爆発したら、転生してた~元○○の転生記~

鑑定漢

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1章 最初の街まではチュートリアル

ようこそ街へ!もしくは、初めてのお客様?

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新たなスキルは みかくぐち と書くのだろうか?分からなければ、詳細を調べればいいか、どれ……


味覚口【スキル】:口が無い生物でも疑似的に咀嚼、飲食が出来る口を作る。このスキルは使う度にスキル経験値が付与される。スキル経験値が溜まるほど、人間らしい食べ方になる


おや?レベルアップとやらの上昇以外に新しい単語が出てきたな?


スキル経験値【用語】:一部のスキルを使いこなすために付与される経験値。スキル経験値が一定以上で動作や行動が上昇するものにある事が多い


察するに、鍛冶や陶芸などに付与されるのがこちらで、刀の扱いなどはレベルアップとやらの方と言ったところであろうか?
とにかく試しに使ってみる事にする。

「味覚口、発動!」

口に当たる部分を触ると、硬質ではあるが、確かに口が出来ている。そういえば、顔見てないな。茶室に客人用の小さな鏡があるので、試しに取って見てみる。

「怖っ!自分の顔、怖っ!」

のっぺらぼうの陶器のように白い顔に口が付いてる。うん、コレは夜道であったら子供でなくても泣くだろうし、何よりめっちゃ怖い。まさに怪談に出てくる妖怪の類である。これが常に発動だったら、多分、自分、人間に討伐されてもおかしくないだろう。

「しかし、まあ、口が無いと茶菓子を決める時に食えないし、うん。まあ、早速お茶を飲んでみよう」

立てた茶を口を付けて飲もうとする。その時、よく説明を見ておけば良かったと思う事態に遭遇する。

ヒュゴゥッッッ!ゴキュッッッ!

「ず熱っちゃあああああああああああああああ!?」

そう、まだスキル経験値がゼロの味覚口は飲み物をゆっくり飲むではなく、まるで芸人のように一気飲みしたのだ。もちろん熱々の湯で作ったお茶を物凄い勢いで吸い込むように一気飲みである……この瞬間だけ、人間では無くて良かったと思う。人間だったら、この安全な庵の中で一人喉焼けて死んでいただろう。女神様、助かりました、はい……

「これはまずい。訓練してから行くか……」

まずいというか、ヤバい。飲み物でコレという事は食べ物も一瞬で消えて喉に通過するという事だ。茶菓子を用意するためにもまずは試食するのは勿論、どういう食べ物があるかのリサーチを行う際に喉詰まらせて死にましたとか冗談どころではない。

「どうするか………あっ…」

目の前の茶釜の火を消し、残った湯を冷ましてから飲む。コレでスキル経験値を得る方法を使い、自分がこの庵を出るのは2~3時間後だった………



「では、向かうか……」

人間ではないお陰その2。水を飲んでもタプタプなお腹にならない、気分が悪くならない事だ。真面目に女神様に感謝である。もし人間だったら、まだ街にもついてないのに、女神様の元へ召されていただろう。信仰心がある訳ではないが、像か何かあればお供えしておこう、そうしよう。で……
とりあえず、今目指しているのは今の人間国家を示す街。どうも魔王とやらが倒されたことで人間とも取引する魔物が居てもおかしくないのが現状らしく、それでいて、大きな街らしい。


「見えてきたな」

大きな門に列が見える。次々街に入っていく列を見て、なんだ大丈夫そう……と思った自分ですが……

「アカン………」

入って、数十分、思わず小さく呟いた自分が居ますよっと……

「聞いてはいたがなあ……」

まず、街に活気はある。ただし、という意味でだ。まず、門前の兵士だ。門の立派さや兵が駐在する空間がある所から見て、魔王が倒される前は厳しい調査などをしたに違いないだろう。しかし、今は皆、素通りである。一応、チラチラこちらを見たりするが怪しかろうが入るまでに問題なければ大丈夫という感じで通している。

次に街の中だ。食物を売る市場や飲食店はある程度は活気はある。それ以外の武器や防具など実戦的な物を売っているであろう店は開けてるだけである。ギルドとやらも閑散としていたのは流石に唖然とせざるを得ない。
食物を売っている店も売り切れたら、補充では無く売り切れたらそのまま畳むといった感じである。それが分かっているのか、客も買ったらそのまま直帰である。活気はあるなのである。

この世界の城と思わしき場所も兵が立っているだ。不審者が居れば捕らえようなどという気概が全く感じられない。なんと、ぺこりと会釈しただけで、城の中に入れてしまい、逆に困惑したほどだ。流石に謁見などは出来なかったが、ある程度自由に歩けるというのは問題ではないだろうか?


「これは、参った……」

街から少し出た所に再びスキルを使い、庵を建てた中で自分は思案する。これは本当に酷い。今はまだ自覚は薄いだろうが、将来的に見れば、国という概念が少しづつ消えていき、最後に残るのはただ、人が生きて死んでを繰り返すだけの世界が出来上がるだろう。

「一体、私に何が出来るのだろうか?」

茶道は人の心を落ち着け、癒す。まだ一応はまともだった頃の主の言である。しかし、あの有様では例え、街中で茶室を出したとしても、中々広められないだろう。そう、例えるなら、大きなコネが要る。
茶を点てつつ、理想的な人間を考える。王族……とはいかずとも貴族にコネがある、そう、例えば商人。あるいは一般市民に大きく顔が広いギルドの者達。

「う~ん……?」

コンコン

「ん?あ、はい」

考えているとノックされる。敵寄らずで敵意、悪意ある者は寄れないという事だから、安全であるのは間違いないだろう。そう考え、扉を開ける。

「失礼します、私はギルド調査員のシャルロットと申します」

出た自分の姿に少し驚いたようだが、すぐに毅然とした金の髪を持った女性が挨拶をしてくれる。うむ、挨拶は大事。それに、あんなに閑散としてたギルドでも仕事はするのだな。

「あ、どうも、ゴーレムのチャキと申します。いかがされましたか?」

「街のすぐ近くに小さな小屋が突如出現したとのことでして、その……一番下っ端の私が調査にとのことで…」

あ…………そうだよ。良く考えたら、どんなに無気力な人間でも何も無いとこに小さな小屋が出来たら詰め所に通報する、自分だってそうするわ……でも、国なんだから国軍が来ず、しかもギルドでも一番下っ端に任せるあたり、相当重症………だよなあ。

「あ、お疲れ様です。これはスキルで作った物でして、何か申請いりましたか?」

「いえ、危険が無いかだけの確認ですので……見た所、本当に危険はなさそうですね、では…」

立ち去ろうとした調査員さんの顔を見て思いつく。良く見ると、化粧が濃い。これは相当なストレスが顔に出ている事を無くすためだろう。ふむ……

「あ、少しお待ちいただけますか?せっかくですから、茶の一杯を馳走させて下さい。これもスキル使ってのものですから、調ですよね?」

「え?はあ、まあ……」

困惑してはいるがスキルと聞いては帰るに帰れなくなったのだろう。うむ、上手くいった。

「ささ、どうぞ。今は茶しか用意できませんが、一杯ぐらいは飲んで帰られてください」

スッと1人分が入れるスペースを空けて、招き入れる準備をする。さて、受けてくれるかな?

「で、では、失礼いたします」

よし!この世界で初めてのお客さんは彼女だった。ここから、少しづつ、輪が広まるなど当時の自分も未来の自分も思わなかっただろう。これが始まりの一杯、始まりの世界の再生であった。
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