好きになっていいですか?

秋元智也

文字の大きさ
46 / 89

46 医師免許国家資格

しおりを挟む
ユウセイ「実に興味深い…。今度は被写体ともあってみたいものだな」

三宅仁美の撮った写真の中で、憂いを浮かべる彼女(?)に向かって
囁いた。もう、三宅仁美は帰ってしまった。
一緒によく見かける恭子という女性とはまた違う。
ここまで露出が多い写真を身近な人以外で撮らせてくれる訳はない
だろうと考え、個展が楽しみになっていた。
スポンサーである杉本悠星にとっては腕のいいカメラマンもそうだ
が、芸能関係の仕事もするうえで、モデルの育成にも力を入れていた。
若い女性はスカウトすれば、即答でOKを出す子が多かった。
今まで落とせない女性は数人しかいない。
もう他の事務所に入って契約している子以外は大体が思い通りになっ
てきた。

ユウセイ「待ってろよ。落として見せる」

写真をデスクにしまうと、夜に街へと繰り出して行った。


その頃利久斗はというと、医師免許国家資格に挑むべく、勉学に励ん
でいた。
数日後に行われる試験に合格して、卒業できれば、やっと病院での
臨床研修が始まる。
それも2年勤めてから、また別の病院へ行って研修を受けなければな
らなかった。
それを知っている優馬は邪魔しない様に夜食を差し入れしたりと、
試験前は気を使っていた。
すぐにでもベットに押し倒したいのだが、真剣な利久斗の邪魔だけ
はしたくなかった。
三宅仁美の個展が始まる頃には試験結果も届き、見事合格を手にし
たのだった。

 ユウマ「さすがだな!おめでとう」
 リクト「ありがとう。でも、まだこれから臨床研修が始まるんだ
     よ~呑気に遊んでられないなぁ~。」
 ユウマ「今日くらいはいいじゃん。それに最近はさ~…ご無沙汰
     だったし?」

一緒に祝う為に作られた食事を終えると、そのままベットへと転がり
込んだ。
久しぶりに抱きしめる身体の匂いを嗅ぎながら利久斗を脱がしていく。
今までおあずけだった分、唇を重ねると貪る様に舌を絡めた。

 リクト「んんっ…んっ…」

鼻にかかった声がわずかに漏れる。
利久斗自身ももう止められる状態ではなかった。
自らズボンを脱ぐと優馬のズボンのチャックを下ろした。
中で膨れ上がっているモノをゆっくりと手の中で擦り上げる。ベットの
横の棚からゴムを取ると、優馬自身に被せる。
その間に優馬はローションを利久斗の秘部へと塗りつける。
もちろんこうなる事は予想してあらかじめ中は洗浄してある。
少し解しただけで、中はトロッと濡れて来ていた。

 ユウマ「久々なのに、もう濡れてるじゃん。待ち遠しいかったか?」
 リクト「うん…早くちょーだい。奥まで入れてぇ~」

そういうと、優馬の理性は跡形もなく消え去っていた。
指で慣らしたばかりの蕾に最初はゆっくり挿入したが、次第に出し入れ
の激しさを増して行った。

 リクト「あっ…あっ…あぁ…もっとぉ…あっ…き…もちぃ…いい…」

出し入れされる振動に合わせる様に腰を使い、奥の良いところに当たる
様に微調整した。
いつもに増して積極的な利久斗の姿は優馬にとって麻薬の様に染み込んで
止める事のできない快楽を引き出していた。
二人は朝までお互いを求め合うと、そのまま力尽きたのだった。


利久斗が目を覚まし起き上がると久しぶりにぐっすり寝れた気がした。
いつもは寝つきが悪く、優馬がベットで求めてくれるので、程よい人肌と
疲れで眠りに付けたが、最近は勉強に追われて、それどころじゃなかった。
隣に人がいる事が、落ち着くなんて、いつぶりだろうと考えると、中から流
れ出てくる精液に苦笑いを残し、風呂場へと向かった。
鏡を覗くとそこには自分の身体につけられた無数のキスマークが刻み込まれ
ていた。
恥ずかしいけど、それ以上に嬉しくて口元が緩んでいる自分に気づいた。

 リクト「ごめんね。もう、手放せないな…」

はじめは突き放す様に友達としてしか、付き合わない様にして来た。
でも、ここまで来てしまうと利久斗自身が離れられない気がした。


卒業と共に臨床研修の病院が決まると、優馬から一つの提案を出された。

 ユウマ「あのさ、そろそろ考えねーか?」
 リクト「でもさ…僕が行っても…」

少し考え込むが、先延ばしにするだけで、答えは出ない。
前から考えてはいたが、いざとなると、腰が引けて決断出来ずにいた。
そんな利久斗を優馬は自分の方へ抱き寄せると、口づけをする。
ゆっくりと、じっくりと味わう様に舌を絡めて味わうと、首筋に舌を這
わせ出す。

 リクト「ちょっ…待って…」
 ユウマ「考える事ないって…自然にしてれば良いだろ?」
 リクト「だって…男だよ。優馬のお母さんだって…理解するには…」
 ユウマ「俺のかーさんだぞ。多分大丈夫だって」

鎖骨の辺りをキュッと吸うと赤い痕がはっきりと残った。
真っ白な肌に赤い痕を何箇所も咲かせた。
三宅仁美の撮影前は一切痕を付けさせて貰えなかった分、今は思う存分
好きな場所に付けている。首筋、鎖骨、胸の飾りから腹にかけて脇につ
けるとくすぐったいのか、いつも体を捩る癖があった。
内股に口付けると期待してか自分から足を開いてくれる。
それを分かって、何度もしつこく舐る様にしている。こんなに隅から隅
まで知り尽くした体は利久斗だけだった。優馬自身も最初は戸惑ったが、
今では手放せなくなっている。依存症といえば、そうなのかもしれない。
ちゃんとした形で母親に紹介して、付き合っていると言いたいのだ。
前々からそういう話は出ていた。利久斗がどうしてもうんと言わなかった
だけで、優馬はいつでも、話す気でいる。
利久斗の親にさえ、ちゃんと挨拶に来るというのだ。
しかし、それは絶対に阻止したかった。単身赴任の父はともかく、母親には
知られたくなかった。あの事件以来、ほとんど口を聞く事はなくなっていた
し、今回の合格の事も連絡はしたが、『おめでとう』とラインで帰ってきた
に過ぎなかったからだ。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

上司、快楽に沈むまで

赤林檎
BL
完璧な男――それが、営業部課長・**榊(さかき)**の社内での評判だった。 冷静沈着、部下にも厳しい。私生活の噂すら立たないほどの隙のなさ。 だが、その“完璧”が崩れる日がくるとは、誰も想像していなかった。 入社三年目の篠原は、榊の直属の部下。 真面目だが強気で、どこか挑発的な笑みを浮かべる青年。 ある夜、取引先とのトラブル対応で二人だけが残ったオフィスで、 篠原は上司に向かって、いつもの穏やかな口調を崩した。「……そんな顔、部下には見せないんですね」 疲労で僅かに緩んだ榊の表情。 その弱さを見逃さず、篠原はデスク越しに距離を詰める。 「強がらなくていいですよ。俺の前では、もう」 指先が榊のネクタイを掴む。 引き寄せられた瞬間、榊の理性は音を立てて崩れた。 拒むことも、許すこともできないまま、 彼は“部下”の手によって、ひとつずつ乱されていく。 言葉で支配され、触れられるたびに、自分の知らなかった感情と快楽を知る。それは、上司としての誇りを壊すほどに甘く、逃れられないほどに深い。 だが、篠原の視線の奥に宿るのは、ただの欲望ではなかった。 そこには、ずっと榊だけを見つめ続けてきた、静かな執着がある。 「俺、前から思ってたんです。  あなたが誰かに“支配される”ところ、きっと綺麗だろうなって」 支配する側だったはずの男が、 支配されることで初めて“生きている”と感じてしまう――。 上司と部下、立場も理性も、すべてが絡み合うオフィスの夜。 秘密の扉を開けた榊は、もう戻れない。 快楽に溺れるその瞬間まで、彼を待つのは破滅か、それとも救いか。 ――これは、ひとりの上司が“愛”という名の支配に沈んでいく物語。

  【完結】 男達の性宴

蔵屋
BL
  僕が通う高校の学校医望月先生に  今夜8時に来るよう、青山のホテルに  誘われた。  ホテルに来れば会場に案内すると  言われ、会場案内図を渡された。  高三最後の夏休み。家業を継ぐ僕を  早くも社会人扱いする両親。  僕は嬉しくて夕食後、バイクに乗り、  東京へ飛ばして行った。

吊るされた少年は惨めな絶頂を繰り返す

五月雨時雨
BL
ブログに掲載した短編です。

魔王の息子を育てることになった俺の話

お鮫
BL
俺が18歳の時森で少年を拾った。その子が将来魔王になることを知りながら俺は今日も息子としてこの子を育てる。そう決意してはや数年。 「今なんつった?よっぽど死にたいんだね。そんなに俺と離れたい?」 現在俺はかわいい息子に殺害予告を受けている。あれ、魔王は?旅に出なくていいの?とりあえず放してくれません? 魔王になる予定の男と育て親のヤンデレBL BLは初めて書きます。見ずらい点多々あるかと思いますが、もしありましたら指摘くださるとありがたいです。 BL大賞エントリー中です。

鎖に繋がれた騎士は、敵国で皇帝の愛に囚われる

結衣可
BL
戦場で捕らえられた若き騎士エリアスは、牢に繋がれながらも誇りを折らず、帝国の皇帝オルフェンの瞳を惹きつける。 冷酷と畏怖で人を遠ざけてきた皇帝は、彼を望み、夜ごと逢瀬を重ねていく。 憎しみと抗いのはずが、いつしか芽生える心の揺らぎ。 誇り高き騎士が囚われたのは、冷徹な皇帝の愛。 鎖に繋がれた誇りと、独占欲に満ちた溺愛の行方は――。

後宮の男妃

紅林
BL
碧凌帝国には年老いた名君がいた。 もう間もなくその命尽きると噂される宮殿で皇帝の寵愛を一身に受けていると噂される男妃のお話。

やっと退場できるはずだったβの悪役令息。ワンナイトしたらΩになりました。

毒島醜女
BL
目が覚めると、妻であるヒロインを虐げた挙句に彼女の運命の番である皇帝に断罪される最低最低なモラハラDV常習犯の悪役夫、イライ・ロザリンドに転生した。 そんな最期は絶対に避けたいイライはヒーローとヒロインの仲を結ばせつつ、ヒロインと円満に別れる為に策を練った。 彼の努力は実り、主人公たちは結ばれ、イライはお役御免となった。 「これでやっと安心して退場できる」 これまでの自分の努力を労うように酒場で飲んでいたイライは、いい薫りを漂わせる男と意気投合し、彼と一夜を共にしてしまう。 目が覚めると罪悪感に襲われ、すぐさま宿を去っていく。 「これじゃあ原作のイライと変わらないじゃん!」 その後体調不良を訴え、医師に診てもらうととんでもない事を言われたのだった。 「あなた……Ωになっていますよ」 「へ?」 そしてワンナイトをした男がまさかの国の英雄で、まさかまさか求愛し公開プロポーズまでして来て―― オメガバースの世界で運命に導かれる、強引な俺様α×頑張り屋な元悪役令息の元βのΩのラブストーリー。

邪神の祭壇へ無垢な筋肉を生贄として捧ぐ

BL
鍛えられた肉体、高潔な魂―― それは選ばれし“供物”の条件。 山奥の男子校「平坂学園」で、新任教師・高尾雄一は静かに歪み始める。 見えない視線、執着する生徒、触れられる肉体。 誇り高き男は、何に屈し、何に縋るのか。 心と肉体が削がれていく“儀式”が、いま始まる。

処理中です...