐりと入れてみるが力が入っているせいかすぐに追い出されてし
まう。
『wwwwwwww』
画面いっぱいに書かれた草のマーク。
少額だが、投げ銭も貰えた。
やってよかったのだろうか?
「喜んでもらえてよかった…」
『今度は二本までは入れてよ?玩具でもいいけどw』
『それな!マジ入れるんならもっと慣らせよw』
配信を終えると疲れた気がする。
それでもお金が入るならなんだってやる。
そんな時、ピロンッと音が鳴った。
個人的に送られてきたチャットルームだった。
ボタンをクリックするといつもすぐに投げ銭してくれる常連のラビット
さんだった。
『ごめんね、いきなりで…君に個人的に話したかったんだよ。』
「はい…いつも投げ銭ありがとうございます」
『アリス、ちょっと僕から提案があるんだがどうだろうか?』
「はぁ…」
いきなり持ちかけられた提案とは、個人ルームで言われた事をするという
ものだった。
もちろん生配信という事だ。
それもラビットさんにだけ見せるというものだった。
「それは…」
『あぁ、もちろん投げ銭はたっぷりしてあげるよ。ほらっ…』
そう言うとチャリンと音がして1000円が表示された。
まだ何もしていない。
これはただの誠意なのだろう。
「俺は何をしたらいいですか?」
『そうだな~この通りにしてくれ。次の配信までにここのコインロッカー
に入れておいた手紙と袋を取りに行って欲しい、いいかな?』
「分かりました」
『もちろん、僕からのプレゼントはさっきの配信で使ってくれてもいいよ
ただし、このプライベートで使ったモノに限るけどね』
そう言うと切られてしまった。
さっき届いた地図は意外と近い場所だった。
指定された日にちに取りに行くと、教えて貰った暗証番号で鍵が開いた。
大きな紙袋が二つ入っている。
中には分厚い手紙と本が1冊入っていた。
手紙には使う道具と、配信日時が記されていて、本にはアナルセックスの
基本的な洗浄から必要なモノの知識が書かれていた。
少し重いと思ったが、家に帰って開けると数本のローションと玩具が詰ま
っていたのだった。
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