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31話 人助け
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泣き疲れて眠ると、起きた後で昨日の事を猛烈に反省したのだった。
まさか、あんな失態を見せるなんて。
兄の威厳もあったもんじゃない。
「イリア?昨日は…えーっと…」
「お兄ちゃんのあんな姿すっごく新鮮だったかな~」
「そ、それは…/////」
真っ赤になって恥ずかしがると、嬉しそうに抱き寄せてきた。
「いいよ、そんなに強がらなくても。私すっごーく強いんだよ?だから
さぁ~もっと頼ってよ?」
「それは…うん、そうする…」
今の自分では、自分の身すら守れない。
こんな情けない姿のままでは兄とは決して名乗れない。
「俺、絶対に強くなるからっ!絶対にイリアを守れるくらいに強くなる
からさ~その時はお兄ちゃんって呼んでくれよな?」
「そうだね~、このままいくと、年齢もそのうち追い越されちゃうだろ
うしね~」
「…年齢も追い越す?…あっ!」
そうだった。
イリアはあの時のままなのだ。
失踪した時の年齢のまま時を止めているのだ。
それではどう見ても、イリアの前で俺だけが年をとっていくのか!?
それは結構酷な気がした。
「俺も時を止めれる方法探さないとな~」
「それなら知ってるわよ?でも、今のまま止めちゃうのもいいんだけど~
せっかくならもっと年齢行ってからのがいいかなって?」
「そうだな。もっと筋力つけて、ちょうど成長し切った時にするよ」
「うん、そうだね。それがいいよ」
イリアも納得したようだった。
薬草採取の代金も入ったので、やっとこの街を出る事にした。
髪も再び染め直すと夜のうちに家を収納するとそのままケイルを腕に抱い
て空へと舞い上がった。
こういう移動はやめて欲しかった。
せめて馬車で…
そう思っていた。
街道の途中で降りるとゆっくり行く事にした。
こうやって街道を歩くのも新鮮で楽しかった。
「疲れてない。回復かける?」
「大丈夫。それより、こうやって歩いてみるのってなんだか気持ちいい
よね?」
「まぁ、ケイルちゃんがそれでいいならいいけど、そんなにいいかな?」
イリアには新鮮さはないのかもしれないが、ケイルには何もかもが新鮮
なのだ。
「きゃぁぁぁぁーーーーー!!」
先の方で何か悲鳴が聞こえて来た。
イリアに抱えられると一気に飛び上がる。
(あ…またか…)
のんびり歩いていきたかった。
そんな思いも一気に吹き飛んだのだ。
前方で馬車が襲われている。それも武器をもった数人の男達は取り囲むよ
うに馬車に群がり無理矢理中のドアをこじ開けようとしていた。
業者は死んでいるらしい。
傭兵は雇ったのだろうか?近くには見当たらなかった。
「あーあ、傭兵に逃げられたか、それとも傭兵もグルだったかな~」
「早く助けよう!イリア、助けるんでしょ?」
「ん~助けなきゃダメかな?めんどくさそうよね~」
「イリア!行こう!」
「…そうだね。仕方ない加勢するかな~」
のほほーんとした声で言うと一気に加速して降り立つ。
ドォーン!と土煙りをあげながら着地すると、一気に魔法を放つ。
目の前の数人は頭ごと破裂してゆっくりと倒れていく。
「イリア姉ちゃん、お願い!」
「ほいっと!」
駆け出すケイルに強化魔法、身体強化、スピード強化をかけていく。
まだ子供がいきなり飛び出すとその剣がスパッと身体ごと切り裂いていた。
「うわぁ、すごっ!切れ味凄すぎ…」
切ってから自分で驚いたが、まだ終わりではない。
後ろから狙おうとした卑怯なやつはイリアの魔法で弾け飛んでいた。
スパッ切り裂くと、返り血を魔法で綺麗に拭い去った。
コンコンっ。
「あの~大丈夫ですか?」
子供の声に中にいる人達も少し警戒が解けたのか静かになってから降りて
来たのだった。
まだ年端もいかない女性と侍女が乗っていた。
「私はこの先の街に用があったのですが…雇った傭兵に逃げられてしまって」
「あ~だから傭兵がいなかったのか~。」
「大丈夫だよ?イリアお姉ちゃんがいるから、安心して」
ケイルがそういうと、ホッとしたのか落ち着いたようだった。
子供とはその場の空気を和ますのには最適だった。
にっこり笑って見せると、緊張の糸も緩んでいく。
「もしよかったら、一緒に行きませんか?」
その女性はイリアに言うと、侍女が馬を落ち着かせて業者の代わりをするら
しかった。
「僕も疲れちゃったから、乗って行こう?」
「ケイルちゃんがそう言うなら…でも、この子に変な事したら殺すわよ?」
「え…」
いきなり何を言い出すの?ねぇ、妹よ!
それ、やばいからな?やめてーーー!
お姉さんがマジで引いちゃってるよ!
そうして、日が暮れる前には次の街に入ることができたのだった。
しかも身分を確認されず、簡単に入る事ができたのだった。
まさか、あんな失態を見せるなんて。
兄の威厳もあったもんじゃない。
「イリア?昨日は…えーっと…」
「お兄ちゃんのあんな姿すっごく新鮮だったかな~」
「そ、それは…/////」
真っ赤になって恥ずかしがると、嬉しそうに抱き寄せてきた。
「いいよ、そんなに強がらなくても。私すっごーく強いんだよ?だから
さぁ~もっと頼ってよ?」
「それは…うん、そうする…」
今の自分では、自分の身すら守れない。
こんな情けない姿のままでは兄とは決して名乗れない。
「俺、絶対に強くなるからっ!絶対にイリアを守れるくらいに強くなる
からさ~その時はお兄ちゃんって呼んでくれよな?」
「そうだね~、このままいくと、年齢もそのうち追い越されちゃうだろ
うしね~」
「…年齢も追い越す?…あっ!」
そうだった。
イリアはあの時のままなのだ。
失踪した時の年齢のまま時を止めているのだ。
それではどう見ても、イリアの前で俺だけが年をとっていくのか!?
それは結構酷な気がした。
「俺も時を止めれる方法探さないとな~」
「それなら知ってるわよ?でも、今のまま止めちゃうのもいいんだけど~
せっかくならもっと年齢行ってからのがいいかなって?」
「そうだな。もっと筋力つけて、ちょうど成長し切った時にするよ」
「うん、そうだね。それがいいよ」
イリアも納得したようだった。
薬草採取の代金も入ったので、やっとこの街を出る事にした。
髪も再び染め直すと夜のうちに家を収納するとそのままケイルを腕に抱い
て空へと舞い上がった。
こういう移動はやめて欲しかった。
せめて馬車で…
そう思っていた。
街道の途中で降りるとゆっくり行く事にした。
こうやって街道を歩くのも新鮮で楽しかった。
「疲れてない。回復かける?」
「大丈夫。それより、こうやって歩いてみるのってなんだか気持ちいい
よね?」
「まぁ、ケイルちゃんがそれでいいならいいけど、そんなにいいかな?」
イリアには新鮮さはないのかもしれないが、ケイルには何もかもが新鮮
なのだ。
「きゃぁぁぁぁーーーーー!!」
先の方で何か悲鳴が聞こえて来た。
イリアに抱えられると一気に飛び上がる。
(あ…またか…)
のんびり歩いていきたかった。
そんな思いも一気に吹き飛んだのだ。
前方で馬車が襲われている。それも武器をもった数人の男達は取り囲むよ
うに馬車に群がり無理矢理中のドアをこじ開けようとしていた。
業者は死んでいるらしい。
傭兵は雇ったのだろうか?近くには見当たらなかった。
「あーあ、傭兵に逃げられたか、それとも傭兵もグルだったかな~」
「早く助けよう!イリア、助けるんでしょ?」
「ん~助けなきゃダメかな?めんどくさそうよね~」
「イリア!行こう!」
「…そうだね。仕方ない加勢するかな~」
のほほーんとした声で言うと一気に加速して降り立つ。
ドォーン!と土煙りをあげながら着地すると、一気に魔法を放つ。
目の前の数人は頭ごと破裂してゆっくりと倒れていく。
「イリア姉ちゃん、お願い!」
「ほいっと!」
駆け出すケイルに強化魔法、身体強化、スピード強化をかけていく。
まだ子供がいきなり飛び出すとその剣がスパッと身体ごと切り裂いていた。
「うわぁ、すごっ!切れ味凄すぎ…」
切ってから自分で驚いたが、まだ終わりではない。
後ろから狙おうとした卑怯なやつはイリアの魔法で弾け飛んでいた。
スパッ切り裂くと、返り血を魔法で綺麗に拭い去った。
コンコンっ。
「あの~大丈夫ですか?」
子供の声に中にいる人達も少し警戒が解けたのか静かになってから降りて
来たのだった。
まだ年端もいかない女性と侍女が乗っていた。
「私はこの先の街に用があったのですが…雇った傭兵に逃げられてしまって」
「あ~だから傭兵がいなかったのか~。」
「大丈夫だよ?イリアお姉ちゃんがいるから、安心して」
ケイルがそういうと、ホッとしたのか落ち着いたようだった。
子供とはその場の空気を和ますのには最適だった。
にっこり笑って見せると、緊張の糸も緩んでいく。
「もしよかったら、一緒に行きませんか?」
その女性はイリアに言うと、侍女が馬を落ち着かせて業者の代わりをするら
しかった。
「僕も疲れちゃったから、乗って行こう?」
「ケイルちゃんがそう言うなら…でも、この子に変な事したら殺すわよ?」
「え…」
いきなり何を言い出すの?ねぇ、妹よ!
それ、やばいからな?やめてーーー!
お姉さんがマジで引いちゃってるよ!
そうして、日が暮れる前には次の街に入ることができたのだった。
しかも身分を確認されず、簡単に入る事ができたのだった。
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