その恋、応援します!

秋元智也

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第三十一話 文化祭

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学校では文化祭の準備で大忙しだった。

 晴翔 「う~。疲れた~。」
 裕之 「僕らのクラスってメイド喫茶でしょ。僕らやる事ないよね?」
 隆盛 「何を言ってるんだ?店員だろ?」
 裕之 「ん?誰が?」
 晴翔 「見てないな?裕之はメイド服で接客だよ。隆盛は作る方。そし
     て、俺もね。」
 裕之 「…冗談?」
 晴翔 「まっさか~」

女子からも可愛いと人気で裕之はいつの間にかホールでの接客(女装)と
書かれていたのだった。

 裕之 「嫌だよ!こんなの!聞いてないし!」
 晴翔 「そうだよな~。俺らが機材運びに行ってる間に決まってたしな~。
     りゅうは知ってた?」
 隆盛 「俺の力では覆らなかった…。級長が乗り気だから無理だろ?」
 晴翔 「女子ってこえ~」
 隆盛 「男子の方な!」
 裕之 「余計おかしいでしょ!なんで!!」

すると噂の級長がこちらに走って来た。

 級長 「結城くん、早速衣装合わせして来てくれ!女子が待ってるから」
 裕之 「なんで僕だけ女装なんですか!?酷くないですか!」
 級長 「多数決だ、諦めろ!さぁ、時間が惜しいから行ってくれ」

女子が待つ部屋へと連れて行かれた。
そこには短いスカートとひらひらのエプロンが飾られていた。

 裕之 「まさか、これ着るの!」
 女子 「もちろん、きっと似合うわ。」
 裕之 「僕、男なんだけど…」
 女子 「いいから、いいから、さっさと来てみて!」

押し切られるように着ると何故かぴったりのサイズだった。
丈の短いスカートを押さえながら出ていくと、女子達が喜んで騒ぎ出して
いた。

 裕之 「似合わないから、やめよ~」
 女子 「すっごく似合ってるから!もう、可愛い!」
 裕之 「嬉しくねーし。」
 女子 「それで接客お願いね。自由時間はその衣装のまま校内を宣伝し
     て来てね。」
 裕之 「はぁ~!?聞いてないよ!」
 晴翔 「おっ!可愛いじゃん?」

そこに晴翔と隆盛が入ってきた。
晴翔は短い裕之のスカートをチラッと見るとまくりあげようとする。
隆盛は慌てて、裕之を引き離すと自分の後ろに隠す。

 隆盛 「はる!何をやってるんだ!」
 晴翔 「いやー。下着ってどうしてるのかなって…?」
 裕之 「変な事、期待すんな!」
 隆盛 「は、履いてるのか?女子もの…」
 裕之 「そんな訳ないでしょ!りゅう…」

「当日よろしくね」という言葉を残して女子達は出て行ってしまった。
隆盛は振り向くとジリジリと裕之に詰め寄ってきた。

 裕之 「何をしようとしてるんだよ?」
 隆盛 「うん、ちょっと確認を…」
 裕之 「しなくていいからっ!」
 晴翔 「ほいっ!捕まえた!いけ、りゅう!」

後ろから晴翔にはがいじめされると、隆盛がゆっくりとスカートをめ
くる。
一気にめくられるのと違って、ゆっくりと焦らされる方がよっぽど恥
ずかしかった。

 隆盛 「やっぱり、そうだよな…」
 裕之 「残念がるなよ!普通そうだろ?」
 晴翔 「いや、期待はしちゃうもんだよね~男としては…」

などと冗談混じりの会話をして、衣装を脱ぎ制服に着替えた。

 晴翔 「10日後かぁ~。早いもんだよな~」
 隆盛 「そうか?結構試行錯誤してて、何作るかって結構試作
     してただろ?」
 裕之 「試作中食べれたのはよかったよねー」
 晴翔 「まぁ、簡単なクッキーとホットケーキとサンドイッチ
     になったのは助かるけどな…、前日に仕込めばいいし」
 隆盛 「飾りつけ用の花はできたんだっけ?」
 裕之 「うん、もう全部できてるよ」
 晴翔 「そういうの器用だよな~。ってほんとはひろのが料理
     上手いんだけどな?」
 裕之 「まぁ、家でやってるからね。」
 晴翔 「まっ!見た目的には接客やらせたいだろうなっ!」
 裕之 「なんでだよ!意味わかんない!」
 隆盛 「ねーちゃんからカツラ借りてくるからさ!」

あっという間に文化祭当日になり、黒髪ロングのメイドがいるメイド
喫茶の噂が広まり、次から次へと人が押し寄せていた。

 裕之 「なんでこんなに忙しいんだよ!」
 晴翔 「まぁまぁ、もうすぐ休憩だからさっ!」
 裕之 「この格好で休憩なんて嫌すぎる~」
 晴翔 「可愛いけどな~」

ボソッ

次から次へと客対応に呼ばれ、裕之はげっそりとしていた。

 女子 「ひろこちゃーん!3番テーブルね!」
 裕之 「はーい。」

3番テーブルへ食べ物と飲み物を運んでいく。

 裕之 「サンドイッチとパンケーキ、コカコーラ2つですね。おま
     たせしました~。」
 男子 「ねー連絡先教えてよ!」
 裕之 「注文は以上ですね?」
 男子 「いや、クッキーも追加で」
 裕之 「はーい、クッキー追加で、かしこまりました」
    (なんで先に言わねーんだよ!最悪~)

にこやかに笑いながら奥へと注文を通す。

 女子 「なんか結城くんの女装って意外と正解だったかもね」
 裕之 「3番クッキー追加で」
 女子 「あら、又追加なのね」
 裕之 「もう、休憩入っていいか?」
 女子 「ダメーー。まだお客さん減るまで待って!食べ物買って
     くるから」
 裕之 「そうじゃなくて~。トイレ行きてーし…」
 女子 「そうよね、わかったわ、すぐに帰って来てね」
 隆盛 「それなら俺も休憩だったよな?出てくる」
 女子 「高橋くん!うん、分かったわ。くれぐれも結城くんも
     連れて帰って来てね」

女子に念を押されたが、すぐに帰るつもりなどなかった。
トイレはスカートを履いている為、奥の個室を使った。
屋上へと行くと運動場の出店が全て見渡せた。

 隆盛 「待ってろ。買ってくるから」
 裕之 「え?一緒に行くよ」
 隆盛 「いや、ひろのその姿をみんなに見せたくないな!だから
     ここで待ててくれよ」
 裕之 「さんきゅ」

裕之の身体をぎゅっと抱きしめると階段を降りて行った。
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