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第三十二話 文化祭 後編
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屋上で空を見上げながら寝転がっていると、上から影が落ちて来た。
隆盛 「ひろ?起きてるか?」
裕之 「りゅう…おかえり~。お腹すいちゃった」
隆盛 「うん、そういうと思ってこれ!」
焼きそば、たこ焼き、フランク、唐揚げ、焼うどん、などを並べた。
裕之 「美味しそう。いいの?」
隆盛 「あぁ、一緒に食べよっか?」
裕之 「うん」
二人は並んで座ると分け合った。
隆盛は裕之を眺めながら髪が邪魔にならないように後ろに編み込み
ゴムで止めた。
隆盛 「この方が食べやすいだろ?」
裕之 「ありがとう。りゅうって気がきくよな~」
隆盛 「そうか?」
裕之の口の横に付いたソースを指で拭うとぺろりと舐めた。
裕之 「そういう事よく平気でやるよな~?」
隆盛 「ひろだから…だよっ!」
裕之 「もうっ!恥ずかしいじゃん…んっ…はぁっ…」
隆盛の顔が近づき裕之の口を塞ぐ。
キスは慣れてきたと言っても学校でするのは流石に恥ずかしい。
隆盛の胸を押して離れようとするが、全くびくともしなかった。
隆盛 「いやか?」
裕之 「嫌じゃ…ないけど…学校だし…」
隆盛 「そうだな~。でも俺は気にしないけどな?」
裕之 「僕は気にするよ!」
隆盛 「でもっ、もう一回だけ!」
そう言って再び唇を重ねた。
今度は舌を入れて何度も角度を変えては味わうように重ねた。
一回とは言ってたけど軽いキスを想像していただけに、裕之は
困惑しながらも隆盛に合わせるように舌を絡めた。
息が苦しくなってきた頃、やっと離れていった。
隆盛 「ごちそうさま」
裕之 「なっ!りゅう~。」
晴翔 「お!いいな~。俺も腹減った~」
後ろからいきなり現れた晴翔に裕之はドキッとしたが、隆盛は気
づいていたので、平然としていた。
隆盛 「自分の分くらいは買ってこいよ」
晴翔 「えー。いいじゃん。食べてもいい?」
そう言いながら食べ物じゃなく、裕之の横に座ると肩を抱き寄せる。
それにすぐに反応するように隆盛が裕之を自分の方へと抱き寄せると
晴翔を睨んだ。
晴翔 「冗談だって!場所には気をつけろよ!」
隆盛 「あぁ、そうするよ」
晴翔 「じゃっ!いっただきまーす!」
そう言って食べかけの食事をとって食べ出した。
隆盛 「はぁ~。ひろはもういいのか?」
裕之 「うん、買いすぎだって~」
隆盛 「ひろが食べてる姿がエロくって、ずっと見ていたくなる
んだよ」
裕之 「なにそれ?」
隆盛は無意識に裕之の頭を撫でると頬に触れる。
側から見ていると、猫が戯れているように見えるほんわかとした空間
だが、晴翔の目からは二人の戯れあいは焦ったくもあった。
(そこは押し倒してくれよ!いや、服の中に手を入れるとか、上着を
脱がすとか、そのくらいはアリだろ?見張っとくからさ~)
心の声は喉の奥まで出かかって、すぐに飲み込んだ。
わざと、裕之に触れて隆盛を焚き付けたがそれ以上進展はしなかった。
裕之 「う~ん!そろそろ戻るかな~。女子達煩いし。」
隆盛 「俺も戻る。一緒に行くだろ?お嬢様?」
背伸びをして立ち上がった裕之に片膝をついてキザに誘う隆盛。
どこかの漫画の一場面のようなシーンにドキッとさせられた。
晴翔は咄嗟にスマホのシャッターを押す。
午後からも相変わらずいそがしく、客が絶える事はなかった。
売り上げも順調で、ジュースを何杯か頼んで粘る人もいた。
松尾 「あの~一緒に写真いいですか?」
裕之 「お断りします。注文は以上でいいですか?」
松尾 「はい…」
数回に一回は言われるセリフだった。
それもきっちりと断り、せっせとオーダーを運ぶ。
さっき屋上で隆盛に髪を束ねてもらったままだったが、横は
編み込んで束ねたので多少動いても崩れる事はなく、最初の
ロングのストレートよりとても似合っていた。
女子達は厨房の隆盛目当てなので奥を覗いてはそわそわしていた。
裕之 「女子にモテるのはりゅうばっかじゃん…」
晴翔 「なに?女子にモテたいの?」
裕之 「そういう訳じゃないけど…なんかさ…なんでもない!」
拗ねたように、注文の依頼が入る。
夕方にはミスコンがある。
勝手に投票され、後日発表される。
もちろん女子だけじゃなく、女装姿の裕之の写真も入っていた。
投票は出入り口のアーチの側に箱が置いてある。
一人1票持っているのでそれを箱に入れるという簡単なものだった。
裕之 「はる~。これ代わりに投票してきてくれねー?」
晴翔 「いいよ。俺の勝手に入れていい?」
裕之 「うん、おっけおっけ。」
晴翔 「今回推しがいるから、助かる~。じゃー行ってくるー」
隆盛の票も持つと、裕之の女装の方へと投票した。
もちろん、推薦したのは晴翔なのでそこへ入れる。
圧倒的な得票数に裕之には発表まで黙っていようと心に決めた。
裕之 「あーーー!終わった~。」
女子 「お疲れ様~。すっごくよかったよ」
裕之 「う、うん。あんまり嬉しくないけど」
缶ジュースを渡されたが、疲れたので側の椅子に座ると背もた
れに、もたれかかった。
隆盛 「お疲れ~。今日はずっと立ちっぱなしだったもんな~」
裕之 「うん、それもだけどヒールが一番辛いかも」
隆盛 「似合ってたぞ。」
裕之 「それって嬉しくないって~」
隆盛 「着替えてくるか?片付けはやっとくからゆっくり行ってこい」
裕之 「うん、ありがとう」
誰もいない着替え部屋としてとっていた部屋に入った。
着替え終わってからもしばらくここで休もうと近くの椅子に座って目を
閉じた。
予想以上に疲れていたのかそのまま眠ってしまっていた。
気がつくと辺りは真っ暗になっていて、椅子から飛び起きようとしたが
何故か体が動かなかった。
裕之 「えっ!なんで?椅子に座ったまま寝ちゃっただけなのにっ!」
椅子の後ろに両腕が縛りつけられていて、びくともしない。
大声を出そうにも口にガムテープが貼られていて声も出ない。
ガタガタと椅子を揺らし音を立てるが、一向に外れない。
するとパタパタと足音が近づいてきていた。
隆盛 「ひろ?起きてるか?」
裕之 「りゅう…おかえり~。お腹すいちゃった」
隆盛 「うん、そういうと思ってこれ!」
焼きそば、たこ焼き、フランク、唐揚げ、焼うどん、などを並べた。
裕之 「美味しそう。いいの?」
隆盛 「あぁ、一緒に食べよっか?」
裕之 「うん」
二人は並んで座ると分け合った。
隆盛は裕之を眺めながら髪が邪魔にならないように後ろに編み込み
ゴムで止めた。
隆盛 「この方が食べやすいだろ?」
裕之 「ありがとう。りゅうって気がきくよな~」
隆盛 「そうか?」
裕之の口の横に付いたソースを指で拭うとぺろりと舐めた。
裕之 「そういう事よく平気でやるよな~?」
隆盛 「ひろだから…だよっ!」
裕之 「もうっ!恥ずかしいじゃん…んっ…はぁっ…」
隆盛の顔が近づき裕之の口を塞ぐ。
キスは慣れてきたと言っても学校でするのは流石に恥ずかしい。
隆盛の胸を押して離れようとするが、全くびくともしなかった。
隆盛 「いやか?」
裕之 「嫌じゃ…ないけど…学校だし…」
隆盛 「そうだな~。でも俺は気にしないけどな?」
裕之 「僕は気にするよ!」
隆盛 「でもっ、もう一回だけ!」
そう言って再び唇を重ねた。
今度は舌を入れて何度も角度を変えては味わうように重ねた。
一回とは言ってたけど軽いキスを想像していただけに、裕之は
困惑しながらも隆盛に合わせるように舌を絡めた。
息が苦しくなってきた頃、やっと離れていった。
隆盛 「ごちそうさま」
裕之 「なっ!りゅう~。」
晴翔 「お!いいな~。俺も腹減った~」
後ろからいきなり現れた晴翔に裕之はドキッとしたが、隆盛は気
づいていたので、平然としていた。
隆盛 「自分の分くらいは買ってこいよ」
晴翔 「えー。いいじゃん。食べてもいい?」
そう言いながら食べ物じゃなく、裕之の横に座ると肩を抱き寄せる。
それにすぐに反応するように隆盛が裕之を自分の方へと抱き寄せると
晴翔を睨んだ。
晴翔 「冗談だって!場所には気をつけろよ!」
隆盛 「あぁ、そうするよ」
晴翔 「じゃっ!いっただきまーす!」
そう言って食べかけの食事をとって食べ出した。
隆盛 「はぁ~。ひろはもういいのか?」
裕之 「うん、買いすぎだって~」
隆盛 「ひろが食べてる姿がエロくって、ずっと見ていたくなる
んだよ」
裕之 「なにそれ?」
隆盛は無意識に裕之の頭を撫でると頬に触れる。
側から見ていると、猫が戯れているように見えるほんわかとした空間
だが、晴翔の目からは二人の戯れあいは焦ったくもあった。
(そこは押し倒してくれよ!いや、服の中に手を入れるとか、上着を
脱がすとか、そのくらいはアリだろ?見張っとくからさ~)
心の声は喉の奥まで出かかって、すぐに飲み込んだ。
わざと、裕之に触れて隆盛を焚き付けたがそれ以上進展はしなかった。
裕之 「う~ん!そろそろ戻るかな~。女子達煩いし。」
隆盛 「俺も戻る。一緒に行くだろ?お嬢様?」
背伸びをして立ち上がった裕之に片膝をついてキザに誘う隆盛。
どこかの漫画の一場面のようなシーンにドキッとさせられた。
晴翔は咄嗟にスマホのシャッターを押す。
午後からも相変わらずいそがしく、客が絶える事はなかった。
売り上げも順調で、ジュースを何杯か頼んで粘る人もいた。
松尾 「あの~一緒に写真いいですか?」
裕之 「お断りします。注文は以上でいいですか?」
松尾 「はい…」
数回に一回は言われるセリフだった。
それもきっちりと断り、せっせとオーダーを運ぶ。
さっき屋上で隆盛に髪を束ねてもらったままだったが、横は
編み込んで束ねたので多少動いても崩れる事はなく、最初の
ロングのストレートよりとても似合っていた。
女子達は厨房の隆盛目当てなので奥を覗いてはそわそわしていた。
裕之 「女子にモテるのはりゅうばっかじゃん…」
晴翔 「なに?女子にモテたいの?」
裕之 「そういう訳じゃないけど…なんかさ…なんでもない!」
拗ねたように、注文の依頼が入る。
夕方にはミスコンがある。
勝手に投票され、後日発表される。
もちろん女子だけじゃなく、女装姿の裕之の写真も入っていた。
投票は出入り口のアーチの側に箱が置いてある。
一人1票持っているのでそれを箱に入れるという簡単なものだった。
裕之 「はる~。これ代わりに投票してきてくれねー?」
晴翔 「いいよ。俺の勝手に入れていい?」
裕之 「うん、おっけおっけ。」
晴翔 「今回推しがいるから、助かる~。じゃー行ってくるー」
隆盛の票も持つと、裕之の女装の方へと投票した。
もちろん、推薦したのは晴翔なのでそこへ入れる。
圧倒的な得票数に裕之には発表まで黙っていようと心に決めた。
裕之 「あーーー!終わった~。」
女子 「お疲れ様~。すっごくよかったよ」
裕之 「う、うん。あんまり嬉しくないけど」
缶ジュースを渡されたが、疲れたので側の椅子に座ると背もた
れに、もたれかかった。
隆盛 「お疲れ~。今日はずっと立ちっぱなしだったもんな~」
裕之 「うん、それもだけどヒールが一番辛いかも」
隆盛 「似合ってたぞ。」
裕之 「それって嬉しくないって~」
隆盛 「着替えてくるか?片付けはやっとくからゆっくり行ってこい」
裕之 「うん、ありがとう」
誰もいない着替え部屋としてとっていた部屋に入った。
着替え終わってからもしばらくここで休もうと近くの椅子に座って目を
閉じた。
予想以上に疲れていたのかそのまま眠ってしまっていた。
気がつくと辺りは真っ暗になっていて、椅子から飛び起きようとしたが
何故か体が動かなかった。
裕之 「えっ!なんで?椅子に座ったまま寝ちゃっただけなのにっ!」
椅子の後ろに両腕が縛りつけられていて、びくともしない。
大声を出そうにも口にガムテープが貼られていて声も出ない。
ガタガタと椅子を揺らし音を立てるが、一向に外れない。
するとパタパタと足音が近づいてきていた。
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