偽りの王女に奪われた世界

秋元智也

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共同戦線

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「一応言っておくが毒の霧を使うときは先に言ってくれ。仲間が巻き込まれると困るからな」
「はい。勿論です。毒矢は構いませんよね?」
「あぁ、それはかまわない。毒の霧だけボス戦の始めにぶちかましてくれればいい」
「期待されるって、感動です。シリ様。他に出来そうな事とか有りませんか?」
「だから、様は無しだ」
「そうでした。なんか、ワクワクしてきます」
大丈夫かこれで?流石に不安になってくる。
死なれると困るので犠牲の指輪を着けさせようとしたが装備が出来なかった。
これは何か有りそうだと覚悟しなければならないかもしれない。
「他には何か出来ることはあるか?」
「ボーガンが得意です。それ以外だと敵の弱点属性なら見分けられます。それと、、、あとはゼムと被るのですが回復を少々ですかね。逃げるのは得意ですが、、、これは戦闘には関係ないですね」
マジかー。弱点属性はいいな~。そんなスキルとかそういうのなのかな?
回復って二人目ゲットって事か、死ぬ確率が下がるからいいじゃん。
その前にステータスを見とかないとな。えーっとカールのステータスオープンっと。
カール レベル3 HP89 MP178
「・・・」
「どうしたの?」
「何か有りましたかな?」
「なんなんだこのステータスは、、、」
「片寄ってるね~一発くらったら死にそうだね」
「笑い事じゃねーよ」
「確かに、しかし、レベルが上がればなんとかなるのではないですかな?」
「それがそうでもないんだよ。俺らはレベルが999まで上げることができるがNPCの上限は5までだ。ここに小さく書かれてるだろう?」
「あっ、ホントだ。それに経験値が結構入らないとレベルアップしないね~」
「ほぼこのままで最後の方まで行くのかぁ~」
「どうかしましたか?」
平然と聞いてくるカールに何も言えなかった。とにかく今は経験値を多く稼ぐ事が大事だった。
「まずはカールをレベルマックスにしてみるしかないな?考えるのはそれからだ」
「そうですな。カール、絶対に危なくなったら逃げるか隠れるかしてくだされ」
「あぁ、ゼムのいう通りだ。絶対に無理するなよ。それが守れないようならリュース村で留守番だ」
「わかりました」
しゅんとした顔で項垂れたが、敵を発見すると意気揚々と突撃しようと突っ走っていこうとしたので首根っこをひっ捕まえる事となった。
「後方支援が前に出るな。ゼムと援護だ。ミナ、行くぞ」
「カールっちお先に。支援よろしくね」
そういうと二人は飛び出していった。見事なほど連携のとれた動きで敵を翻弄してHPを削ってゆく。
ゼムがカールに合図をするとカールもゼムと同じように矢をつがえる。
次から次へと倒していくのでまるで敵が弱いのでは?と勘違いしてしまいそうになる。
しかし、カールが一人で来たときは歯が立たず、逃げ帰ってきた敵なのである。
「これが賢者様の力、、、凄い、これならこの世界を救える」
小声で漏らした言葉は横のゼムには聞こえていたがあえて指摘はしなかった。
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