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48 興味と関心
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ユウセイ「今回の契約だが、5年とさせて貰う気だがどうかな?」
ヒトミ「ありがとうございます。また、契約したくなる様に
頑張ります」
ユウセイ「それは、期待しておこう。主にモデルは女性が多いが、
俳優も撮る事になるから、わかっておいて欲しい。
セクハラ発言や、怒らせる事のない様に頼むよ。うち
のモデル達はわがままな子が多くてね」
ヒトミ「心得ています。」
ユウセイ「話は変わるが、三宅くんの友達に是非会って見たい
のだが?いいかな?」
ヒトミ「個人的な友人ですので。忙しいので、無理ですよ」
ユウセイ「それは残念。もし良ければ、個人的にお付き合いも
したいのだが?」
ヒトミ「それは、モデルの事が気になると言うことでしたら、
何も言いませんよ。プライバシーの侵害になりますから。」
ユウセイ「芸能人として活躍できるって言っても?」
ヒトミ「そうです、か…彼女は興味がないそうです。それに
彼氏もいるようですし、静かにしておいてあげて下さい。」
契約書にサインをすると、コピーし契約は終了した。
ここまでガードが堅いとは思っていなかったようで、悠星は多少苛
立ちを感じていた。
せめて会うチャンスさえ有れば、彼氏と別れさせ芸能界デビューも
させられたと言うのに…。
一人で愚痴を漏らしつつコーヒーを飲み終わり会計に行くと、ウエイ
トレスの女性が自らを売り込んできた。
もちろん断った。自分が見つけた原石ならいざ知らず、芸能界に憧れ
るだけの女に興味はなかった。
女優だけじゃなく、俳優も売り出しはするが、そこまで
稼ぎ頭になる事はなかった。
なので、どうしても女性の方に力を入れてしまう。
(そういえば、さっきの男、個展で会ったのか…確か隣に友人がいた
はずだが…)
物静かな子だった気がする。
顔は覚えていなかった。思い出そうにも思い出せなかった。
それもそのはず、声をかけられた時に優馬が後ろに隠すように答えて
そのまま立ち去ったからだった。
(まぁ、男に興味はないからいっか!)
あれから一年、利久斗は無事卒業して今は病院で研修医として働い
ていた。
主に雑用と看護師と同じ仕事をしている。
手術の時だけ、先生の側で観察させてもらえるという特権付きだった。
看護師 「田嶋先生、そろそろ慣れました?」
リクト「えぇ、まぁ。まだまだ皆さんに迷惑かけてますけどね~」
看護師 「ふふふ。よくやってると思いますよ。今日、ご飯などいか
がですか?」
リクト「すいません。同棲してる人と約束があるので」
看護師 「あら、手が早いんですね~。ちゃんと結婚してあげてくだ
さいね」
リクト「ははは、善処します」
たわいのない会話だが、若いせいか食事に誘われる事が多かった。
将来有望株と思われたのだろうか?
断る口実はいつも同棲相手の話だった。
同棲していると聞くと、彼女と勘違いして遠慮してくれるので実に
ありがたい。
利久斗は昔に比べて可愛さは抜けて、優男といった感じになっていた。
体のラインは細いまま、筋肉は全くついてくれなかった。
白衣を着ると、先生っぽく見えるが、最初の飲み会でウィッグ被ったら、
女医だなと、茶化された。
確かに、そう見えなくもない…。
髭は似合わないのできちんと剃るし、もともと薄いせいかそこまで
目立たない。
腕や足、秘部の毛は優馬が剃ってくるのでつい、任せてしまっている。
そのかわり、温泉など多数の人間のいる場所で脱げ無くなってしまった。
脇も秘部もツルツルに剃られているので、恥ずかしくて行けないのである。
代わりに、旅館などで個室に風呂のあるところを選んで連れて行ってくれた。
そろそろ優馬との関係をはっきりさせなければと思い始めていた。
卒業と共にカミングアウトしようという、優馬に待ったをかけて早一年。
覚悟を決めて前へ踏み出す勇気がない自分に、腹立たしくなった。
前みたいに自分の前から居なくなるんじゃないか?とか
自分より好きな女性が出来て捨てられるのではないか?とか
不安がよぎるとキリがなかった。
患者の案内をしつつ、先生の往診につきあい1日を終える。
職場では、帰りにみんなで飲みにいく事で盛り上がっていた。
同僚 「田嶋先生~、今日どうっすか?」
リクト「いや、家で待ってるので…」
同僚 「いいっすね、彼女いて。羨ましい~」
リクト「はははっ…では、お先に~」
ロビーに降りると待ち合い室で座っている男性の前を横切った。
何故か、気になっしまい、たまたま振り返ると、椅子から崩れ
落ちるところだった。
顔色も悪く、呼吸も荒かった。
腹部が痛いのか押さえていた。すぐに電話で医者を呼ぶ。
リクト「すいませーん、ストレッチャーお願いします」
ロビーで声をかけると、近くの看護師がストレッチャーを持って
来てくれた。
患者の意識が薄れていく瞬間、利久斗の手を強く握ってきた。
(見つけた!俺の…)
利久斗は必死に痛みを訴えているのかと思い、優しく握り返した。
患者はストレッチャーに乗せて診察室へと運ばれる。
林医者「田嶋、見立てはどう思う?」
リクト「はい、痛みが腹部にあると思われ、触診からは確信は
ありませんが急性虫垂炎の可能性があるかと」
林医者「その可能性があるな!検査は何をした?」
リクト「超音波とCTの連絡を入れました。」
林医者「上出来だ。」
会話が終わると準備が出来たと連絡が入ったのだった。
ヒトミ「ありがとうございます。また、契約したくなる様に
頑張ります」
ユウセイ「それは、期待しておこう。主にモデルは女性が多いが、
俳優も撮る事になるから、わかっておいて欲しい。
セクハラ発言や、怒らせる事のない様に頼むよ。うち
のモデル達はわがままな子が多くてね」
ヒトミ「心得ています。」
ユウセイ「話は変わるが、三宅くんの友達に是非会って見たい
のだが?いいかな?」
ヒトミ「個人的な友人ですので。忙しいので、無理ですよ」
ユウセイ「それは残念。もし良ければ、個人的にお付き合いも
したいのだが?」
ヒトミ「それは、モデルの事が気になると言うことでしたら、
何も言いませんよ。プライバシーの侵害になりますから。」
ユウセイ「芸能人として活躍できるって言っても?」
ヒトミ「そうです、か…彼女は興味がないそうです。それに
彼氏もいるようですし、静かにしておいてあげて下さい。」
契約書にサインをすると、コピーし契約は終了した。
ここまでガードが堅いとは思っていなかったようで、悠星は多少苛
立ちを感じていた。
せめて会うチャンスさえ有れば、彼氏と別れさせ芸能界デビューも
させられたと言うのに…。
一人で愚痴を漏らしつつコーヒーを飲み終わり会計に行くと、ウエイ
トレスの女性が自らを売り込んできた。
もちろん断った。自分が見つけた原石ならいざ知らず、芸能界に憧れ
るだけの女に興味はなかった。
女優だけじゃなく、俳優も売り出しはするが、そこまで
稼ぎ頭になる事はなかった。
なので、どうしても女性の方に力を入れてしまう。
(そういえば、さっきの男、個展で会ったのか…確か隣に友人がいた
はずだが…)
物静かな子だった気がする。
顔は覚えていなかった。思い出そうにも思い出せなかった。
それもそのはず、声をかけられた時に優馬が後ろに隠すように答えて
そのまま立ち去ったからだった。
(まぁ、男に興味はないからいっか!)
あれから一年、利久斗は無事卒業して今は病院で研修医として働い
ていた。
主に雑用と看護師と同じ仕事をしている。
手術の時だけ、先生の側で観察させてもらえるという特権付きだった。
看護師 「田嶋先生、そろそろ慣れました?」
リクト「えぇ、まぁ。まだまだ皆さんに迷惑かけてますけどね~」
看護師 「ふふふ。よくやってると思いますよ。今日、ご飯などいか
がですか?」
リクト「すいません。同棲してる人と約束があるので」
看護師 「あら、手が早いんですね~。ちゃんと結婚してあげてくだ
さいね」
リクト「ははは、善処します」
たわいのない会話だが、若いせいか食事に誘われる事が多かった。
将来有望株と思われたのだろうか?
断る口実はいつも同棲相手の話だった。
同棲していると聞くと、彼女と勘違いして遠慮してくれるので実に
ありがたい。
利久斗は昔に比べて可愛さは抜けて、優男といった感じになっていた。
体のラインは細いまま、筋肉は全くついてくれなかった。
白衣を着ると、先生っぽく見えるが、最初の飲み会でウィッグ被ったら、
女医だなと、茶化された。
確かに、そう見えなくもない…。
髭は似合わないのできちんと剃るし、もともと薄いせいかそこまで
目立たない。
腕や足、秘部の毛は優馬が剃ってくるのでつい、任せてしまっている。
そのかわり、温泉など多数の人間のいる場所で脱げ無くなってしまった。
脇も秘部もツルツルに剃られているので、恥ずかしくて行けないのである。
代わりに、旅館などで個室に風呂のあるところを選んで連れて行ってくれた。
そろそろ優馬との関係をはっきりさせなければと思い始めていた。
卒業と共にカミングアウトしようという、優馬に待ったをかけて早一年。
覚悟を決めて前へ踏み出す勇気がない自分に、腹立たしくなった。
前みたいに自分の前から居なくなるんじゃないか?とか
自分より好きな女性が出来て捨てられるのではないか?とか
不安がよぎるとキリがなかった。
患者の案内をしつつ、先生の往診につきあい1日を終える。
職場では、帰りにみんなで飲みにいく事で盛り上がっていた。
同僚 「田嶋先生~、今日どうっすか?」
リクト「いや、家で待ってるので…」
同僚 「いいっすね、彼女いて。羨ましい~」
リクト「はははっ…では、お先に~」
ロビーに降りると待ち合い室で座っている男性の前を横切った。
何故か、気になっしまい、たまたま振り返ると、椅子から崩れ
落ちるところだった。
顔色も悪く、呼吸も荒かった。
腹部が痛いのか押さえていた。すぐに電話で医者を呼ぶ。
リクト「すいませーん、ストレッチャーお願いします」
ロビーで声をかけると、近くの看護師がストレッチャーを持って
来てくれた。
患者の意識が薄れていく瞬間、利久斗の手を強く握ってきた。
(見つけた!俺の…)
利久斗は必死に痛みを訴えているのかと思い、優しく握り返した。
患者はストレッチャーに乗せて診察室へと運ばれる。
林医者「田嶋、見立てはどう思う?」
リクト「はい、痛みが腹部にあると思われ、触診からは確信は
ありませんが急性虫垂炎の可能性があるかと」
林医者「その可能性があるな!検査は何をした?」
リクト「超音波とCTの連絡を入れました。」
林医者「上出来だ。」
会話が終わると準備が出来たと連絡が入ったのだった。
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