偽りの王女に奪われた世界

秋元智也

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いざ、ボス戦へ

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そのまま王国兵士のいた場所に戻ると上に向かっていく梯子が伸びていた。
そこを上がっていくと、そこには一本道が続いており、暫く歩き続けると壁にぽっかりと穴が空いていた。
その穴から下を覗くと、真下には犬が2匹と看守が立っていた。
気づかれないうちにお互い目を会わせると俺はGOサインをだした。
カールはゼムにしっかりと捕まって動くなと指示されていた。
俺とミナは一気に下に降りると犬達の方へと走り出す。
それに気付いた看守がこちらに向かってこようとしたが、上からの弓攻撃で、対象を変えたらしい。
そのうちに一気に仕留めに行く。
真上にいるというのはこれほど有利な事はない。
敵の攻撃は山なりに来るので武器も届かない上に火の玉を投げても壁に当たって消滅していた。
だが、ゼム達の攻撃はしっかりと当たるのだった。
真上から真下に弓を引くだけなのだから。
こんなに有利に運べるのはなかなかない。
犬を始末し終えるとミナと合わせて左右から切りかかった。
盛大なエフェクトが散って経験値が入る。
そこは先程柵を開けたセーブポイントのそばであった。
そこで一旦休むために戻ることにした。
「おっ、やりぃ~」
「なに~美味しそうなものでも入った?」
ミナからの言葉に呆れた。
「そんなんじゃねーよ。さっきの王国兵士の鎧だよ軽くて物理に強いしな」
「えーそんな事?こっちは籠手もあるよ。具足も、あとは兜かな?」
「って、なんでそんなにそろってんだよ!」
めんどくさそうにミナは答えてくる。
「えードロップしたに決まってんじゃん?でも、カッコ悪いんだよね~この蛇の紋章とか。どんだけ爬虫類好きなんだよ!って感じで。もっと可愛いのがいいんだよね~ヒラヒラしてる感じのとか?」
「それって結構後半じゃねーか?」
装備を整えてからボスである幻の衛兵に向かう事にした。
崩れかけた道を足場に気を付けながら歩いていき、瓦礫で橋が出来ているのでそこを渡る。
「カール。お前はそこまでだ。これ以上は来るな。絶対に呼びに来るまで大人しくしているんだ!」
「そんなー待って下さい」
「カール。聞けないようなら村に帰ってむらう事になりますぞ?」
ゼムにも言われ渋々了解した。
「今からはそこでサポート頼むよ~」
ミナから気の抜けた言葉で注意が入る。
そう、ここからは道が狭いために人数がいると厄介なのだ。
俺だけが奥の扉を開けて中に入る。
二人には入り口で待機してもらう。
入ってから奥へと進むと4人の王国兵士がたむろっていた。
見つかると即座に各々武器を取り、追いかけてきた。
その兵士を引き連れてもときた道をダッシュで戻ってきた。
「来たぞーーー」
入り口の扉を潜り抜け一直線に逃げる。
それを追いかけてきた兵士も一直線になって追いかけてくる。
細い通路に4人が入ると俺はUターンすると、盾を構えて向かい合う。
その間に横からカールとゼム。後ろからはミナが隙だらけの兵士に切りかかっていた。
挟み撃ちにされた王国兵士ああっという間に殲滅させられてしまった。
そして、もう一回おびきよさる為に一人で中に入ることになった。
さっきの兵士がいた場所を通りすぎ、その近くの梯子を登るといくつも牢獄が続いている。その奥にはボスに繋がる扉があった。
今はそれを無視して反対側に進んでショートカットの為の柵を開けた。
その向こうには3人の兵士がスタンバっていたが一気に走って距離を詰めると下をすり抜けると入り口へと誘き寄せた。
人間相手でないのが一番気楽でいい。
裏の裏をかいて待ち伏せとか、おびき寄せに付いてこないとかそんな事がないからだ。
そこはゲームのままでちゃんと後ろを皆揃って一列に付いてきていた。
さっきと同様に始末すると、3人でボス部屋の前まで来ていた。
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