アリスちゃんねる 〜もっと淫れさせて〜

秋元智也

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85話

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その日の夕方、職場に意外な訪問者があった。

「長谷部部長、お客さんがきてますよ?」
「誰かね?」
「それが使用人だといえば分かると…」
「使用人?まぁ、いってみるよ。今は何処に?」
「面会室のルーム3に案内してあります」
「分かった。」

事件もひと段落してだいぶんと落ちついた気がす
る。
被害者の証言を取って、病院からすぐに職場へと
戻ってきた。
昨日と違って落ち着いていて話もしっかりできて
書類も出来上がり上に提出したところだった。

保護対象とあってか、他からも捜査員が出張って
きていた。
この事件は連日行方不明者の事件とも関連があっ
たらしく捜査一課が忙しなく行き来していた。

部屋で待っていたのは矢崎だった。部屋で待機し
ているように言いつけたはずだったが何故か、今
長谷部の職場にまできているのだ。

「どうしてここにきたのか聞いてもいいか?」
「どうして?それは…説得する為だよ。あんたア
 リスを抱いたんだろ?でもさ~あんたはこれか
 らどうすんだよ?あいつを娶れるわけじゃない
 だろ?家柄的に女をあの家に入れる気か?そう
 したらあいつはどうなる?」
「その事は心配ない。自分の事をやれ…今度連れ
 出す事があれば……」
「俺はあいつが好きだ。このまま連れて出ていく
 つもりだ」
「なっ……」

矢崎は自分の今の気持ちをそのまま伝えた。
このままあの家にいたら、自分は我慢できない…
と。

「他に働く場所を探しておく、今は…そうだなここ
 にいってくれ」
「要らねーよ、貰った給料だけでも暮らしていける
 し、仕事も自分で見つける。でもな~あいつを泣
 かせるようなら、俺が今度こそ連れてくからなっ!」
「それは大丈夫だ。私が責任を持って大事にする。」

その日、矢崎は帰ってこなかった。
部屋の荷物が無くなっている事に気がついたのはそ
れから数日経った後だった。

「ただいま~」
「おまえりなさい……えっと……」
「キスしても?」
「うん……」

聞かれて照れながら唇に触れるのが、可愛くて玄関
でがっつきそうになった。

「誠さん…バイトしちゃだめですか?」
「どうしてだ?何か欲しいものでもあるのか?」
「え…あ…そういうわけじゃないけど……」
「欲しいものがあるなら一緒に買いに行こう。
 今週末なんかどうだ?」
「あ…はい……」

何か言いたげだったが、優は自分からは言って来
なかった。
矢崎が言っていた事が頭を過ぎる。

優も長谷部が他の誰かと結婚すると思っているの
だろうか?
その誤解は早く解いた方がいいかもしれない。

週末になると、買い物へと連れ出した。
滅多に外に出なかったせいか、見るもの全部が興
味をそそるらしかった。

「これ、気に入ったのなら買うか?」
「いえ…大丈夫です」
「そうじゃないだろう?気に入ったのなら欲しい
 と言ってくれ。私はそんな甲斐性無しじゃない
 ぞ?」
「そういうわけでは……」
「すいません、そこのやつ包んでください」
「えっ…そんなっ…だって、高いのに……」

優の遠慮がちな性格は治らないらしい。
長谷部が無理にでも買わないと何も欲しがらなか
った。

夜景の見えるホテルのレストランを予約していた
ので、途中でスーツに着替えた。
優は持っていないので、さっきの買い物の時に買
った。

特注とはいかないが、市販品でもいい生地のを選
んだ。

「どうだ?眺めもいいだろう?」
「そう…ですね……なんだかこういうところって
 落ち着かないというか…」
「今日は特別な日になるからな…」
「特別な…日?」
「まぁ、食べなさい」
「はい」

食事もいつも食べているものも美味しかったが、
今日のは格別だった。初めてワインも飲んでみた。

ふわっとした感じがして酒に弱い事が分かった途
端に普通のジュースに変えられてしまったのだっ
た。
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