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第十話 いざ、出発!
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ダンジョンまでは始まりの街から森を抜けてすぐのところにあった。
そこは広い森を抜けたところにある。
この森の中で迷子になった挙句拉致されて奴隷へと落とされた記憶が
あるせいか、いい思い出なんかない。
「ここの奥で俺、目覚めたんだよな~」
「そうなのか?」
「あぁ、こんな馬車なんかないからさ~野党に襲われてるところに偶然
遭っちゃってさ~そしてすぐに首輪つけられて奴隷にさせられたって
訳。一緒にいた人は全員逃したけど、ちゃんと逃げれたのかな~」
馬車に揺られながら外を眺めた。
馭者は馬に鞭を打つと走らせていた。
「この辺はモンスターは出るのですか?」
「この辺ではブラックウルフの縄張りですね。最近ではよく襲われるよう
になったと聞いています。馬なしにこの辺りは歩く人はいませんぜ」
その馭者の言葉に少し不安になった。
確かにあの時、大きな野犬に襲われて野党達は抗戦していたがそのうちの
リーダー格の人は春樹を馬に乗せるとすぐに逃げ出していた。
仲間を見殺しにして?
しかも大事な逃げ出した奴隷達を放置してでも逃げ出したかった?
その時、鉄の錆びたような臭いが周りを充満していた気がする。
「やっぱりあの奴隷達は逃げられなかったのかな?」
「春が巻き込まれなかったってだけでもよかったよ。もしあの時奴隷として
街に運ばれてなかったらと思うと、ゾッとするよ。もしここで春の遺体を
見つけても俺は春だって分かってあげられる自信はないよ」
「そう…だよな…」
見た目も性別も変わってしまったのだから当たり前と言えるだろう。
それでも、どんなに辛くても生きてさえいれば、なんとかなる。
一瞬、夜に犯されるとわかった時に、死のうかとも思ったが…今なら死ななく
てよかったと思える。
「生きててよかった…椎名にも会えたし。俺さ…捕まってブラックウルフが襲っ
て来なかったらさ…野党に犯されるはずだったんだよ…」
「なっ…それは…」
「運が良かっただろ?犯される位なら先に死んでやろうって少し思ってた」
春の言葉に聖女は疑いの目を向けていたが、椎名は真剣に聞いていた。
「聖女だっけ?あんたは俺が誰とでもヤるって思ってんだろうけど、俺男だぜ?
何でか今は女の身体になっちまったけどさ~。だから椎名とどうにかなるって
事は絶対にねーの!分かった?」
「そんなの信じられませんわ。現に昨日も誘惑してましたもの」
「春は男だ。俺たちの世界ではそうだった。今もこの容姿も身体も信じられんしな」
「だよな~、早く男の身体に戻りてーし。だからあんたも嫉妬なんてしてねーでさ
手伝ってくれよ。この世界に詳しいんだろ?それとさ、名前なんて言うの?まさ
か聖女様としか呼ばれた事ない訳じゃねーだろ?」
「サラ…。サラですわ。教会の前で捨てられていましたの。でも、今はそれでよかっ
たと思ってますわ。聖女に選ばれてこうして皆さんの信仰の的になってますもの」
サラッと過去を流すと、椎名の横にピッタリとくっついた。
「それに、わたくしの方が大きいですもの!」
「それは関係ねーだろ?…椎名って巨乳派だっけ?」
「そんな事は…ない」
顔を赤くすると春の冷たい視線が痛い。
急に馬車が止まると一気に揺れた。
「なんだ!?」
「ブラックウルフです!勇者様!」
馭者の悲痛な叫びに椎名が飛び降りると取り囲むようにジリジリと範囲を狭めて来
ていた。
1匹が飛びかかって来ると椎名の剣が素早く振り抜かれ真っ二つにしていた。
レベル99だけあって、スピードも腕力も強い。
しかし、最初からチートというのもおかしな話だった。
これでは勇者さえ召喚できれば必ず魔王が倒せると言っているようなものではない
か?それでは、なんの為にレベルがあるのか?
聖女ですらレベル10なのだ。
あまりにも違いすぎる。
国の騎士でさえ一番高いレベルが15になっていた。
冒険者となるとSランク冒険者でレベル20が最高だ。
という事は、椎名のレベル99というのは異常でしかないのだ。
何かカラクリがあるとしか思えない。
もっとこの世界の事を知らなくてはならない。
それに、レベル1のままでは何もできない。
そう思っていた。
次々に倒していくのを見ていると急にレベルが上がった音がした。
これは自分にしか聞こえないようだった。
「なんでこんな時に?」
ステータス画面を開くと経験値がすごい勢いで入っていく。
空中の画面を触るとどんどん上がっていくとまたレベルが上がった。
しかし、椎名もサラ…聖女ですら上がる様子はなかった。
とするなら、上がるのは春樹だけということになる。
しかも、自分が倒さなくてもパーティーメンバーが倒せば経験値が入るらしい。
一緒に冒険には来てるけど、パーティーを組んだ覚えはない。
という事は近くで亡くなったものの経験値が勝手に入る事になる。
春はその変動とレベルアップまでに必要な経験値を見ながら考え込んだのだった。
そこは広い森を抜けたところにある。
この森の中で迷子になった挙句拉致されて奴隷へと落とされた記憶が
あるせいか、いい思い出なんかない。
「ここの奥で俺、目覚めたんだよな~」
「そうなのか?」
「あぁ、こんな馬車なんかないからさ~野党に襲われてるところに偶然
遭っちゃってさ~そしてすぐに首輪つけられて奴隷にさせられたって
訳。一緒にいた人は全員逃したけど、ちゃんと逃げれたのかな~」
馬車に揺られながら外を眺めた。
馭者は馬に鞭を打つと走らせていた。
「この辺はモンスターは出るのですか?」
「この辺ではブラックウルフの縄張りですね。最近ではよく襲われるよう
になったと聞いています。馬なしにこの辺りは歩く人はいませんぜ」
その馭者の言葉に少し不安になった。
確かにあの時、大きな野犬に襲われて野党達は抗戦していたがそのうちの
リーダー格の人は春樹を馬に乗せるとすぐに逃げ出していた。
仲間を見殺しにして?
しかも大事な逃げ出した奴隷達を放置してでも逃げ出したかった?
その時、鉄の錆びたような臭いが周りを充満していた気がする。
「やっぱりあの奴隷達は逃げられなかったのかな?」
「春が巻き込まれなかったってだけでもよかったよ。もしあの時奴隷として
街に運ばれてなかったらと思うと、ゾッとするよ。もしここで春の遺体を
見つけても俺は春だって分かってあげられる自信はないよ」
「そう…だよな…」
見た目も性別も変わってしまったのだから当たり前と言えるだろう。
それでも、どんなに辛くても生きてさえいれば、なんとかなる。
一瞬、夜に犯されるとわかった時に、死のうかとも思ったが…今なら死ななく
てよかったと思える。
「生きててよかった…椎名にも会えたし。俺さ…捕まってブラックウルフが襲っ
て来なかったらさ…野党に犯されるはずだったんだよ…」
「なっ…それは…」
「運が良かっただろ?犯される位なら先に死んでやろうって少し思ってた」
春の言葉に聖女は疑いの目を向けていたが、椎名は真剣に聞いていた。
「聖女だっけ?あんたは俺が誰とでもヤるって思ってんだろうけど、俺男だぜ?
何でか今は女の身体になっちまったけどさ~。だから椎名とどうにかなるって
事は絶対にねーの!分かった?」
「そんなの信じられませんわ。現に昨日も誘惑してましたもの」
「春は男だ。俺たちの世界ではそうだった。今もこの容姿も身体も信じられんしな」
「だよな~、早く男の身体に戻りてーし。だからあんたも嫉妬なんてしてねーでさ
手伝ってくれよ。この世界に詳しいんだろ?それとさ、名前なんて言うの?まさ
か聖女様としか呼ばれた事ない訳じゃねーだろ?」
「サラ…。サラですわ。教会の前で捨てられていましたの。でも、今はそれでよかっ
たと思ってますわ。聖女に選ばれてこうして皆さんの信仰の的になってますもの」
サラッと過去を流すと、椎名の横にピッタリとくっついた。
「それに、わたくしの方が大きいですもの!」
「それは関係ねーだろ?…椎名って巨乳派だっけ?」
「そんな事は…ない」
顔を赤くすると春の冷たい視線が痛い。
急に馬車が止まると一気に揺れた。
「なんだ!?」
「ブラックウルフです!勇者様!」
馭者の悲痛な叫びに椎名が飛び降りると取り囲むようにジリジリと範囲を狭めて来
ていた。
1匹が飛びかかって来ると椎名の剣が素早く振り抜かれ真っ二つにしていた。
レベル99だけあって、スピードも腕力も強い。
しかし、最初からチートというのもおかしな話だった。
これでは勇者さえ召喚できれば必ず魔王が倒せると言っているようなものではない
か?それでは、なんの為にレベルがあるのか?
聖女ですらレベル10なのだ。
あまりにも違いすぎる。
国の騎士でさえ一番高いレベルが15になっていた。
冒険者となるとSランク冒険者でレベル20が最高だ。
という事は、椎名のレベル99というのは異常でしかないのだ。
何かカラクリがあるとしか思えない。
もっとこの世界の事を知らなくてはならない。
それに、レベル1のままでは何もできない。
そう思っていた。
次々に倒していくのを見ていると急にレベルが上がった音がした。
これは自分にしか聞こえないようだった。
「なんでこんな時に?」
ステータス画面を開くと経験値がすごい勢いで入っていく。
空中の画面を触るとどんどん上がっていくとまたレベルが上がった。
しかし、椎名もサラ…聖女ですら上がる様子はなかった。
とするなら、上がるのは春樹だけということになる。
しかも、自分が倒さなくてもパーティーメンバーが倒せば経験値が入るらしい。
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春はその変動とレベルアップまでに必要な経験値を見ながら考え込んだのだった。
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