好きになっていいですか?

秋元智也

文字の大きさ
80 / 89

80 なんでしてくれないの?

しおりを挟む
毎晩のように優馬と樹は利久斗が風呂に行くというと交互
に連れ添っては中で何度もイかされた。

 リクト「もう、いいから一人でゆっくり入らせてよ」
 イツキ「ゆっくり入ればいいだろ?ほら、風呂行くんだろ?」
 リクト「だーかーらー。なんで一緒なの?」
 イツキ「大きめの浴槽だから狭くはないだろ?」
 リクト「そういう事じゃなくて~。」

当たり前の事をなぜ聞くんだとばかり惚けてくる。

 イツキ「ほら、早く脱いで入らないと体が冷えるぞ」

いいように丸めこまれ、一緒に入ると体を洗い温まったあたりか
ら手つきが怪しくなってきて、気づいた時にはトロトロに溶かさ
れている。
下半身はいつもの様に元気に勃ちあがり、刺激を待っている。
お湯で泡を流すと、いつもの様に股を開きその間に樹は入り込む
と利久斗自身を口に咥えた。
口の中は暖かくてザラザラした舌が絡みつきイイトコロを直に刺激
してくる。
出しても何度もイかされ、湯船に浸かる時には、疲労感でゆっくり
浸かっていられる状態じゃなくなっていた。
タオルで体を拭いて貰い、ベットへと運ばれる。
そんな毎日を変えたくて何度も一人で入りたいと言っているのだが、
聞き入れてくれなかった。
次の日こそと思い早めに湯を沸かし、入る準備をしていると優馬が
その日に限って早く帰ってきていた。

 ユウマ「風呂か!一緒に入るか?」
 リクト「一人で入るからいい」
 ユウマ「そういうなって。ほら、入ろうぜ」

上下のスウェットを脱がされると、中に引っ張られて一緒に入り事に
なってしまった。
入念に体を洗うのと同時に体の隅々まで揉み解されて、ただのマッサ
ージだと言うのに下半身が反応してしまう。

 ユウマ「どうした?あ~勃ってきたのか。後で処理してやるな」
 リクト「いい。自分でするからいい。」
 ユウマ「反応するのは悪い事じゃないぞ。いいから任せとけって」

利久斗が眠っていた間も身体が固まらない様に血流を流す意味で毎日
夜と朝にマッサージを行ってくれていたのは優馬だった。
母親から教えて貰って毎日やっていたと聞かされた。
今でも、風呂の時間を使って揉み解してくれる。

 ユウマ「まだまだ細いよなぁ、ちゃんと食えよ」
 リクト「食べてるって。最近やっと普通のものが食べれるようにな
     ったんだから、無理言わないでよ。」

そう、最近点滴を減らし流動食を終えて、固形物も食べれる様になっ
たばかりだった。

 ユウマ「よし、流すぞ」
 リクト「うん。」

ゆっくりと湯船に浸かると後ろから抱きしめるように優馬が首元に舌
を這わせる。
前に回される腕も利久斗の下半身をそっと包むとゆっくりと扱き出す。
確かにゆっくりと入りたいけど、湯船の中でゆっくりした手つきで扱
くので一気に競り上がる事はなく、持続的に快楽が昇り詰めていく。

 リクト「はぁ…あっ…あぁ…いっ…やっ…もっと…激しくしてっ…」

自分からねだってしまうほどもどかしく触られると、腰を揺らして優馬
の元気なモノへと擦りつけてしまう。

 ユウマ「なに?やらしい事言ってる?これもマッサージだって」

そう言って、乳首の周りを焦らすように触れ、お尻の中に指を入れ中
の奥。いつも感じるところを軽く押してやる。

 リクト「あぁぁっ…そこっ…いいから…もっと…」

一度知ってしまうと止まらない。腰を浮かせて自分から指を誘う。
しかし、いつもイかされるのは利久斗の方だけだった。
利久斗が目覚めたあの日以来、利久斗を抱こうとはしなかった。
ただ何度も何度も気持ちいい様にイかされて、ベットへと連れて行って
くれる。
今だってお尻に指を入れる事はするけど、大きくしてる自身を決して入れ
る事はしなかった。
なんだか寂し気がした。
利久斗の事を心配してくれているのはよくわかるけど。
だからと言って利久斗には我慢は身体に毒だと言っておきながら自分達は
我慢しているのだ。
そんな彼らの思いが辛くて、苦しくて仕方が無かった。
ある日置き手紙を置いて、昼間のうちに家を出た。
昼の公園は静かなもので、ベンチに座ると心地よい風が吹いていた。
もう、春の装いに公園の桜の木には蕾がところどころに付いていた。

 リクト「お花見…したいな~。今年はゆっくり出来るといいな~。」

空を仰ぐと雲一つない晴天だった。
激しい運動は出来ないけど、多少の散歩なら動いても平気だった。
家にずっと篭ってばかりだったせいか近所の公園や街並みも見たことが
なかったのだ。

 『ねーねーお兄さん?青姦ご希望なら付き合うよ』

横からの声にびっくりして振り向くとそこには警察官の制服に身を包んだ
樹が立っていた。

 リクト「結構だよ。うちにいるので間に合ってる」
 イツキ「あんまり一人で出歩くなよ。この辺も物騒だからな」
 リクト「分かってる。もう、帰るよ。」
 イツキ「送ってくよ」

家まで送る気でいるらしい。

 リクト「ねー、青姦希望って言ったら、ヤるの?」

利久斗の意外な質問に樹は一瞬驚いた顔をしたが、真顔になると利久斗を
立たせると家へと手を引いて歩きだした。
まずい事を言ってしまったのだろうかと、心底不安になったが、どうして
も気になったので言ったのだ。公園を出たところで、手を振り払うと樹を
睨みつけた。

 リクト「いつも僕ばっかりじゃん。なんで前みたいに抱かないの?もう
     飽きたの?知らない男達に抱かれた身体なんて、汚らわしい?」
 イツキ「なんで、その事を…記憶が?」
 リクト「違う。こないだ来た三宅さんに聞いた。どうして二人がこんなに
     よそよそしいのかって。もう、僕に構わなくてもいいから。ほっ
     といてよ!抱く価値もないんだろ!」

道でうずくまって泣き出す利久斗を樹は引き寄せるが、それを振り払った。

 イツキ「そんなつもりはない。りくは汚くなんてない!」
 リクト「だったら…なんで?抱きたくないんだろ?」
 イツキ「違う!違うんだ!」
 リクト「だったら証明してっ!ここで!」
 イツキ「なっ!俺は仕事中だって…」

自分の意思を曲げない利久斗を恨めしく思いながら自分達がどれだけ我慢
しているかをなぜ察してくれないのかと少し苛立った。
真っ直ぐ見つめる瞳に自尊心を掻き乱されやけくそに声を荒げた。

 イツキ「あーーー!分かったよ、来いよ」

道には誰もいない。今の会話を聞くものもいない。
樹は舌打ちをすると公園の奥の茂みに利久斗を連れて行った。
ずっと抱くのを我慢して来たのに、人の苦労も知らず言いたい放題言われ
て、腹立たしくもあった。

 イツキ「りく、お前が言ったんだからな!」

それだけ言うと幹に体を押し付けると、利久斗の唇を激しく吸い上げた。
何度も何度も執拗に舌を絡ませる。その間にズボンを脱がせると、尻の割
れ目に指を突き入れる。
ポケットに入っていたゴムを取り出すと、封を切って口に咥えたまま利久斗
を座らせる。

 イツキ「入れて欲しけりゃ、舐めろよ。しっかり勃たせてみろよ。毎晩
     俺らがやってるだろ?」
 リクト「う…うん。」

少し怯えたように利久斗は樹のモノにしゃぶりついた。
少し自分の言った言葉に後悔していた。怒らせたのだろうか?
でも、今のまま何の進展もないよりマシかもしれないという思いで必死に奉仕
したのだった。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

上司、快楽に沈むまで

赤林檎
BL
完璧な男――それが、営業部課長・**榊(さかき)**の社内での評判だった。 冷静沈着、部下にも厳しい。私生活の噂すら立たないほどの隙のなさ。 だが、その“完璧”が崩れる日がくるとは、誰も想像していなかった。 入社三年目の篠原は、榊の直属の部下。 真面目だが強気で、どこか挑発的な笑みを浮かべる青年。 ある夜、取引先とのトラブル対応で二人だけが残ったオフィスで、 篠原は上司に向かって、いつもの穏やかな口調を崩した。「……そんな顔、部下には見せないんですね」 疲労で僅かに緩んだ榊の表情。 その弱さを見逃さず、篠原はデスク越しに距離を詰める。 「強がらなくていいですよ。俺の前では、もう」 指先が榊のネクタイを掴む。 引き寄せられた瞬間、榊の理性は音を立てて崩れた。 拒むことも、許すこともできないまま、 彼は“部下”の手によって、ひとつずつ乱されていく。 言葉で支配され、触れられるたびに、自分の知らなかった感情と快楽を知る。それは、上司としての誇りを壊すほどに甘く、逃れられないほどに深い。 だが、篠原の視線の奥に宿るのは、ただの欲望ではなかった。 そこには、ずっと榊だけを見つめ続けてきた、静かな執着がある。 「俺、前から思ってたんです。  あなたが誰かに“支配される”ところ、きっと綺麗だろうなって」 支配する側だったはずの男が、 支配されることで初めて“生きている”と感じてしまう――。 上司と部下、立場も理性も、すべてが絡み合うオフィスの夜。 秘密の扉を開けた榊は、もう戻れない。 快楽に溺れるその瞬間まで、彼を待つのは破滅か、それとも救いか。 ――これは、ひとりの上司が“愛”という名の支配に沈んでいく物語。

  【完結】 男達の性宴

蔵屋
BL
  僕が通う高校の学校医望月先生に  今夜8時に来るよう、青山のホテルに  誘われた。  ホテルに来れば会場に案内すると  言われ、会場案内図を渡された。  高三最後の夏休み。家業を継ぐ僕を  早くも社会人扱いする両親。  僕は嬉しくて夕食後、バイクに乗り、  東京へ飛ばして行った。

吊るされた少年は惨めな絶頂を繰り返す

五月雨時雨
BL
ブログに掲載した短編です。

魔王の息子を育てることになった俺の話

お鮫
BL
俺が18歳の時森で少年を拾った。その子が将来魔王になることを知りながら俺は今日も息子としてこの子を育てる。そう決意してはや数年。 「今なんつった?よっぽど死にたいんだね。そんなに俺と離れたい?」 現在俺はかわいい息子に殺害予告を受けている。あれ、魔王は?旅に出なくていいの?とりあえず放してくれません? 魔王になる予定の男と育て親のヤンデレBL BLは初めて書きます。見ずらい点多々あるかと思いますが、もしありましたら指摘くださるとありがたいです。 BL大賞エントリー中です。

鎖に繋がれた騎士は、敵国で皇帝の愛に囚われる

結衣可
BL
戦場で捕らえられた若き騎士エリアスは、牢に繋がれながらも誇りを折らず、帝国の皇帝オルフェンの瞳を惹きつける。 冷酷と畏怖で人を遠ざけてきた皇帝は、彼を望み、夜ごと逢瀬を重ねていく。 憎しみと抗いのはずが、いつしか芽生える心の揺らぎ。 誇り高き騎士が囚われたのは、冷徹な皇帝の愛。 鎖に繋がれた誇りと、独占欲に満ちた溺愛の行方は――。

後宮の男妃

紅林
BL
碧凌帝国には年老いた名君がいた。 もう間もなくその命尽きると噂される宮殿で皇帝の寵愛を一身に受けていると噂される男妃のお話。

やっと退場できるはずだったβの悪役令息。ワンナイトしたらΩになりました。

毒島醜女
BL
目が覚めると、妻であるヒロインを虐げた挙句に彼女の運命の番である皇帝に断罪される最低最低なモラハラDV常習犯の悪役夫、イライ・ロザリンドに転生した。 そんな最期は絶対に避けたいイライはヒーローとヒロインの仲を結ばせつつ、ヒロインと円満に別れる為に策を練った。 彼の努力は実り、主人公たちは結ばれ、イライはお役御免となった。 「これでやっと安心して退場できる」 これまでの自分の努力を労うように酒場で飲んでいたイライは、いい薫りを漂わせる男と意気投合し、彼と一夜を共にしてしまう。 目が覚めると罪悪感に襲われ、すぐさま宿を去っていく。 「これじゃあ原作のイライと変わらないじゃん!」 その後体調不良を訴え、医師に診てもらうととんでもない事を言われたのだった。 「あなた……Ωになっていますよ」 「へ?」 そしてワンナイトをした男がまさかの国の英雄で、まさかまさか求愛し公開プロポーズまでして来て―― オメガバースの世界で運命に導かれる、強引な俺様α×頑張り屋な元悪役令息の元βのΩのラブストーリー。

邪神の祭壇へ無垢な筋肉を生贄として捧ぐ

BL
鍛えられた肉体、高潔な魂―― それは選ばれし“供物”の条件。 山奥の男子校「平坂学園」で、新任教師・高尾雄一は静かに歪み始める。 見えない視線、執着する生徒、触れられる肉体。 誇り高き男は、何に屈し、何に縋るのか。 心と肉体が削がれていく“儀式”が、いま始まる。

処理中です...