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第三十五話 力の差
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椎名は二手に別れる方を選びたそうだったが、それは最悪戦力を分散させるだけで
いいとは言えない。
「まずはここで戦おう。まずはこっちを…」
春樹は自分の足元の水を固めるとその上に乗った。
「みんなも足場に乗って」
「魔法って便利だな~。」
「このくらいわたくしでも出来ますわ」
「できるんなら、この足場以外を全部凍らせてくれ。できるか?」
春の言葉に一瞬動きが止まった。
「全部ですの?指定して凍らせるなんてやった事ありませんわ。前に向かって氷の
礫ではダメですの?」
「ダメだろ?かわされたらどーすんだよ?使えねーじゃん?」
春は真剣そのものだった。
決してふざけて言っているわけではない。
「春樹、ちょっと難しすぎないか?」
「俺ならできるぜ?何度も練習してたからな。魔力操作に限界値はないはずだから、
レベルがマックスでも成長できるはずなんだよ。」
「おい、来たぞ」
天野の声に反応する様に天野が武器を構える。
前から来るのはリザードマンだろうか。
まだ距離は遠いが、確実にこちらを敵視している。
距離が次第に詰まっていく。
天野の射程範囲に入ると弓を引き絞る。
その時冷気が一気に敵に向かって走った。
そう、地面を一気に走ったという感じがしたのだ。
あっという間に水が強固な氷へと化す。
「天野、椎名、思いっきり行ってこい!」
春樹の声を聞くと椎名が一気に走り出した。
慌てるモンスターに天野の先制攻撃が当たる。
頭を撃ち抜くと崩れるように倒れていく。
その隙に椎名がたどり着くと一気に剣を振り上げて真っ二つにした。
本当に簡単な作業になってしまった。
足元が動かないせいで敵はそこから動けず、俊敏さが売りのリザードマンがあっけ
なく倒されて行くのだ。
聖女には夢であってほしいくらいに現実は残酷だった。
レベル1で馬鹿にしていたはずの女に自分は劣っていると叩きつけられたのだ。
しかも、回復は聖女の役目と思っていたはずなのに簡単な処置なら簡易ヒールは春
も使うことができるのだ。
倒し終わるとイベントリに収納した。
「春樹のイベントリってさ容量デカくない?」
「う~ん、まぁ結構入るね。さぁ行こうか?」
「でも、どっち行くんだ?」
春の言葉を遮るように天野が聞き返す。
「もちろん、敵が来た方に決まってるだろっ!」
納得していない天野に春は解説をつける。
「敵が来たって事はそっちの奥に何かがあるって事だろ?きてないって事は行き
止まりの可能性かもしくは備蓄の何かがあるって事だろ?見張りが、それも武
装してるって事はそっちがボス部屋しかないだろ?」
「そうなのか~俺、ゲームとか苦手だったから戦略とかってわかんねーんだよ
な~、でも、さっきのはすげーな!マジで楽に倒せたし」
興奮する様に天野が話し春樹に迫ると、それ以上近づくなと椎名が牽制してきた。
「取って食ったりしねーって…椎名って余裕なくね?」
「行くよ。止まってたらまた敵が来ても困るしね」
足場が凍ったままだと同じ戦法は使えない。
奥に進むと歩きやすかった足場もなくなり膝まで水が来ていた。
「だんだん深くなってねーか?」
「そうなんだよな~、こんな所で戦闘はしたくないし…」
「春、足場を作れるか?一気に駆け抜けるのはどうだ?」
「う~ん、それでもいいけどいきなり戦闘になったら困らないか?」
「俺は大丈夫だ。それに春だけは守るから」
椎名の真剣な顔に春は照れるが、天野と聖女は完全に蚊帳の外だった。
「あー俺たちは自分でなんとかしろって事かよ。春樹はいいね~」
「そ、そんな事は…」
「俺ははそれでもいいぜ。後からついてくからさ」
天野が言うと聖女も頷いた。
椎名はしゃがむと背におぶされと言ってきていた。
みんな前で恥ずかしかったが、自分で走るよりは早いので否定はできなかった。
ひたすら前の水を凍らせて走り続ける事20分。
数匹単位の見張りを倒しながら一気に駆け上がっていた。
地面の氷で足を取られ反撃もできぬまま倒れて行くモンスターを眺めながら次の
魔法を発動した。
「やっぱり水に足を取られるより、この方が早いな」
「椎名っ…ちょっと休憩させて…」
「んーどうした?」
連発で発動していたせいか消耗が激しいようだった。
もうMPが底をつきそうだった。
少し休んでいると後ろから天野達が追いついてきた。
「おいおい、敵を全部やっつける勢いで行ったのかと思ったぜ。春樹大丈夫なのか?」
「問題ない。魔法を連発しすぎたせいだ。おい、聖女には同じ事はできないのか?」
「そ、そんな事は…いえ、やってみますわ」
自分の杖を前に出すと冷たい空浮が周りを取り囲む。
一気に冷えていき前に解き放たれた。
ピシピシッっと音がして凍って行く。
「おぉ、聖女様できるじゃん。」
天野に褒められて顔を綻ばせるがあっという間に氷が割れて水に戻ってしまった。
「あれ?これって凍ったらずっとじゃねーの?」
「いえ、わたくしでは数秒凍らせる事しかできませんわ。ここまで強固な氷など
作れません」
落ち込むように下を向くが、天野は励まし続けた。
「でも、これでもすげーって、走る間だけでも凍らせられたらいいと思うよ、うん」
天野の気持ちを受け取ったのか聖女は少しやる気になったようだった。
「椎名くん、どうかな。走ってる間だけでも聖女様の魔法で凍らせれば先に進めるけど」
「そうだな…ないよりはマシか…」
「って、そんな言い方しない!女の子には優しくって言うだろ?」
「春を傷付けるような奴に優しくする必要があるのか?」
「そう言ってても、その聖女様に助けられたんだろ?君はさ」
そこには何も言えないのか悔しそうな表情で睨みつけてきた。
いいとは言えない。
「まずはここで戦おう。まずはこっちを…」
春樹は自分の足元の水を固めるとその上に乗った。
「みんなも足場に乗って」
「魔法って便利だな~。」
「このくらいわたくしでも出来ますわ」
「できるんなら、この足場以外を全部凍らせてくれ。できるか?」
春の言葉に一瞬動きが止まった。
「全部ですの?指定して凍らせるなんてやった事ありませんわ。前に向かって氷の
礫ではダメですの?」
「ダメだろ?かわされたらどーすんだよ?使えねーじゃん?」
春は真剣そのものだった。
決してふざけて言っているわけではない。
「春樹、ちょっと難しすぎないか?」
「俺ならできるぜ?何度も練習してたからな。魔力操作に限界値はないはずだから、
レベルがマックスでも成長できるはずなんだよ。」
「おい、来たぞ」
天野の声に反応する様に天野が武器を構える。
前から来るのはリザードマンだろうか。
まだ距離は遠いが、確実にこちらを敵視している。
距離が次第に詰まっていく。
天野の射程範囲に入ると弓を引き絞る。
その時冷気が一気に敵に向かって走った。
そう、地面を一気に走ったという感じがしたのだ。
あっという間に水が強固な氷へと化す。
「天野、椎名、思いっきり行ってこい!」
春樹の声を聞くと椎名が一気に走り出した。
慌てるモンスターに天野の先制攻撃が当たる。
頭を撃ち抜くと崩れるように倒れていく。
その隙に椎名がたどり着くと一気に剣を振り上げて真っ二つにした。
本当に簡単な作業になってしまった。
足元が動かないせいで敵はそこから動けず、俊敏さが売りのリザードマンがあっけ
なく倒されて行くのだ。
聖女には夢であってほしいくらいに現実は残酷だった。
レベル1で馬鹿にしていたはずの女に自分は劣っていると叩きつけられたのだ。
しかも、回復は聖女の役目と思っていたはずなのに簡単な処置なら簡易ヒールは春
も使うことができるのだ。
倒し終わるとイベントリに収納した。
「春樹のイベントリってさ容量デカくない?」
「う~ん、まぁ結構入るね。さぁ行こうか?」
「でも、どっち行くんだ?」
春の言葉を遮るように天野が聞き返す。
「もちろん、敵が来た方に決まってるだろっ!」
納得していない天野に春は解説をつける。
「敵が来たって事はそっちの奥に何かがあるって事だろ?きてないって事は行き
止まりの可能性かもしくは備蓄の何かがあるって事だろ?見張りが、それも武
装してるって事はそっちがボス部屋しかないだろ?」
「そうなのか~俺、ゲームとか苦手だったから戦略とかってわかんねーんだよ
な~、でも、さっきのはすげーな!マジで楽に倒せたし」
興奮する様に天野が話し春樹に迫ると、それ以上近づくなと椎名が牽制してきた。
「取って食ったりしねーって…椎名って余裕なくね?」
「行くよ。止まってたらまた敵が来ても困るしね」
足場が凍ったままだと同じ戦法は使えない。
奥に進むと歩きやすかった足場もなくなり膝まで水が来ていた。
「だんだん深くなってねーか?」
「そうなんだよな~、こんな所で戦闘はしたくないし…」
「春、足場を作れるか?一気に駆け抜けるのはどうだ?」
「う~ん、それでもいいけどいきなり戦闘になったら困らないか?」
「俺は大丈夫だ。それに春だけは守るから」
椎名の真剣な顔に春は照れるが、天野と聖女は完全に蚊帳の外だった。
「あー俺たちは自分でなんとかしろって事かよ。春樹はいいね~」
「そ、そんな事は…」
「俺ははそれでもいいぜ。後からついてくからさ」
天野が言うと聖女も頷いた。
椎名はしゃがむと背におぶされと言ってきていた。
みんな前で恥ずかしかったが、自分で走るよりは早いので否定はできなかった。
ひたすら前の水を凍らせて走り続ける事20分。
数匹単位の見張りを倒しながら一気に駆け上がっていた。
地面の氷で足を取られ反撃もできぬまま倒れて行くモンスターを眺めながら次の
魔法を発動した。
「やっぱり水に足を取られるより、この方が早いな」
「椎名っ…ちょっと休憩させて…」
「んーどうした?」
連発で発動していたせいか消耗が激しいようだった。
もうMPが底をつきそうだった。
少し休んでいると後ろから天野達が追いついてきた。
「おいおい、敵を全部やっつける勢いで行ったのかと思ったぜ。春樹大丈夫なのか?」
「問題ない。魔法を連発しすぎたせいだ。おい、聖女には同じ事はできないのか?」
「そ、そんな事は…いえ、やってみますわ」
自分の杖を前に出すと冷たい空浮が周りを取り囲む。
一気に冷えていき前に解き放たれた。
ピシピシッっと音がして凍って行く。
「おぉ、聖女様できるじゃん。」
天野に褒められて顔を綻ばせるがあっという間に氷が割れて水に戻ってしまった。
「あれ?これって凍ったらずっとじゃねーの?」
「いえ、わたくしでは数秒凍らせる事しかできませんわ。ここまで強固な氷など
作れません」
落ち込むように下を向くが、天野は励まし続けた。
「でも、これでもすげーって、走る間だけでも凍らせられたらいいと思うよ、うん」
天野の気持ちを受け取ったのか聖女は少しやる気になったようだった。
「椎名くん、どうかな。走ってる間だけでも聖女様の魔法で凍らせれば先に進めるけど」
「そうだな…ないよりはマシか…」
「って、そんな言い方しない!女の子には優しくって言うだろ?」
「春を傷付けるような奴に優しくする必要があるのか?」
「そう言ってても、その聖女様に助けられたんだろ?君はさ」
そこには何も言えないのか悔しそうな表情で睨みつけてきた。
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