サバイバルゲーム

秋元智也

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勝利者

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「お宅らは5人で参加してたんだろう?それが3人になっちまった訳だ。なら2人になれば願いの数も増えるってもんだ。」
「どうでもいいけれど、その薄汚い足を退けなさい。頭に風穴が空くわよ。私は誰がどうなろうと、かまわない。そう思ってた。目的さえ成し遂げられればいいと思ってた。けど、今は違う!目的も仲間も一緒に守りたいって思うようになったの!それにあなたは絶対に許さない。」
「おいおい、いいのかよ。俺を撃てばコイツだけは巻き込んでやるぜ?」
「なら、撃ってみなさいよ!」
「おい、なに考えてっ!?」
その時足を掴まれた事に驚き、下を見ると必死に足を押さえ、右手にはハンドガンを構えてこちらに向けていた。
「このっ死に損ないが!」
パン。パン。
優に向けられた銃がいきなり吹き飛び、優の撃った弾が男の左肩をえぐった。
陰から見ていた紗耶香が敵の武器をはじき飛ばしたのだった。
美弥はその機を逃すことなく敵に向けて撃ちはなった。
「仲間は裏切るものじゃない。助け合うものよ!」
ダダダッ。ダダダッ。ダダダッ。
ドサッ。と音をたてて絶命した。
生存人数4人となり、点滅したかと思うと時計の画面にwinnerと画面に写るとデータをローディング中と標示された。
美弥は武器を落とすと優の側に駆け寄った。
「良かった。生きてて良かった。」
涙を浮かべるとぎゅっと抱きついた。
優はずっと足手まといだったことが一番悔やまれた。
ホントならすごく嬉しい事なのだが、今はそんなに喜べない。
自分は香奈の犠牲のもと、生きているのだから・・・。
「ごめんな。俺のせいで、カッコ悪りーな。皆で生きていたかったんだ。ただそれだけなのに・・・」
「ううん。優くんのせいじゃないよ。こうして私達は生きてる。香奈も願ってた事だもん」
「でも・・・」
二人を見守っていた紗耶香が突然吠えた。
「だああああーーーー!煮えきらないね!あんたたちは生き残ったんだ。死んだことを悔やまれたら、浮かばれないだろう?それに、今から生き返らせられるかもだろ?うじうじしてんじゃないよ!男が情けないね~?」
そらから4人は光に包まれると気がついたら真っ白な部屋で気を失っていた。


「うん?ここはどこだ?」
優は目を覚ますと辺りを見回した。誰もいない。たった一人だったのだ。
「皆は?・・・まさかっ・・・!」
すると後ろらか足音が聞こえてきた。
そちらを振り向くと一斉に明かりがついたように明るくなった。
はっきり見えるようになってから周りを見回すとそこには美弥、澪、紗耶香の姿があった。
ほっとしたのも束の間、目の前には最初にあった少年が立っていた。
「あんたは・・・約束は守ってもらうからな!」
満足げに微笑むと横からサエと呼ばれた少女がスウッと出てきた。
ビクッと後ずさると何がおかしいのが笑われてしまった。
「優勝おめでとうと、言いに来たのだよ。さぁ、願いを言ってみてくれ!」
優はあることに気付き鞄を探した。中に入っているはずのものを探したが見つからなかった。
「待ってくれ。確かここにあったはずなんだ。アレ?」
「探しているのは蘇生アイテムかな?それは使われて今はないはずだよ。私達はモニターで君達の事を見ていたからね。良いものを見せて貰ったよ。大穴とはこの事だよ。この賭けは私の一人勝ちだったよ。実に愉快だ」
「何を?・・・言ってる?」
「君は知らないか?なら、説明してあげよう。いつ、誰に使われたのかもね?」
そう言って嬉しそうに話し出した。
その時は調度、崖を車が突っ込んできた時の出来事だった。
優の失態でまともにスタングレネードを食らってしまった時に香奈が奮闘してくれたのだ。
銃声は聞こえていた。何発も、何発も。
段々と近づいてくるのは分かっていた。
目の前もくらくらして立っているのもやっとで、それでも無理にでも戦わなくてはならなかったんだ。
腰のバンドからナイフを取り出して足に刺した。
痛みで感覚が戻ると澪が話していたのを聞いたからだ。
実際に試すとは思わなかったが、そうでもしないと銃口すらまともに向けられなかったからだ。
そして香奈の声がはっきりと聞こえたとき引き金を引いた。
とにかく下から上に連射した。手応えはあった。
と、思う。がそこで記憶が途切れていた。
その先は、香奈は・・・もう、思い出したくもない。
「そこで、記憶が途切れたのには訳があるんだ。君は撃たれていたんだよ、敵にね。」
「・・・う・嘘だっ・・なら、俺は・・・・」
「そうだよ。そこで一回死んだんだよ。それで彼女は慌てて君の鞄を漁った。そして見つけた小瓶を口に含み君に飲ませた。という訳だ、しかし運良く回復中に手榴弾が爆発した。そうでなければ、君の体もかなりの欠損があるはずだからね?」
「・・・そんなっ・・・嘘だ、嘘だ、嘘だ!」
頭を抱えるとその場に崩れた。
動いて分かったことだが、さっきまでの傷や痛みは引いていて、この場に来た時に全て治っていた。
横から肩に手を掛けられた瞬間無意識に振り払ってしまった。
パシッ。と軽い音がして振り向き様に紗耶香が横に来ていたことに気付いた。
「ご、ごめん。そういう訳じゃ・・・」
「分かってるよ。そう落ち込むなって、あたしの時みたいに出きるんだろう?」
少年の方を振り向くとコクりと頷いて見せた。
「二度目の蘇生は無理だが一度目ならいけるよ。君の願いはどうするんだい?」
紗耶香は迷うことなく香奈の蘇生を願い出た。
サエが下に手を添えると魔方陣が浮かび上がり香奈の体がゆっくりと出来上がっていった。
光と共に蘇生され、光が消えるとゆっくりと目を開いた。
「かっ・・な・・・、香奈!」
ゆっくりと優は側により、ぎゅっと抱き締めた。
「ばかっ。死ぬやつがあるかよ。何で俺なんか庇ったんだよ。バカだよお前は・・・」
「えっ・・・っと、これはどうゆう状況なか?って。」
頬をポリポリとしながら状況説明を紗耶香に求めた。
抱き締められるのは嬉しいが、バカと連呼されるのはちょっと気分的に嫌かも。
しかも、バカにバカと言われると腹が立つってもんだった。
「バカなのはあんたの方でしょ?それに、あんたがさっさと殺されるのが悪いわ」
「うっ・・・」
「それに、何?スタングレネードで自分もダウンしました?ばっかじゃないの!戦闘中に何て事を仕出かしてんのよ!聞いてるの?」
逆に怒鳴り散らされ優は何も言えなくなった。






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