偽りの王女に奪われた世界

秋元智也

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セーブポイント

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竜騎兵を倒すと上に上がる階段が現れた。
ボス戦の終わった部屋の中央に七色に光るでかい宝石が現れた。
各自セーブを上書きして体力ゲージや、魔力を回復させる。
「これはなんですか?」
「あぁ、知らないのか?触れてみるといい」
「これにですか?」
恐る恐るといった風にカールは宝石に触れた。
すると暖かい光が体を包みこんで傷を癒す。
「一体何が起きたのでしょう?傷がっ」
驚いたらしく自然の神秘だーっと叫んでいる。
いや、ただのセーブポイントだから・・・。
上の階には一人の女性が佇んでいた。
「よくここまでたどり着きましたね。ここから先には困難な道が待っています。それでも進みますか?」
「あぁ。」
「勿論」
「そうですな」
「行きましょう」
それぞれ進む事を選ぶと、下から通路が競り上がってきてその先への道が出来上がった。
「先へ進みなさい。自分が信じる道を。私に出来ることなら、お手伝いしましょう」
「ありがたい。スクロールを売っていますかな?」
「スクロールですね。どのようなものがよろしかったですか?」
目の前に画面が表示されて買えるスクロールと料金がでてきた。
俺とミナには何も買うものはないので閉じるを選択した。
カールに至っては画面すら見えていないようで空間に指で操作しているゼムをいぶかしんでいた。
「何も無いように見えるかもしれないが俺たちには目の前に見えてるもんがあるんだよ」
「カールっちは何も見えないの?」
「はい。皆さんが何をやっているのか全くわからないので、、、?」
「だろうな~まぁ、待っててくれれば後で分かるさ」
ゼムだけがスクロールを確認しながら買っていく。
今持っている魔法が炎の球を飛ばすのと氷のつぶてをぶつけるもの。どちらも手数は多いがそれほど致命傷には至らない。あとは回復を持続的にしてくれる光の球を出すのと通常の回復だけなのでもう少し増やしておきたいのだ。
そこで、ここでしか買えない奇跡を買うことにした。
放つフォースと雷の槍を選んで購入。
放つフォースとは前に衝撃波を発生させて敵を吹き飛ばすと共に雷の攻撃を与える。
敵に囲まれた時などに有効である。
そして雷の槍とは読んで字の如く雷の槍を敵に投げつけるのである。しかし、それだけではない。
左右に別れて敵を追尾して自動で目的を達成しようとする。
なので動く敵にも打てるので攻撃の幅が増えるのだ。
ここでは雷のスクロールばかり売っていた。
それには理由がある。次の地下都市は炎に耐性をもったボス戦になるので弱点属性である雷が多いのだ。
しかし、雑魚敵は雷より炎の方が攻撃力が上がるのだが、、、。そこはあまり気にしない。
それに、今は変わっているかもしれないからだ。
「またのお越しをお待ちしております」
「お待たせしました。さて、進みますかな?」
「あぁ」
渡り通路を進むと地下への階段が螺旋状に続いていた。
下まで降りると鎧騎士の背中が見えた。
「また、こいつらか~」
「ちゃっちゃと片付けちゃおう?」
「ですな!」
後ろを向いているのをいいことにバクスタをかます。一気に半分以下まで減らせるので、立ち上がった瞬間にミナと俺で同時に切りつけて終了。
レベルが上がれば全体的に攻撃力が上がるので倒すのも楽になっていく。
それと、俺は素早さと筋力にほとんどのステフリをしているのに対してミナは筋力にほとんど振り分けているので筋力差は大きいのだ。
ゼムの振り分けは技量や理力、信仰といった魔法関連の威力や記憶スロット。いわゆるスクロールをセーブポイントでセットしておくとそれを使うことが出来るという訳なのだが。
そこはゲームのままなのがつらい。
大体は先程みたいにボス戦の行われた部屋がセーブポイントになることがあるのでそこで次の使うであろう魔法をセットしておくのだ。
今は枠が2つなので回復ともうひとつといったところだろう。
そのまま先へと歩みを進めた。
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