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待ち伏せ
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それからは険しい崖沿いの細い通路を通ることになった。
さすがにここでは戦いたくはない。
が、そんなことは言っていられないわけで。
敵は待ってはくれない。先に待ち伏せしている敵を釣るために俺は一人で進んでいた。
角を鋭角に曲がった瞬間、ヒュッ。っと音がして目の前の岩肌にナイフが突き刺さる。
目の前には2体の敵がこちらを狙っていた。
「おっと、あぶねーな。いい加減にしろってーの!」
弓を前に真っ直ぐに撃つとUターンして駆け出した。
勿論足に命中させたので追いかける速度は遅い。
同時に追いかけられるより一体ずつのが楽に仕留められるが、ここは皆のところまで引き連れて行くことにした。
まぁ、それが一番安全な戦いかたなのである。
細い通路を抜けたところで待ち構えている仲間の矢がすり抜け敵に命中する。
時を同じくしてその後ろから追っていた敵も射ぬかれて絶命した。
その後はぞろぞろとさっきの敵の隠れていたところまで戻ると二手に道が分岐していた。
上り坂と下り坂。
ぱっとみると下りたいところだがまずは上に向かう事にした。
「ここはふたてに別れないのですか?」
カールは首をかしげながらミナに聞いていた。
「ん~それでもいいんだけどね?」
ミナは肯定したがそれをゼムが訂正した。
「こういうときは上から攻めるのは定石ですぞ。もし上から待ち構えられていたら厄介ですからな。まずは見張りがいないか?そして、安全に通れるかを上から確認してから行った方が安全に行けますからな!」
「へー。突っ切っちゃえば行けるんじゃない?」
「さすがに、ミナのようにはすり抜けては行けませんぞ?シリなら軽くやってくれそうですがの?」
「失礼だな!さすがの俺でもどこから狙われてんのかもわからんところを奪取はしたくないぞ?」
そう言って上っていくと草陰に敵を発見した。
手で合図をしてから散開する。
右の木の陰に隠れているのはシリが、左の岩陰に隠れていて時折頭が見え隠れているのはミナが。
そして後ろの方で弓を構えて奥の二股の木の側に陣取っている弓敵2体の始末は後ろのゼムとカールに任せることにした。
小石を掴むと奥へと空高くほおり投げた。
コンッ。と軽い音がして、敵の目線は音の方に集中した。
その瞬間を見逃さずに飛び出していって各所飛びかかった。
俺とミナは同時に斬りかかり始末し終えると奥を見た。
もし、しくじるようならとどめを急ぐ必要が有るからだ。
敵が敵を呼び寄せるようなことになったらさすがに一旦撤退を余儀なくされるからだ。
ちゃんとそちらも仕留めたようで、無事に上は安全が確保された。
崖の上から下を眺めると下の岩でも弓を構えて通りかかる獲物を狙っていた。
そこに運悪くリックが通ろうとしていた。
「お前らはさっきの道からゆっくり来い。俺はここから行く」
そう叫ぶと咄嗟に足元を蹴ると下に飛び降りた。
敵の真上から剣を振り下ろしていた。
「おお、先程の方ではありませんか?また助けて頂いて感謝します。」
そう言って松明と犠牲の指輪をくれた。受けとるとさっさとしまった。
そんなにむざむざと使われては困るからである。
数があると思うと無駄に危険なこともしようと思ってしまう単細胞がいるせいで困る。
確かに戦闘はなかなかだが、いかんせん退くことを知らな過ぎるのである。
リックと別れると皆が来るであろう方角に戻ることにした。
上から見たときに途中に吊り橋があって反対側に渡れるようになっていたからだった。
吊り橋の前で合流するとゆっくりと音をたてずにゆっくりと渡ると後ろを向いているスケルトンに斬りかかると俺は真っ直ぐに駆け出していた。
ミナは入ると直ぐに右の通路に入り、スケルトンを切り伏せながらモヤモヤと黒いものに包まれている壺を割る。
俺は飛び出した勢いのまま目の前にいる魔術師の老婆に斬りかかる。
杖を上に挙げると下の地面には魔方陣が浮き出てそこからはスケルトンが這い出してきた。
無限に戦うなんて冗談じゃない。
さっさと仕留めるべく飛びかかる。
いっきに切り伏せるとゼムは隅にある靄のかかった壺を割った。
カールは出てきたスケルトンを遠距離で倒していた。
戻ってきたミナと共に奥へと行くとレバーがあり、それを引くと奥にいるスケルトンが4体わらわらと出てきた。
少し離れた岩の上には魔術師の老婆が待機している。
「今度は私が行ってくるね!」
軽くいうとミナは飛び出していった。
ミナに近づこうとしたスケルトンを俺は排除するため並列に走りながら防御する。
地面を蹴って離れた岩の上にいる老婆のもとへと無事に着地出来たのを確認すると目の前のスケルトンから片付け始めた。
あっというまに片付くと、外から滝の涼しげな音が響いてきた。
先を進むと壮大な滝壺が目の前に広がっていた。
滝の裏へと回れるように細い通路が繋がっていた。
細い通路を通り抜けるとそこには見覚えのある扉が現れた。
スケルトンの王座へと繋がる扉。
ボス部屋である。
さすがにここでは戦いたくはない。
が、そんなことは言っていられないわけで。
敵は待ってはくれない。先に待ち伏せしている敵を釣るために俺は一人で進んでいた。
角を鋭角に曲がった瞬間、ヒュッ。っと音がして目の前の岩肌にナイフが突き刺さる。
目の前には2体の敵がこちらを狙っていた。
「おっと、あぶねーな。いい加減にしろってーの!」
弓を前に真っ直ぐに撃つとUターンして駆け出した。
勿論足に命中させたので追いかける速度は遅い。
同時に追いかけられるより一体ずつのが楽に仕留められるが、ここは皆のところまで引き連れて行くことにした。
まぁ、それが一番安全な戦いかたなのである。
細い通路を抜けたところで待ち構えている仲間の矢がすり抜け敵に命中する。
時を同じくしてその後ろから追っていた敵も射ぬかれて絶命した。
その後はぞろぞろとさっきの敵の隠れていたところまで戻ると二手に道が分岐していた。
上り坂と下り坂。
ぱっとみると下りたいところだがまずは上に向かう事にした。
「ここはふたてに別れないのですか?」
カールは首をかしげながらミナに聞いていた。
「ん~それでもいいんだけどね?」
ミナは肯定したがそれをゼムが訂正した。
「こういうときは上から攻めるのは定石ですぞ。もし上から待ち構えられていたら厄介ですからな。まずは見張りがいないか?そして、安全に通れるかを上から確認してから行った方が安全に行けますからな!」
「へー。突っ切っちゃえば行けるんじゃない?」
「さすがに、ミナのようにはすり抜けては行けませんぞ?シリなら軽くやってくれそうですがの?」
「失礼だな!さすがの俺でもどこから狙われてんのかもわからんところを奪取はしたくないぞ?」
そう言って上っていくと草陰に敵を発見した。
手で合図をしてから散開する。
右の木の陰に隠れているのはシリが、左の岩陰に隠れていて時折頭が見え隠れているのはミナが。
そして後ろの方で弓を構えて奥の二股の木の側に陣取っている弓敵2体の始末は後ろのゼムとカールに任せることにした。
小石を掴むと奥へと空高くほおり投げた。
コンッ。と軽い音がして、敵の目線は音の方に集中した。
その瞬間を見逃さずに飛び出していって各所飛びかかった。
俺とミナは同時に斬りかかり始末し終えると奥を見た。
もし、しくじるようならとどめを急ぐ必要が有るからだ。
敵が敵を呼び寄せるようなことになったらさすがに一旦撤退を余儀なくされるからだ。
ちゃんとそちらも仕留めたようで、無事に上は安全が確保された。
崖の上から下を眺めると下の岩でも弓を構えて通りかかる獲物を狙っていた。
そこに運悪くリックが通ろうとしていた。
「お前らはさっきの道からゆっくり来い。俺はここから行く」
そう叫ぶと咄嗟に足元を蹴ると下に飛び降りた。
敵の真上から剣を振り下ろしていた。
「おお、先程の方ではありませんか?また助けて頂いて感謝します。」
そう言って松明と犠牲の指輪をくれた。受けとるとさっさとしまった。
そんなにむざむざと使われては困るからである。
数があると思うと無駄に危険なこともしようと思ってしまう単細胞がいるせいで困る。
確かに戦闘はなかなかだが、いかんせん退くことを知らな過ぎるのである。
リックと別れると皆が来るであろう方角に戻ることにした。
上から見たときに途中に吊り橋があって反対側に渡れるようになっていたからだった。
吊り橋の前で合流するとゆっくりと音をたてずにゆっくりと渡ると後ろを向いているスケルトンに斬りかかると俺は真っ直ぐに駆け出していた。
ミナは入ると直ぐに右の通路に入り、スケルトンを切り伏せながらモヤモヤと黒いものに包まれている壺を割る。
俺は飛び出した勢いのまま目の前にいる魔術師の老婆に斬りかかる。
杖を上に挙げると下の地面には魔方陣が浮き出てそこからはスケルトンが這い出してきた。
無限に戦うなんて冗談じゃない。
さっさと仕留めるべく飛びかかる。
いっきに切り伏せるとゼムは隅にある靄のかかった壺を割った。
カールは出てきたスケルトンを遠距離で倒していた。
戻ってきたミナと共に奥へと行くとレバーがあり、それを引くと奥にいるスケルトンが4体わらわらと出てきた。
少し離れた岩の上には魔術師の老婆が待機している。
「今度は私が行ってくるね!」
軽くいうとミナは飛び出していった。
ミナに近づこうとしたスケルトンを俺は排除するため並列に走りながら防御する。
地面を蹴って離れた岩の上にいる老婆のもとへと無事に着地出来たのを確認すると目の前のスケルトンから片付け始めた。
あっというまに片付くと、外から滝の涼しげな音が響いてきた。
先を進むと壮大な滝壺が目の前に広がっていた。
滝の裏へと回れるように細い通路が繋がっていた。
細い通路を通り抜けるとそこには見覚えのある扉が現れた。
スケルトンの王座へと繋がる扉。
ボス部屋である。
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