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第三十三話 騎士
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騎士風の人はこちらに頭を下げると剣を納め、兜を外すと膝をつ
いた。
「この街の警備をしている西方騎士団所属、ラティナといいます。
あなた方は冒険者ですか?あの強さ、私達に是非力を貸しては
貰えないでしょうか?」
「悪いが、断る。暇ではないんだ」
「ちょっと、椎名ってば。ラティナさんだっけ、何かあったの?
話くらいなら聞くよ?」
「ありがたい。早速話せる場所へと案内しよう。」
ラティナさんはすぐに案内しようとするが、椎名と聖女はそれを
反対した。
「胡散臭いですわ。」
「悪いが、こっちは暇じゃないんだ。宿もまだだしな…」
「宿を探しているのか?ならうちの屋敷に来るといい、さぁ歓迎
するぞ」
天野と春樹は二人を説得するとラティナさんの屋敷へと向かった。
大きな屋敷で門をくぐって中に入ると侍女たちがせっせと働いていた。
「お前たち、今日は客人が泊まる事になった。粗相のないようにな!」
透き通ったはっきりした声に一斉に背筋が伸びる。
掃除の行き届いた部屋に廊下には生花がところどころに飾られていた。
「広いですね~」
「それほどでもないよ。私はこの屋敷を継いだだけだからな。騎士とし
てはまだまだ実力不足なのは自分でもわかっているんだ。」
謙遜しながら話すのはここ最近で頻発している魔族の話だった。
さっきのも魔族の特徴で店から吹き飛ばしたのはいいが、傷ひとつ負って
いなかったのが悔しかったらしい。
しかし、それをいとも簡単に椎名が退治したので声をかけたという訳だった。
「そうか、其方は勇者だったのか!それなら納得だ。勇者という存在は規格
外だと聞いたことがある。ここからもっと西に勇者がかつて使っていた武器
があると聞いたことがある。魔王を殺した剣と言われていたかな~」
「おぉーー。それいいじゃん!」
「しかし、地図ではここから東のはずだが?」
「その地図を貸してくれないか?」
ラティナさんに渡すと昔の古い地図を持ってきて合わせてみる。
すると薄汚れた地図と同じ場所に印が付けられていた。
「これは100年以上前に勇者様がここを通った時に、持っていた地図の写しで
あると言われています。この情報は古く、きっと間違っていると思いますよ。
今は近くの村での伝承が一番最新であると思いますよ。」
「ラティナさん、ありがとな!違うところに行くとこだったぜ」
「いえ、構いません。勇者様の役に立てたのらな光栄です。そこで勇者様達には
お願いがあるのです。」
ラティナさんがいうにはこの街を南下したところにダンジョンができていてそこ
から何匹もの魔獣が溢れ出して来ているというのだった。
それが最近頻繁に街に入ってくる魔族の影響ではないかと考えているらしい。
そこで、ダンジョンの魔獣の流出を防いで、実情を確認してきて欲しいというの
だった。
「いいじゃん!行こうぜ!」
「…」
「悩む必要ないだろ?俺たちがいこうとしてた場所じゃん?」
「まさかタダでやってもらおうとは思っていないよな?」
椎名の一言に春樹も納得した。
「そっかぁ、クエストかぁ~!」
「いえ、こちらは明日の朝にギルドに指名依頼を出します。それでよろしいでしょ
うか?」
「分かった、受けよう」
「初めからやる気なんじゃん?椎名くーん?」
天野が悪戯っぽくいうと、睨まれた。
その夜はラティナさんの屋敷に泊まらせて貰う事になった。
「春っ風呂行けるらしいから入るか?」
「おっ、おぉ…すぐ入る」
「うん…待ってるから急がなくてもいいぞ」
「うん…」
最初は春樹がわざわざ椎名に合わせて無理矢理一緒に入っていたが、今はその逆で
椎名自身が春樹に合わせてきた。
「俺さ…一人でも入れるから…」
「一緒のが背中流してやれるだろ?それに俺たち両思いなんだろ?なら一緒でも
問題ないだろ?」
「そ…そうなんだけど…」
とてもじゃないが恥ずかしいとは言えない。
こんなに積極的だとは思いもしなかった。
「椎名はさ…男の俺も抱きたいのか?」
「春は元々男だっただろ?今が異常なんだ、俺には春であればどっちでも構わない」
「…ならさっ、女の俺もっ…いやっ、なんでもない!行くぞ~」
(今、俺は何を言おうとしてんだよっ…)
耳まで真っ赤にしながら椎名を掴むと風呂場へと向かった。
タライで水を張って拭くだけと違って大きな浴槽が作ってあった。
大理石だろうか、石に囲まれて掘られた風呂場は常にお湯が流れ出ていた。
「おぉーー。すげーな!いい景色!」
「そ、そうだな…いい景色だ…/////」
椎名もそんな事を言うとは思わなかったから振り向くと視線が春樹の身体へ
と注がれていた。
「おっ…お前っ…」
「春っ…いいか?」
熱い視線と耳元で囁かれる言葉に春樹は抵抗なんてできなかった。
石鹸で身体を洗いながら胸を揉まれると気持ちよくて腰を椎名に擦りつけた。
「ここも全部感じるんだったよな?現実でもこんなに感じるのか?」
「しっ…知らねっ…あっ」
クリを指で弄りながら後ろにも指を絡ませる。
前後を同時に刺激され、たまらず悶えると椎名の顔を掴む引き寄せキスをした。
「俺だけを見てろよ?元の世界に帰っても俺だけを見ててよ…こんな身体にし
た責任はしっかり取れよ?」
ニヤッと笑うと椎名の顔に見た事もないほど動揺が走った。
いた。
「この街の警備をしている西方騎士団所属、ラティナといいます。
あなた方は冒険者ですか?あの強さ、私達に是非力を貸しては
貰えないでしょうか?」
「悪いが、断る。暇ではないんだ」
「ちょっと、椎名ってば。ラティナさんだっけ、何かあったの?
話くらいなら聞くよ?」
「ありがたい。早速話せる場所へと案内しよう。」
ラティナさんはすぐに案内しようとするが、椎名と聖女はそれを
反対した。
「胡散臭いですわ。」
「悪いが、こっちは暇じゃないんだ。宿もまだだしな…」
「宿を探しているのか?ならうちの屋敷に来るといい、さぁ歓迎
するぞ」
天野と春樹は二人を説得するとラティナさんの屋敷へと向かった。
大きな屋敷で門をくぐって中に入ると侍女たちがせっせと働いていた。
「お前たち、今日は客人が泊まる事になった。粗相のないようにな!」
透き通ったはっきりした声に一斉に背筋が伸びる。
掃除の行き届いた部屋に廊下には生花がところどころに飾られていた。
「広いですね~」
「それほどでもないよ。私はこの屋敷を継いだだけだからな。騎士とし
てはまだまだ実力不足なのは自分でもわかっているんだ。」
謙遜しながら話すのはここ最近で頻発している魔族の話だった。
さっきのも魔族の特徴で店から吹き飛ばしたのはいいが、傷ひとつ負って
いなかったのが悔しかったらしい。
しかし、それをいとも簡単に椎名が退治したので声をかけたという訳だった。
「そうか、其方は勇者だったのか!それなら納得だ。勇者という存在は規格
外だと聞いたことがある。ここからもっと西に勇者がかつて使っていた武器
があると聞いたことがある。魔王を殺した剣と言われていたかな~」
「おぉーー。それいいじゃん!」
「しかし、地図ではここから東のはずだが?」
「その地図を貸してくれないか?」
ラティナさんに渡すと昔の古い地図を持ってきて合わせてみる。
すると薄汚れた地図と同じ場所に印が付けられていた。
「これは100年以上前に勇者様がここを通った時に、持っていた地図の写しで
あると言われています。この情報は古く、きっと間違っていると思いますよ。
今は近くの村での伝承が一番最新であると思いますよ。」
「ラティナさん、ありがとな!違うところに行くとこだったぜ」
「いえ、構いません。勇者様の役に立てたのらな光栄です。そこで勇者様達には
お願いがあるのです。」
ラティナさんがいうにはこの街を南下したところにダンジョンができていてそこ
から何匹もの魔獣が溢れ出して来ているというのだった。
それが最近頻繁に街に入ってくる魔族の影響ではないかと考えているらしい。
そこで、ダンジョンの魔獣の流出を防いで、実情を確認してきて欲しいというの
だった。
「いいじゃん!行こうぜ!」
「…」
「悩む必要ないだろ?俺たちがいこうとしてた場所じゃん?」
「まさかタダでやってもらおうとは思っていないよな?」
椎名の一言に春樹も納得した。
「そっかぁ、クエストかぁ~!」
「いえ、こちらは明日の朝にギルドに指名依頼を出します。それでよろしいでしょ
うか?」
「分かった、受けよう」
「初めからやる気なんじゃん?椎名くーん?」
天野が悪戯っぽくいうと、睨まれた。
その夜はラティナさんの屋敷に泊まらせて貰う事になった。
「春っ風呂行けるらしいから入るか?」
「おっ、おぉ…すぐ入る」
「うん…待ってるから急がなくてもいいぞ」
「うん…」
最初は春樹がわざわざ椎名に合わせて無理矢理一緒に入っていたが、今はその逆で
椎名自身が春樹に合わせてきた。
「俺さ…一人でも入れるから…」
「一緒のが背中流してやれるだろ?それに俺たち両思いなんだろ?なら一緒でも
問題ないだろ?」
「そ…そうなんだけど…」
とてもじゃないが恥ずかしいとは言えない。
こんなに積極的だとは思いもしなかった。
「椎名はさ…男の俺も抱きたいのか?」
「春は元々男だっただろ?今が異常なんだ、俺には春であればどっちでも構わない」
「…ならさっ、女の俺もっ…いやっ、なんでもない!行くぞ~」
(今、俺は何を言おうとしてんだよっ…)
耳まで真っ赤にしながら椎名を掴むと風呂場へと向かった。
タライで水を張って拭くだけと違って大きな浴槽が作ってあった。
大理石だろうか、石に囲まれて掘られた風呂場は常にお湯が流れ出ていた。
「おぉーー。すげーな!いい景色!」
「そ、そうだな…いい景色だ…/////」
椎名もそんな事を言うとは思わなかったから振り向くと視線が春樹の身体へ
と注がれていた。
「おっ…お前っ…」
「春っ…いいか?」
熱い視線と耳元で囁かれる言葉に春樹は抵抗なんてできなかった。
石鹸で身体を洗いながら胸を揉まれると気持ちよくて腰を椎名に擦りつけた。
「ここも全部感じるんだったよな?現実でもこんなに感じるのか?」
「しっ…知らねっ…あっ」
クリを指で弄りながら後ろにも指を絡ませる。
前後を同時に刺激され、たまらず悶えると椎名の顔を掴む引き寄せキスをした。
「俺だけを見てろよ?元の世界に帰っても俺だけを見ててよ…こんな身体にし
た責任はしっかり取れよ?」
ニヤッと笑うと椎名の顔に見た事もないほど動揺が走った。
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