38 / 89
38 優しさに触れて
しおりを挟む
優馬が来た事によって危機一髪な状況から脱した利久斗はそのまま優馬を誘い
身体を重ねた。一人になりたくない気持ちもあったが、今は人肌に触れていた
かった。
全ての記憶が戻った利久斗にとって、優馬は命の恩人なのだ。
保健室に連れ込まれた時も、体を張って守ってくれた。
今も、頼んだら熱が覚めるまで付き合ってくれる。
男を抱くなんておかしいって思ってるはずなのに…。優馬の優しさに甘えてばか
りの自分に気づいた。
リクト「優馬…あのさ、もし良ければだけど…優馬に恋人ができるまででいい
からさ…その…」
ユウマ「いいぜ。俺はいつだってお前の側に居たいって思ってたんだからなっ」
リクト「自分勝手だよなっ、優馬の優しさにつけ込んでるみたいでさ…」
ユウマ「いいって。俺さ、女が好きだったんだよな~、でもさ利久斗に会ってから
男がスキってより利久斗がいいんだって思ったんだよ。嫌われるような事
はしたくねーし。俺の事どう思ってんのかわかんねーし。ただの友達でい
たいんなら、それもしゃーねーなって思ってたんだぜ」
リクト「優馬…。ごめん。周りからどんな目で見られるかって分かってるのに…」
ユウマ「いいって。俺さ、ずっと腫れ物扱いだったし。利久斗に会ってから変わっ
たんだぜ。母さんからも頼もしくなったって。へへへ。」
リクト「あー。ここも引っ越さなきゃな~。」
今回の件があるのでバイトも変わるつもりでいた。警察に捕まっても、すぐに出てく
るのがわかっているので、ここにいるとまた押し掛けられる可能性があるのだ。
リクト「大学から近かったんだけどな~」
ユウマ「うちに来いよ。俺、今一人暮らしだし。2LDKどうだ?」
リクト「あー。嬉しいけど、邪魔にならない?」
ユウマ「大丈夫だって。もう社会人だし。帰って寝るくらいだしな!」
リクト「いちゃおうかな~」
ユウマ「おう!来いこい。」
布団に寝転がりながら久しぶりに笑った気がした。
疲れていたのもあるが、最近不安でしっかりと眠れていなかったのである。
休みの日に引っ越しを済ませ、優馬と同棲することになった。
リクト「優馬の母さんになんて言おうか?」
ユウマ「そのままいえばいいだろ?俺の恋人だって」
リクト「それは…まずいでしょ!」
ユウマ「隠したってどうせバレるんだぜ。ならはっきり言ったほうがい
いだろ?それよりも利久斗の両親はどうなんだよ」
リクト「あー。そっちも難関かも…中学の事件以来話してないんだよね~」
荷物が片付くとキッチンのソファーに座った。
ユウマ「ま、いいんじゃねーの。慌てることでもねーし。」
利久斗の腰を引き寄せると額にキスを落とすと耳朶を甘噛みする。
リクト「ひゃっ…まだ、ご飯にっ…あっ…」
ユウマ「本当に感じやすいよな~」
リクト「もう、ご飯にしてから…」
ユウマ「目の前にあるけど?」
シャツに手を入れ、ズボンを脱がせかかる。
ユウマ「一緒に住むっていいな。いつでもヤれるからさっ」
リクト「あっ…ちょっと…まっ…あんっ…」
ユウマ「ほら、勃って来た」
そういうと、利久斗の下半身を苛めながら後ろに触れては秘部を刺激する。
毎晩とまではいかないが、休みの日は大体が家で寝ているか体を重ねる事が
当たり前になっていった。若い体はお互いを求め、誰にも話せない恋人関係
になったのである。優馬の方は恋人ができたと吹聴していたが、誰にも見せ
ることは無い。
利久斗はというと、たまに仁美に呼び出され、撮影スタジオへと来ていた。
ヒトミ「ちゃんと来たわね。さー、こっちよ」
リクト「こんなところがあるんだな~」
スタジオの扉を開けるとそこには衣装やセットが所狭しと並んでいた。
ヒトミ「ここを借りられるのは1時間ね。それが終わったら隣のスタジオ
予約してるから。それと、こちらが角谷恭子。メイクなどのアシ
スタントよ。」
キョウコ「君がリヒトくんか。あんまり仁美にベタベタしないで、気色悪い」
ヒトミ「口は悪いけど、腕はいいから。」
リクト「よ…よろしく…」
ヒトミ「じゃ。恭子、彼のメイクと着付け頼むわ」
キョウコ「ちっ…さっさとこっちに来て脱ぎなさい」
リクト「えっ…それは…どこまで…?」
キョウコ「全部よ。だっさいパンツも全部。全裸になれって言ってるの」
リクト「三宅さん…それって…」
ヒトミ「ごめんね、説明してなかったね。撮りたいのは和服姿なの。だから
フンドシになって欲しくて。大丈夫よ。恭子ちゃんが着せてくれる
から、安心して」
キョウコ「時間ないのよ、早くしなさいよ。貧弱なモノ見ても引きやしないわよ」
情けなくなるくらいボロボロに言われるのだが、何か怒らせる事をしただろうかと
考えながらそばの籠に服を畳んで入れた。
キョウコ「本当に色も白いし、貧弱な体してるわね。筋肉付ける気あるの?」
リクト「つかないんだよ」
キョウコ「言い訳ね。ほら後ろ向いて、この布持ってなさい。そのくらいしかでき
ないんだから」
そう言うと、スルスルと巻き始めた。器用にフンドシが巻かれると少し引き締まった
感じがした。そのあとは、綺麗な着物を着せられ足元はやたら短いのが気になるが、
椅子に座らされ、顔をメイクさせられた。鏡を見ていたが、まるで別人のようだと
思えた。
鏡の前にいるには自分ではなく知らない女性にしか見えなかった。
リクト「メイクってこんなに変わるんだ~。」
キョウコ「素材がいいとでも言いたいの?ここまでしかできなかったと反省すべきよ
原因は素材の悪さね」
きつい口調は変わりそうになかった。
それでも、利久斗にとっては初めての体験で、面白くもあった。
身体を重ねた。一人になりたくない気持ちもあったが、今は人肌に触れていた
かった。
全ての記憶が戻った利久斗にとって、優馬は命の恩人なのだ。
保健室に連れ込まれた時も、体を張って守ってくれた。
今も、頼んだら熱が覚めるまで付き合ってくれる。
男を抱くなんておかしいって思ってるはずなのに…。優馬の優しさに甘えてばか
りの自分に気づいた。
リクト「優馬…あのさ、もし良ければだけど…優馬に恋人ができるまででいい
からさ…その…」
ユウマ「いいぜ。俺はいつだってお前の側に居たいって思ってたんだからなっ」
リクト「自分勝手だよなっ、優馬の優しさにつけ込んでるみたいでさ…」
ユウマ「いいって。俺さ、女が好きだったんだよな~、でもさ利久斗に会ってから
男がスキってより利久斗がいいんだって思ったんだよ。嫌われるような事
はしたくねーし。俺の事どう思ってんのかわかんねーし。ただの友達でい
たいんなら、それもしゃーねーなって思ってたんだぜ」
リクト「優馬…。ごめん。周りからどんな目で見られるかって分かってるのに…」
ユウマ「いいって。俺さ、ずっと腫れ物扱いだったし。利久斗に会ってから変わっ
たんだぜ。母さんからも頼もしくなったって。へへへ。」
リクト「あー。ここも引っ越さなきゃな~。」
今回の件があるのでバイトも変わるつもりでいた。警察に捕まっても、すぐに出てく
るのがわかっているので、ここにいるとまた押し掛けられる可能性があるのだ。
リクト「大学から近かったんだけどな~」
ユウマ「うちに来いよ。俺、今一人暮らしだし。2LDKどうだ?」
リクト「あー。嬉しいけど、邪魔にならない?」
ユウマ「大丈夫だって。もう社会人だし。帰って寝るくらいだしな!」
リクト「いちゃおうかな~」
ユウマ「おう!来いこい。」
布団に寝転がりながら久しぶりに笑った気がした。
疲れていたのもあるが、最近不安でしっかりと眠れていなかったのである。
休みの日に引っ越しを済ませ、優馬と同棲することになった。
リクト「優馬の母さんになんて言おうか?」
ユウマ「そのままいえばいいだろ?俺の恋人だって」
リクト「それは…まずいでしょ!」
ユウマ「隠したってどうせバレるんだぜ。ならはっきり言ったほうがい
いだろ?それよりも利久斗の両親はどうなんだよ」
リクト「あー。そっちも難関かも…中学の事件以来話してないんだよね~」
荷物が片付くとキッチンのソファーに座った。
ユウマ「ま、いいんじゃねーの。慌てることでもねーし。」
利久斗の腰を引き寄せると額にキスを落とすと耳朶を甘噛みする。
リクト「ひゃっ…まだ、ご飯にっ…あっ…」
ユウマ「本当に感じやすいよな~」
リクト「もう、ご飯にしてから…」
ユウマ「目の前にあるけど?」
シャツに手を入れ、ズボンを脱がせかかる。
ユウマ「一緒に住むっていいな。いつでもヤれるからさっ」
リクト「あっ…ちょっと…まっ…あんっ…」
ユウマ「ほら、勃って来た」
そういうと、利久斗の下半身を苛めながら後ろに触れては秘部を刺激する。
毎晩とまではいかないが、休みの日は大体が家で寝ているか体を重ねる事が
当たり前になっていった。若い体はお互いを求め、誰にも話せない恋人関係
になったのである。優馬の方は恋人ができたと吹聴していたが、誰にも見せ
ることは無い。
利久斗はというと、たまに仁美に呼び出され、撮影スタジオへと来ていた。
ヒトミ「ちゃんと来たわね。さー、こっちよ」
リクト「こんなところがあるんだな~」
スタジオの扉を開けるとそこには衣装やセットが所狭しと並んでいた。
ヒトミ「ここを借りられるのは1時間ね。それが終わったら隣のスタジオ
予約してるから。それと、こちらが角谷恭子。メイクなどのアシ
スタントよ。」
キョウコ「君がリヒトくんか。あんまり仁美にベタベタしないで、気色悪い」
ヒトミ「口は悪いけど、腕はいいから。」
リクト「よ…よろしく…」
ヒトミ「じゃ。恭子、彼のメイクと着付け頼むわ」
キョウコ「ちっ…さっさとこっちに来て脱ぎなさい」
リクト「えっ…それは…どこまで…?」
キョウコ「全部よ。だっさいパンツも全部。全裸になれって言ってるの」
リクト「三宅さん…それって…」
ヒトミ「ごめんね、説明してなかったね。撮りたいのは和服姿なの。だから
フンドシになって欲しくて。大丈夫よ。恭子ちゃんが着せてくれる
から、安心して」
キョウコ「時間ないのよ、早くしなさいよ。貧弱なモノ見ても引きやしないわよ」
情けなくなるくらいボロボロに言われるのだが、何か怒らせる事をしただろうかと
考えながらそばの籠に服を畳んで入れた。
キョウコ「本当に色も白いし、貧弱な体してるわね。筋肉付ける気あるの?」
リクト「つかないんだよ」
キョウコ「言い訳ね。ほら後ろ向いて、この布持ってなさい。そのくらいしかでき
ないんだから」
そう言うと、スルスルと巻き始めた。器用にフンドシが巻かれると少し引き締まった
感じがした。そのあとは、綺麗な着物を着せられ足元はやたら短いのが気になるが、
椅子に座らされ、顔をメイクさせられた。鏡を見ていたが、まるで別人のようだと
思えた。
鏡の前にいるには自分ではなく知らない女性にしか見えなかった。
リクト「メイクってこんなに変わるんだ~。」
キョウコ「素材がいいとでも言いたいの?ここまでしかできなかったと反省すべきよ
原因は素材の悪さね」
きつい口調は変わりそうになかった。
それでも、利久斗にとっては初めての体験で、面白くもあった。
0
あなたにおすすめの小説
上司、快楽に沈むまで
赤林檎
BL
完璧な男――それが、営業部課長・**榊(さかき)**の社内での評判だった。
冷静沈着、部下にも厳しい。私生活の噂すら立たないほどの隙のなさ。
だが、その“完璧”が崩れる日がくるとは、誰も想像していなかった。
入社三年目の篠原は、榊の直属の部下。
真面目だが強気で、どこか挑発的な笑みを浮かべる青年。
ある夜、取引先とのトラブル対応で二人だけが残ったオフィスで、
篠原は上司に向かって、いつもの穏やかな口調を崩した。「……そんな顔、部下には見せないんですね」
疲労で僅かに緩んだ榊の表情。
その弱さを見逃さず、篠原はデスク越しに距離を詰める。
「強がらなくていいですよ。俺の前では、もう」
指先が榊のネクタイを掴む。
引き寄せられた瞬間、榊の理性は音を立てて崩れた。
拒むことも、許すこともできないまま、
彼は“部下”の手によって、ひとつずつ乱されていく。
言葉で支配され、触れられるたびに、自分の知らなかった感情と快楽を知る。それは、上司としての誇りを壊すほどに甘く、逃れられないほどに深い。
だが、篠原の視線の奥に宿るのは、ただの欲望ではなかった。
そこには、ずっと榊だけを見つめ続けてきた、静かな執着がある。
「俺、前から思ってたんです。
あなたが誰かに“支配される”ところ、きっと綺麗だろうなって」
支配する側だったはずの男が、
支配されることで初めて“生きている”と感じてしまう――。
上司と部下、立場も理性も、すべてが絡み合うオフィスの夜。
秘密の扉を開けた榊は、もう戻れない。
快楽に溺れるその瞬間まで、彼を待つのは破滅か、それとも救いか。
――これは、ひとりの上司が“愛”という名の支配に沈んでいく物語。
【完結】 男達の性宴
蔵屋
BL
僕が通う高校の学校医望月先生に
今夜8時に来るよう、青山のホテルに
誘われた。
ホテルに来れば会場に案内すると
言われ、会場案内図を渡された。
高三最後の夏休み。家業を継ぐ僕を
早くも社会人扱いする両親。
僕は嬉しくて夕食後、バイクに乗り、
東京へ飛ばして行った。
魔王の息子を育てることになった俺の話
お鮫
BL
俺が18歳の時森で少年を拾った。その子が将来魔王になることを知りながら俺は今日も息子としてこの子を育てる。そう決意してはや数年。
「今なんつった?よっぽど死にたいんだね。そんなに俺と離れたい?」
現在俺はかわいい息子に殺害予告を受けている。あれ、魔王は?旅に出なくていいの?とりあえず放してくれません?
魔王になる予定の男と育て親のヤンデレBL
BLは初めて書きます。見ずらい点多々あるかと思いますが、もしありましたら指摘くださるとありがたいです。
BL大賞エントリー中です。
鎖に繋がれた騎士は、敵国で皇帝の愛に囚われる
結衣可
BL
戦場で捕らえられた若き騎士エリアスは、牢に繋がれながらも誇りを折らず、帝国の皇帝オルフェンの瞳を惹きつける。
冷酷と畏怖で人を遠ざけてきた皇帝は、彼を望み、夜ごと逢瀬を重ねていく。
憎しみと抗いのはずが、いつしか芽生える心の揺らぎ。
誇り高き騎士が囚われたのは、冷徹な皇帝の愛。
鎖に繋がれた誇りと、独占欲に満ちた溺愛の行方は――。
やっと退場できるはずだったβの悪役令息。ワンナイトしたらΩになりました。
毒島醜女
BL
目が覚めると、妻であるヒロインを虐げた挙句に彼女の運命の番である皇帝に断罪される最低最低なモラハラDV常習犯の悪役夫、イライ・ロザリンドに転生した。
そんな最期は絶対に避けたいイライはヒーローとヒロインの仲を結ばせつつ、ヒロインと円満に別れる為に策を練った。
彼の努力は実り、主人公たちは結ばれ、イライはお役御免となった。
「これでやっと安心して退場できる」
これまでの自分の努力を労うように酒場で飲んでいたイライは、いい薫りを漂わせる男と意気投合し、彼と一夜を共にしてしまう。
目が覚めると罪悪感に襲われ、すぐさま宿を去っていく。
「これじゃあ原作のイライと変わらないじゃん!」
その後体調不良を訴え、医師に診てもらうととんでもない事を言われたのだった。
「あなた……Ωになっていますよ」
「へ?」
そしてワンナイトをした男がまさかの国の英雄で、まさかまさか求愛し公開プロポーズまでして来て――
オメガバースの世界で運命に導かれる、強引な俺様α×頑張り屋な元悪役令息の元βのΩのラブストーリー。
邪神の祭壇へ無垢な筋肉を生贄として捧ぐ
零
BL
鍛えられた肉体、高潔な魂――
それは選ばれし“供物”の条件。
山奥の男子校「平坂学園」で、新任教師・高尾雄一は静かに歪み始める。
見えない視線、執着する生徒、触れられる肉体。
誇り高き男は、何に屈し、何に縋るのか。
心と肉体が削がれていく“儀式”が、いま始まる。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる