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思いと想い
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沈められたのは武藤敦士と出ていた。それ以外にも5人程いてどれも見たことがあった。
その中の一人に瑛太と呼ばれていた男の写真もあった。
「これって、仇を取ってくれたって事だよな?」
首を傾げるが、返事はない。
しかし、自分の為にここまでしてくれるのがちょっぴり嬉しくて機嫌が浮上した。
思い通りにならない体はいまだに気に入らないが、それでもこんな風に自分の事を守ろうとしてくれるのには感謝していた。
有希自身、いつもは矢面にたたされる事が多く。
見放されるだろうと思っていた。
待ってると言っておきながら離れてしまい、荷物も置きっぱなしにしてしまった。
それに自分のせいで仕事を中断することになってしまったからだ。
見捨てられてもおかしくない。
それに、折角引き取ってもらったのに何も出来ていない自分が腹立たしかったのだ。
また、売り飛ばされても仕方ないと思ってたのだが、斉藤はそうはしなかった。
自分の弟子にするといっているのだ。
何でも触った時に有希の中の記憶や思いを覗いたらしくそれで信用してくれているとか。
そんな事は有希にはわからないし、現実的には信じられない。
でも、斉藤がそう言うなら信じようと思う。
少しばかり親バカな所はあるけど、愛情を感じたことのない有希にはこの上ない喜びなのだから。
朝、目が覚めると息が上がっている事に違和感を感じた。
目を覚ますと斉藤が有希のアナルを弄っているのだ。
「なっ・・なっ・・・何をやってんですか!////」
「おはよう、朝から元気だね?」
そう言って立ち上がってしまったペニスの先端をつつくと透明な液が流れ落ちた。
「あんっ・・触っちゃ・・・ダメッ・・・」
「男の子だからね。いいよ、出すかい?」
「イヤッ・・・アッ。」
声が上ずり喘ぎに変わってくる。その間もアナルを掻き回されるとたまに当たるイイトコロに腰を揺すって自分から求めてしまう。
そんな有希の様子を眺めながら薬を中に塗り込んでいく。
とにかく無理をさせないように指は2本のみで行う。
見ているといつの間にか自分も立ち上がって来ているのに気付き、斉藤自身も苦笑いをせざるをえなかった。
有希には気付かれていないが確かに反応している。
誰の恥体を見ても反応したことはなかった。しかし、あの後。彼と交わってから変わった。
自分のモノにしたいと思う欲求が増してきたとおもう。
自分を抑える為に養子にした。
有希は息子なのだと・・・。
自分自身に言い聞かせる為にだ。
しかし、それもいつまで騙せるのか・・・。
大体の場合は相手の心を覗くとそれだけで萎えてしまうのだ。
人間の心など覗くものではない。
そう悟ったのも小学生のときだった。
言葉とは裏腹で、好きだと女子から告白された時は舞い上がったものだが触れたとき覗いた心のなかでは自分を好きなのではなくイミテーションのような感覚で異性を見ていたのだ。
中学生になってからもかわらず、男性からも告白を受けることも合ったがそれは、本心ではなく嫉妬心から屈服させたかっただけだった。
有希を見ていると新鮮だった。
裏もない、言葉がそのままぶつけられるなんて始めてだった。
まぁ、彼は嘘をつくのが下手なだけかも知れないが、それでも自分の事をこんなに信じてくれるのも嬉しくて養子にして自分の近くに置いた。
下心が無いわけではないが、彼になら自分の全てを譲ってもいいと思えたのだ。
しかし、それにはまだ、精神的にも肉体的にも弱すぎる。
強く、図太く生きていけるようにしなくては裏社会では生きてはいけないのだ。
考え事をしながら有希で遊んでいるとやり過ぎたのかぐったりとしていた。
「あっ、ごめん、ごめん。もういいよ」
アナルに入れていた指を引き抜こうとするときゅっとキツく閉まって名残惜しさを感じたが無理をさせる訳にはいかないのでそのまま濡らしたタオルで拭き取ると、前の汚してしまった方も綺麗に拭き取った。
「今日もおとなしくしてなさいね。暫くは家から出ないこと。誰か来ても開けなくていいから」
「う、うん。」
「ご飯は下に用意してあるので起きたら食べてください」
「出掛けるのかよ?」
「えぇ。依頼の件を済ませてこようと思いましてね」
有希はのっそりと起きると、自分も行くと言い出した。
斉藤が止めたが聞かなかった。
「斉藤さんから離れなければ問題ないだろう?」
「ん~なら。これに着替えてください。その方が向こうも警戒しないと思うので」
渡されたのはこの前のワンピース。しかし、今日は駄々をこねることなく素直に従った。
下でご飯を駆け込むと急いで支度をした。
さすがに荷物は有希には持たせてはくれなかった。
二人が向かったのは奈良だった。
観光客がわらわらといるなかで車を止めると奈良公園の中を散策していた。
「鹿だー触ってきてもいいか?」
無邪気にはしゃぐのを見ているとどうしても甘やかしてしまう傾向にあるらしい。
斉藤は鹿せんべいを買うと有希に渡した。
「これで手なずけるんですよ!」
「へーありがとなっ!」
有希はさっそくせんべいを持って鹿に近づいて行った。
すると鹿達は一斉に有希に群がっていったので慌ててせんべいを投げた。
「うわぁっ。何なんだよ、さっきはおとなしかったのに・・・」
それでもせんべいの匂いにつられて有希に飛びかかるとペロペロと舐め出す。
「くすぐったいって、やめろって~うわっ!」
勢いよく地べたに尻餅をついてしまった。
そこには鹿達の糞が転がっていたもんだから完全に着ていたものが汚れてしまった。
「あ~ぁ。やっちまった~」
どうしようかと悩んでいると横からクスクスと笑い声が聞こえた。
「なんだよ!笑うことねーじゃん」
「ごめんなさい。つい、おかしくて。笑ったお詫びにうち来る?着替えもしたいでしょ?」
「う~ん。わりぃーこのままじゃどこにも行けねーしな。おれっ、いや、私は有希って言うんだよろしくな?」
「私は小山内楓よ」
有希は振り返り斉藤を探すが見つからなかったのでメールでちょっと離れる趣旨を伝えた。
楓の家は直ぐ近くで洗濯のあいだは楓の服を借りた。
彼女はショートヘアーの目のくりっとした可愛らしい女性だった。
しかし、友達はいないのかいつも一人のようだった。
家には母親がいて、優しく迎えてくれた。そこで彼女がいつも一人だと知ったのだ。
母親は小山内すみれというらしい。
「娘がごめんなさいね?」
「いや、こっちこそ助かったよ。あのままじゃどこにも行けねーし」
「まるで話し方が男の子みたいね?」
「あ、いやっ、お、私は苦手なんだ、上手く言えないし」
すみれは気にする風でもなく有希のことを女の子と認識しているらしい。
確かにどこからどうみてもスカートを履いてしまえばばれることはない。
声もいまだに変わっていないので高いままだった。
ロングのストレートヘアのカツラも結構似合っていた。
奥から楓が姿を見せた。
「今、洗い終わったから乾燥かけておくね。1時間もすれば終わるよ。昼食べてく?」
「そうね、食べていきなさいよ。どうせ、服も乾くまで時間がかかることですし、ね?」
「そうだな、わりぃな。お言葉に甘えさせてもらおっかな?」
有希が答えるとすみれはキッチンに向かった。
楓は横に来ると何か聞きたそうにしていた。
「どうかしたのか?」
「有希ちゃんのお父さんってどんな人?」
いきなり聞かれると一瞬暗い陰がさした。
「どんな人って・・・サイテーなヤツだぞ。オレっ、私の事をいつも殴るし、罵倒するし。借金はするし・・・最後には子供を売って自分は自殺だぜ?妹も一緒に・・・」
顔を真っ青にして楓は訂正した。
「ごめんなさい。そんなつもりで聞いた訳じゃ・・・」
楓の頭を撫でると有希は平気な振りをして笑って見せた。
「平気だって。確かに自殺しようって思うほど辛かったけど今はいい人に拾われたんだ。養子にしてくれてさ、飯だってちゃんと食べれるし、しあわせなんだぜ?」
「ご飯、食べさせて貰えなかったの?」
「あぁ、朝に少し貰えるだけだぜ。機嫌が悪い時なんかは2日は食べれなかったぜ!」
悪いことを聞いてしまったと楓は反省した。
「私は有希ちゃんに比べたらしあわせなんだね。お父さんはいないけど、お母さんは優しくしてくれるし、たまにどこかから仕送りがくるんだって。きっとお父さんじゃないかって思うんだけど。お母さんは話してくれないの。」
「ふ~ん。そっか。大事にされてんだな?だったら、知らねーヤツの事を考えるより、今は自分を大事に思ってくれる人を大事にした方がいいんじゃねーか?」
有希の言葉にはっとしたように楓が目を見開いた。
それから納得するように頷いた。
「そうだね、有希ちゃんの言う通りだね、ありがとう。有希ちゃんと話せて良かったなー」
「いつでも連絡しろよ。相談にしか乗れねーけど、いつでも楓の味方だぜ?」
ニコッと笑うと、それにつられて楓も笑顔を見せてくれた。
すると外から視線を感じた。
慌てて、窓の外を眺めたが誰もいなかった。
「どうかしたの?」
楓が心配そうに聞いてくるが有希はそれを誤魔化した。
「何でもねーよ。気のせいだな・・・」
それからお昼を御呼ばれすると乾いた服に着替えて楓の家を出た。
奈良公園に向かう途中で後ろから視線を感じると、有希は走り出した。
路地を曲がるとUターンして待ち構えた。
すると、そこに現れたのは・・・。
「斉藤さん、何やってるんですか?」
「うん。ちょっと、お仕事。いい写真が撮れましたよ」
「えっ、もう終わったのかよ!」
有希は驚くと、全く手伝えなかったことにがっくりと気をおとしていた。
「さぁ、帰りますよ」
「あぁ、俺、何のために来たんだよ・・・」
そんな有希の姿を微笑ましく眺める斉藤の姿がそこにはあった。
その中の一人に瑛太と呼ばれていた男の写真もあった。
「これって、仇を取ってくれたって事だよな?」
首を傾げるが、返事はない。
しかし、自分の為にここまでしてくれるのがちょっぴり嬉しくて機嫌が浮上した。
思い通りにならない体はいまだに気に入らないが、それでもこんな風に自分の事を守ろうとしてくれるのには感謝していた。
有希自身、いつもは矢面にたたされる事が多く。
見放されるだろうと思っていた。
待ってると言っておきながら離れてしまい、荷物も置きっぱなしにしてしまった。
それに自分のせいで仕事を中断することになってしまったからだ。
見捨てられてもおかしくない。
それに、折角引き取ってもらったのに何も出来ていない自分が腹立たしかったのだ。
また、売り飛ばされても仕方ないと思ってたのだが、斉藤はそうはしなかった。
自分の弟子にするといっているのだ。
何でも触った時に有希の中の記憶や思いを覗いたらしくそれで信用してくれているとか。
そんな事は有希にはわからないし、現実的には信じられない。
でも、斉藤がそう言うなら信じようと思う。
少しばかり親バカな所はあるけど、愛情を感じたことのない有希にはこの上ない喜びなのだから。
朝、目が覚めると息が上がっている事に違和感を感じた。
目を覚ますと斉藤が有希のアナルを弄っているのだ。
「なっ・・なっ・・・何をやってんですか!////」
「おはよう、朝から元気だね?」
そう言って立ち上がってしまったペニスの先端をつつくと透明な液が流れ落ちた。
「あんっ・・触っちゃ・・・ダメッ・・・」
「男の子だからね。いいよ、出すかい?」
「イヤッ・・・アッ。」
声が上ずり喘ぎに変わってくる。その間もアナルを掻き回されるとたまに当たるイイトコロに腰を揺すって自分から求めてしまう。
そんな有希の様子を眺めながら薬を中に塗り込んでいく。
とにかく無理をさせないように指は2本のみで行う。
見ているといつの間にか自分も立ち上がって来ているのに気付き、斉藤自身も苦笑いをせざるをえなかった。
有希には気付かれていないが確かに反応している。
誰の恥体を見ても反応したことはなかった。しかし、あの後。彼と交わってから変わった。
自分のモノにしたいと思う欲求が増してきたとおもう。
自分を抑える為に養子にした。
有希は息子なのだと・・・。
自分自身に言い聞かせる為にだ。
しかし、それもいつまで騙せるのか・・・。
大体の場合は相手の心を覗くとそれだけで萎えてしまうのだ。
人間の心など覗くものではない。
そう悟ったのも小学生のときだった。
言葉とは裏腹で、好きだと女子から告白された時は舞い上がったものだが触れたとき覗いた心のなかでは自分を好きなのではなくイミテーションのような感覚で異性を見ていたのだ。
中学生になってからもかわらず、男性からも告白を受けることも合ったがそれは、本心ではなく嫉妬心から屈服させたかっただけだった。
有希を見ていると新鮮だった。
裏もない、言葉がそのままぶつけられるなんて始めてだった。
まぁ、彼は嘘をつくのが下手なだけかも知れないが、それでも自分の事をこんなに信じてくれるのも嬉しくて養子にして自分の近くに置いた。
下心が無いわけではないが、彼になら自分の全てを譲ってもいいと思えたのだ。
しかし、それにはまだ、精神的にも肉体的にも弱すぎる。
強く、図太く生きていけるようにしなくては裏社会では生きてはいけないのだ。
考え事をしながら有希で遊んでいるとやり過ぎたのかぐったりとしていた。
「あっ、ごめん、ごめん。もういいよ」
アナルに入れていた指を引き抜こうとするときゅっとキツく閉まって名残惜しさを感じたが無理をさせる訳にはいかないのでそのまま濡らしたタオルで拭き取ると、前の汚してしまった方も綺麗に拭き取った。
「今日もおとなしくしてなさいね。暫くは家から出ないこと。誰か来ても開けなくていいから」
「う、うん。」
「ご飯は下に用意してあるので起きたら食べてください」
「出掛けるのかよ?」
「えぇ。依頼の件を済ませてこようと思いましてね」
有希はのっそりと起きると、自分も行くと言い出した。
斉藤が止めたが聞かなかった。
「斉藤さんから離れなければ問題ないだろう?」
「ん~なら。これに着替えてください。その方が向こうも警戒しないと思うので」
渡されたのはこの前のワンピース。しかし、今日は駄々をこねることなく素直に従った。
下でご飯を駆け込むと急いで支度をした。
さすがに荷物は有希には持たせてはくれなかった。
二人が向かったのは奈良だった。
観光客がわらわらといるなかで車を止めると奈良公園の中を散策していた。
「鹿だー触ってきてもいいか?」
無邪気にはしゃぐのを見ているとどうしても甘やかしてしまう傾向にあるらしい。
斉藤は鹿せんべいを買うと有希に渡した。
「これで手なずけるんですよ!」
「へーありがとなっ!」
有希はさっそくせんべいを持って鹿に近づいて行った。
すると鹿達は一斉に有希に群がっていったので慌ててせんべいを投げた。
「うわぁっ。何なんだよ、さっきはおとなしかったのに・・・」
それでもせんべいの匂いにつられて有希に飛びかかるとペロペロと舐め出す。
「くすぐったいって、やめろって~うわっ!」
勢いよく地べたに尻餅をついてしまった。
そこには鹿達の糞が転がっていたもんだから完全に着ていたものが汚れてしまった。
「あ~ぁ。やっちまった~」
どうしようかと悩んでいると横からクスクスと笑い声が聞こえた。
「なんだよ!笑うことねーじゃん」
「ごめんなさい。つい、おかしくて。笑ったお詫びにうち来る?着替えもしたいでしょ?」
「う~ん。わりぃーこのままじゃどこにも行けねーしな。おれっ、いや、私は有希って言うんだよろしくな?」
「私は小山内楓よ」
有希は振り返り斉藤を探すが見つからなかったのでメールでちょっと離れる趣旨を伝えた。
楓の家は直ぐ近くで洗濯のあいだは楓の服を借りた。
彼女はショートヘアーの目のくりっとした可愛らしい女性だった。
しかし、友達はいないのかいつも一人のようだった。
家には母親がいて、優しく迎えてくれた。そこで彼女がいつも一人だと知ったのだ。
母親は小山内すみれというらしい。
「娘がごめんなさいね?」
「いや、こっちこそ助かったよ。あのままじゃどこにも行けねーし」
「まるで話し方が男の子みたいね?」
「あ、いやっ、お、私は苦手なんだ、上手く言えないし」
すみれは気にする風でもなく有希のことを女の子と認識しているらしい。
確かにどこからどうみてもスカートを履いてしまえばばれることはない。
声もいまだに変わっていないので高いままだった。
ロングのストレートヘアのカツラも結構似合っていた。
奥から楓が姿を見せた。
「今、洗い終わったから乾燥かけておくね。1時間もすれば終わるよ。昼食べてく?」
「そうね、食べていきなさいよ。どうせ、服も乾くまで時間がかかることですし、ね?」
「そうだな、わりぃな。お言葉に甘えさせてもらおっかな?」
有希が答えるとすみれはキッチンに向かった。
楓は横に来ると何か聞きたそうにしていた。
「どうかしたのか?」
「有希ちゃんのお父さんってどんな人?」
いきなり聞かれると一瞬暗い陰がさした。
「どんな人って・・・サイテーなヤツだぞ。オレっ、私の事をいつも殴るし、罵倒するし。借金はするし・・・最後には子供を売って自分は自殺だぜ?妹も一緒に・・・」
顔を真っ青にして楓は訂正した。
「ごめんなさい。そんなつもりで聞いた訳じゃ・・・」
楓の頭を撫でると有希は平気な振りをして笑って見せた。
「平気だって。確かに自殺しようって思うほど辛かったけど今はいい人に拾われたんだ。養子にしてくれてさ、飯だってちゃんと食べれるし、しあわせなんだぜ?」
「ご飯、食べさせて貰えなかったの?」
「あぁ、朝に少し貰えるだけだぜ。機嫌が悪い時なんかは2日は食べれなかったぜ!」
悪いことを聞いてしまったと楓は反省した。
「私は有希ちゃんに比べたらしあわせなんだね。お父さんはいないけど、お母さんは優しくしてくれるし、たまにどこかから仕送りがくるんだって。きっとお父さんじゃないかって思うんだけど。お母さんは話してくれないの。」
「ふ~ん。そっか。大事にされてんだな?だったら、知らねーヤツの事を考えるより、今は自分を大事に思ってくれる人を大事にした方がいいんじゃねーか?」
有希の言葉にはっとしたように楓が目を見開いた。
それから納得するように頷いた。
「そうだね、有希ちゃんの言う通りだね、ありがとう。有希ちゃんと話せて良かったなー」
「いつでも連絡しろよ。相談にしか乗れねーけど、いつでも楓の味方だぜ?」
ニコッと笑うと、それにつられて楓も笑顔を見せてくれた。
すると外から視線を感じた。
慌てて、窓の外を眺めたが誰もいなかった。
「どうかしたの?」
楓が心配そうに聞いてくるが有希はそれを誤魔化した。
「何でもねーよ。気のせいだな・・・」
それからお昼を御呼ばれすると乾いた服に着替えて楓の家を出た。
奈良公園に向かう途中で後ろから視線を感じると、有希は走り出した。
路地を曲がるとUターンして待ち構えた。
すると、そこに現れたのは・・・。
「斉藤さん、何やってるんですか?」
「うん。ちょっと、お仕事。いい写真が撮れましたよ」
「えっ、もう終わったのかよ!」
有希は驚くと、全く手伝えなかったことにがっくりと気をおとしていた。
「さぁ、帰りますよ」
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