その恋、応援します!

秋元智也

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第二十三話 キスの余韻

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観覧車は頂上まで行くと、次第に高度を下げていく。
中では荒い息をしながらキスを繰り返していた。

このままでは流石にヤバいと思い出したのか隆盛は名残り惜しそうに
しながら裕之から身体を離した。

 隆盛 「そろそろ着いちまうな…」
 裕之 「あ…うん。」

さっきまでの事もあってか、気恥ずかしくて目を見れず俯いてしまった。
隆盛は少し苦笑いを浮かべると、下に着いて外に降りようとする裕之を
中へと引っ張り込んだ。

 隆盛 「もう一周乗ります!」
 裕之 「へっ…」

そう言うと、係の女性はにっこりと笑ってドアをロックすると「いってら
っしゃい」と送り出してくれた。

 裕之 「な…なんで?」
 隆盛 「まだ、渡してないものがあるしな!これ。誕生日おめでとう」

そう言って渡されたのは、最初の店で買おうか悩んでいたブサ猫グッズ
だった。

 裕之 「ありがとう。嬉しい!お揃いにはしないの?」
 隆盛 「いやっ!ひろが好きならひろだけでいいかなって…はははっ」
    (あんま、どこが可愛いのか分からんしな…)

それでも嬉しそうにしてくれるだけで、よかったって思えてくる。

 (やっぱり、俺はひろが好きなんだよな~。この笑顔の側にずっと居
  たいっておもっちまってるあたり、同性愛者なんだろうな~。ひろ
  まで巻き込んじまったけど、後悔はしない。絶対に…)

今度は裕之は横に座ると一緒に夕日を眺めた。
隆盛は肩に手を回すと抱き寄せた。
照れたような裕之の顔を見ながらゆっくりとした時間を過ごした。
あっという間に二週目も終わりに差し掛かり地面が見えてくる。

 隆盛 「もう、終わりなんだな」
 裕之 「いつでも来れるじゃん。また一緒に来よう!」
 隆盛 「そうだな。」

下に着くと観覧車から降りた。
帰りは他愛もない話をして家へと帰った。

 春花 「おかえり~。裕之早くー早くー!」
 裕之 「なに?」

キッチンに行くと、両親と姉の春花と姉の友達の美桜も来ていた。
 
 美桜 「隆盛は来なかったの?あいつ帰ったわね。呼び出してやるわ」
 裕之 「はははっ…」
    (さっきまで一緒にいたけどね…)

机にはケーキが用意されていて、ご馳走も並んでいる。
プレゼントも色々と渡され、すっごく楽しい誕生日になった。
もちろん朝からのデートも含め、幸せだなって思えてくる。
普通じゃない恋愛をしているし、親には未だに言えていないけれど、それ
でもいつかはわかってくれるだろうかと心のどこかで淡い期待を持ちなが
ら、部屋へと入った。
あの後、すぐに隆盛は呼び出されて、駆けつけてくれた。
今は裕之の部屋で一緒にいる。
 
 裕之 「なんかさっき別れたばっかりなのにごめんね」
 隆盛 「いや…まだ一緒にいたかったし…それに呼び出したのうちの
     姉貴だしな!気にするな!」

二人っきりになると、少し恥ずかしいような気分になった。
観覧車での出来事を思い出しながら、貰ったプレゼントの話題になった。

 裕之 「そういえば、ねーちゃんから部屋で開けてって言われたのが
     あったんだった。なんだろう?」
 隆盛 「恥ずかしいものだったりしてな!」

冗談を交えながら開けると中に入っていたのは小さな箱と中ぐらいの箱、
そして透明の液体の入ったボトルだった。

 裕之 「えっ…これって…/////」
 隆盛 「あー。それは…」
 裕之 「まさか、隆盛のおねーちゃんからのもまさか…」
 隆盛 「ありえるだろうな…」

春花からのにはローションとコンドーム、そして小さめのローターだった。
美桜からの方にはアナルバルブとアナルセックスのススメと書かれた本が
入っていた。
付箋で「初心者でも大丈夫」と書かれているあたり、なにを言おうとして
いるかがおのずとうかがえる。

二人きりで、しかもベッドに腰掛けている状態でこんなもの貰うとは予想
していなかった。

 裕之 「あのさ、えーっと…」
 隆盛 「あー。なんつーか、急がなくていいぞ。ひろが嫌がる事はしたく    
     ないからさ。」
 裕之 「う…うん。」
 隆盛 「…」
 裕之 「ゲームでもやる?」
 隆盛 「そうだな…はははっ…」

気まずい空気を払拭するようにゲームをして過ごした。
ドアの前で中の様子を伺っていた春花は小さく舌打ちをすると今日の日記と
ばかりに美桜と晴翔に進展なしの知らせを届けた。

 隆盛 「あー。そろそろ帰らねーとな!」
 裕之 「このまま泊まってく?」
 隆盛 「えっ…あ、いいのか?えーっと…」
 裕之 「変な意味じゃなくて…遅い時間に帰るのもなんだし…」
 隆盛 「ひろがいいなら…」
 裕之 「着替えとタオル持ってくから先にお風呂いいよ。」
 隆盛 「わりぃな。」

先に隆盛が風呂へ行くと、裕之は部屋で一人ドキドキしていた。

 (大丈夫、別に変な意味じゃないもん。ねーちゃんも友達泊
  めてるし…あれ…僕らって付き合ってるわけだし…恋人って
  事だよね…泊めるだけだし、うん、寝るだけだし…)

自分に言い聞かせるだけなのに、いつのまにか百面相している自分
がいた。
まずは落ち着いてと深呼吸をしていると、ドアが空いて隆盛が戻っ
てきた。

 隆盛 「風呂さんきゅな。ひろも入るだろ?」
 裕之 「うん、すぐに入ってくる」

そう言って隆盛の横を通り過ぎると風呂場へ駆け込んだ。

 裕之 「不自然じゃないよな…」

着替えを置くと、湯船に浸かった。
隆盛がさっきまで使っていたお湯だと思うと心臓が高鳴った。

部屋で待つ隆盛はというと、裕之の匂いのする部屋でベッドへ寝転
がっていた。全てからいつもの裕之の匂いがして寝れるのだろうか
と不安になった。
無防備に寝ている裕之を襲う夢ばかり見ていただけに、少し不安が
よぎった。

 裕之 「りゅうー?飲み物いる?」
 隆盛 「あぁ、さんきゅ」
 
裕之は風呂から上がると、お茶を持って部屋へと戻ってきた。
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