好きになっていいですか?

秋元智也

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53 正義と涙と

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利久斗が新宿の駅に着くと、改札口の向こうで樹が手を振っていた。

 イツキ「りく~、こっちだ!」
 リクト「おまたせ~、ごめんね、ちょっと遅くなっちゃたかな?」
 イツキ「いや、俺もさっき来たところだから。」

樹はまずはご飯にしようと利久斗の手を握ると行きつけの店に連れて
いった。

 リクト「相変わらず、ラーメン好きだよね~。」
 イツキ「そうだなー。どうしてもこっちに来てからはここばっかり
     だよ」
 リクト「栄養偏るよ!」
 イツキ「そうだな~、だったら作りに来てくれよ。料理って苦手
     なんだよ」
 リクト「…忙しいんだって。まぁ、たまになら?行ってあげても
     いいよ」
 イツキ「助かる。」
 リクト「どうせ、冷蔵庫の中はビールばっかりじゃないよね?」
 イツキ「バレたか。」

呆れた顔の利久斗は久しぶりに見た気がする。
どんな表情も新鮮で、肌に触れたいと思ってしまう。こんなに近く
にいるのに触れられないのがもどかしかった。
食べ終わると、樹の住んでるアパートへ向かった。
部屋の中はちゃんと片付けられていて、壁には警察官の制服がかけ
られていた。

 リクト「本当に、警官なんだね~。」
 イツキ「疑ってたのかよ。ショックだぞ~。」
 リクト「ごめん、ごめん。ちょっと意外だなって」
 イツキ「着て見せようか?どれだけ俺が真面目にやってるか見せ
     てやるよ」

そういうと制服を身につけた。
意外と似合っていて、利久斗も驚いていた。

 リクト「へー。似合うね」
 イツキ「だろ?」

そういうと手錠を見せると利久斗の腕にかけた。

ガッチャン。

金属のはまる音がして、冗談だと思い逃げようとしない利久斗の腕
と樹の腕とを一緒に拘束した。

 イツキ「こうやってはめると逃げられないだろ?」
 リクト「なんか本物って結構重いんだね。外すには鍵?」
 イツキ「うん。そう。この鍵で開けれるんだ。」

そういうと鍵を玄関の方に投げた。

 リクト「…樹?」
 イツキ「…」
 リクト「ねー。樹どうしたの?なんかおかしいよ?」

返事をしない樹に不思議に思い玄関に投げられた鍵を取ろうと立ち
上がろうとしたところで、今樹と繋がっている事に気がついた。

 リクト「ほら、鍵取りに行くから~、樹も立って」
 イツキ「なんで?なんでなんだよ」
 リクト「樹?どうしたの?何かあった?」
 イツキ「あぁ、そうだな…あったよ。」

言うや否や腕ごと利久斗を引っ張ると引き寄せた。バランスを崩し
床に転がる利久斗を床に固定して上から覆いかぶさった。

 リクト「樹…冗談だよね…?」
 イツキ「冗談でナニするかわかるか?」
 リクト「…ねぇ、離してって…」
 イツキ「離さない。ずっと言いたかったんだ…それなのに…」

利久斗のシャツの中に手を入れるとまくりあげた。
白い肌には昨日の痕が無数に付いていた。それを見れば何があった
のか誰しもがわかるだろう。
樹は顔をしかめると痕の上にさらに噛みつく様に痕を残した。

 リクト「いやっ…やめてったら…」
 イツキ「本気で退けてみろよ。じゃないとこのまま続けるよ?」

最初は驚いていたのが、今では哀れみの様な視線に耐えられず次の
言葉を塞いだ。
近くにあったハンカチを口に詰め込むと反論を封じた。
前をはだけさせると、ズボンのチャックを下ろし脱がせた。下着は
やはりぴったりと体にフィットしたもので前だけを覆う形だった。
まるで後ろから入れて下さいとでも言うような形に苛立ちを覚えた。

 リクト「んん~~~ん~~~」

何か言いかけているのを無視して組み敷いた体を反転させると背中を
膝で抑えると空いてる方の腕でパンツの紐の間から見える秘部を左右
に割り、指を差し入れた。

 リクト「ん!!んっ~~ん~~んん~~」

抵抗が強くなるが樹にとってはなんとでもできる程度だった。

 イツキ「りく、なんでこんなにいやらしい下着履いてんだよ。
     これじゃーまるで…」

左右に何度も首を振って訴える姿は、樹にとって興奮剤でしかなかった。

 イツキ「俺さ、りくがいなくなってさ~すっごく寂しかったんだ~、
     なんかポッカリ穴が空いたみたいでさ。埋めさせてよ」

中で指が蠢きかき回す。数を増やし慣らしていく。
だが昨日散々やった行為は中を解けさせ、簡単に飲み込んでしまう程に
なっていた。
次第に塗れ始め、ローションの代わりとばかりに唾液を指に絡めると勢い
よく前後左右に動かした。
くちゅくちゅと水音が響き利久斗の背がしなる。
奥の少し手前を何度も擦ると、その度に痙攣したようにビクビクと体を
震わせた。

 イツキ「ここが気持ちいいのか?」

聞いても答えなど返ってこない。
左右に頭を振るだけであった。

 イツキ「なんでなんだよ…俺じゃダメなのかよ」

嗚咽混じりの樹の声に利久斗は顔を上げ、振り返った。
苦しそうな声、表情からどうしても目が離せなかった。
駄々をこねる子供の様な樹をギュッと抱きしめてあげたいが、今は何も
できない。
樹はそんな利久斗の想いを察したのかおもむろに中を掻き回す。
樹のズボンの中では、苦しそうに膨れ上がった物が主張し始めていた。

 リクト「んっ…んんっ…!…んっ…んっ…」

声が出ない代わりにうめき声が溢れる。
早いリズムで出し入れされて、体がついていけない。足を高く持ち上げ
られ、仰向きにさせられた。

 イツキ「ここに入れられて、感じるのかよっ…いつの間にそんな…」

利久斗の頬に涙が伝う。
過去に監禁生活から助けてくれたのは樹と竜也だった。
なのに…今は利久斗を拘束するのは、その樹だった。
もがいても、がっしり抑えられて逃げる事も出来ない。
でも、このまま逃げたくもない。
幼馴染が何故こんな事をするのか知りたかった。
前立腺を何度も刺激され利久斗自身も張り裂けんばかりに勃ちあがって来
ていた。
腕を繋がれているので、樹自身も片手でしか弄れなかった。
自身を突き入れたい衝動はあるが、それをすると止められる自信がなかった。
今は指だけで、何度も刺激をすると、奥へ奥へと出し入れし、腕ごと入っ
ていく。
身悶える利久斗の姿に興奮が止まらない自分に気づく。
何にも興味を持てなかった樹が夢中になれる事だった。
ジタバタともがく姿を目に焼き付ける様にゆっくりと腕ごと差し入れ、
抜き出した。
するといきなりインターホンが鳴り、続いてドアがドンドンと叩かれる
音がしていた。
利久斗を抑えると物音を立てない様にすると、今度はドアを蹴りつける
音がけたたましく聞こえてきた。
すると次の瞬間大きな音と共にドアが吹っ飛び、侵入者が入ってきた。
警官の制服をきた樹は玄関を見るとそこには仁王立ちした影が立っていた。
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