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1章 最初の街まではチュートリアル
お客様は神様です(口コミ的な意味で)
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お茶を馳走する前に少し考える。スキルである茶道の事である。スキルの説明には茶道に必要な物が全て用意されると書かれていた。しかし、茶はともかく、お茶菓子については自分が想像した物を用意してくれるか、ランダムか分からない。そこでまずはポピュラーで、疲れにも良いであろう粒餡入りの最中を想像しつつ、スキルを起動してみる事にする。
「茶道、使用」
シャルロット殿が驚いている。まあ、目の前でいきなり服が和服になって、色々物が出てきたら驚くだろう。仕事もあるとの事なので、急ぎ、湯を沸かし、道具を取り出していく。
「シャルロット殿、どうぞ、そこの色が違う所で靴を脱ぎ、楽な姿勢でお座りください」
「は、はい!」
そう言えば、靴を脱ぐ、つまり和室のような概念はこの世界には無いのだろうか?ちょっと慌てているな。これは良い材料だ。靴を脱がずとも良いやり方も覚えなければいけないな。
「湯を沸かすので、しばし、退屈でありましょうが、お待ちください」
「ええ。なんとなく分かりますが、それは?」
彼女が指差したのは、茶粉だ。そういえば、街回ったが抹茶は無かった。しまった、割と茶器としては普通の事なので忘れていたな。
「抹茶という少し苦いですが美味いお茶の葉を粉にしたものです」
「粉に……ですか?」
「これをお湯で溶かし、茶筅というもの、これで混ぜるのですよ」
物珍しく見てくる。まあ、実際に珍しいのだろう。茶葉を乾燥させ、砕くならともかく、完全に粉にする……と言う概念は無いらしい。この調子だと、抹茶などが伝わってるかも怪しい所だ。
お湯が少しづつ、泡立ってきたところで、同時に出た菓子箱を見る。想像した通り、最中が数個入っていた。その一つを食べる事にする。
「味覚口、使用」
うむ。粒餡。これでまずの基本は出来た。次に使う時に別の和菓子を想像しながら出るならば、そういう事なのだろう。甘すぎず、苦すぎずの最中、これなら大丈夫だろう。
お菓子を乗せる和紙と皿を用意して乗せると、丁度、湯が沸いた所だ。同時に出てきた茶器を用意し、まずは茶匙で茶粉を1~2杯。初めての上に苦すぎるのもアレなので、心持ち少なめにする。
「………」
ここからが茶道の難しい所である。練習を何回かしているが、必ずしも、相手の好みに合った混ぜ方が出来るとは限らない。泡を多めにするか少なめにするかでも変わるし、相手は初めて飲む訳である。出来れば好印象である事を願いつつ、決まった所で茶筅を止める。変に凝った所だと良い結果が出ないと思ったからだ。
「どうぞ、お茶と茶菓子です。茶は茶器に口を付けて飲んでくださって結構です。最中は手で持ち上げてお食べ下さい。飲み方、食べ方は作法はありませんから、お好きな姿勢でどうぞ」
「は、はい……」
目は無いが、彼女をじっと見る。さて、失敗か、成功かは五分と五分と言った所か……
「苦っ…………いえ、甘い?いえ、やはり、苦い?これは、不思議です……」
「秘密は泡ですよ。苦い茶ですが泡を立てると不思議と苦い中にある甘みを感じる事が出来るのです」
「このお菓子も不思議ですね。中身は甘いですが外のサクサクした物が中和してくれますね」
「最中というお菓子です。中は砂糖と豆を煮こんだ物、外は小麦を使って焼かれた皮です。どうやら、お疲れのようでしたから、疲れが取れる物を御用意いたしました。御代り、いかがですか?」
「是非、頂きます!」
どうやら、初めてのお客様には大好評だったようだ。少し茶菓子が余ったので。菓子箱に入れて風呂敷で包み、持たせると意気揚々と帰って行った。
ん?あれ?ん?なんか忘れてるような……ま、良いか。ひとまず、シャルロット殿が帰った後で、更に茶を美味しく淹れれる様になるべく、練習を開始するのだった。
「っ?!な、なんだ、コレは、シャルロット!」
「茶菓子、彼……かは分かりませんが、これを持たせてくれたゴーレムはそう呼んでいました」
「………私は、いや、少し前のお前も死んでいたかもしれないな」
「ええ、どういたしますか?」
「……まずは私が各方面にこれを持ち、動く。お前は出来る限り、彼に便宜を図ってやれ。なんだったら、私、ギルドマスターの名を利用しても構わない」
「承知いたしました。あ、でも、1個は私のおやつ用に……」
「残り数からみて、それは却下だ」
「そんな!私がお土産にもらったのに!マスター、手土産と称して更に食べる気でしょう!」
「そ、そんな事はない!無いぞ!」
「それなら、目を合わせてくださいよ!あ、絶対そうする気だったでしょう!」
「へっくしょん!」
おかしいな。ゴーレムなのにくしゃみが出たぞ?う~ん?まあ、そういう事もあるだろう。
このくしゃみの原因がまさか翌日分かるとは全く思っていなかったのは言うまで無い事である。
「茶道、使用」
シャルロット殿が驚いている。まあ、目の前でいきなり服が和服になって、色々物が出てきたら驚くだろう。仕事もあるとの事なので、急ぎ、湯を沸かし、道具を取り出していく。
「シャルロット殿、どうぞ、そこの色が違う所で靴を脱ぎ、楽な姿勢でお座りください」
「は、はい!」
そう言えば、靴を脱ぐ、つまり和室のような概念はこの世界には無いのだろうか?ちょっと慌てているな。これは良い材料だ。靴を脱がずとも良いやり方も覚えなければいけないな。
「湯を沸かすので、しばし、退屈でありましょうが、お待ちください」
「ええ。なんとなく分かりますが、それは?」
彼女が指差したのは、茶粉だ。そういえば、街回ったが抹茶は無かった。しまった、割と茶器としては普通の事なので忘れていたな。
「抹茶という少し苦いですが美味いお茶の葉を粉にしたものです」
「粉に……ですか?」
「これをお湯で溶かし、茶筅というもの、これで混ぜるのですよ」
物珍しく見てくる。まあ、実際に珍しいのだろう。茶葉を乾燥させ、砕くならともかく、完全に粉にする……と言う概念は無いらしい。この調子だと、抹茶などが伝わってるかも怪しい所だ。
お湯が少しづつ、泡立ってきたところで、同時に出た菓子箱を見る。想像した通り、最中が数個入っていた。その一つを食べる事にする。
「味覚口、使用」
うむ。粒餡。これでまずの基本は出来た。次に使う時に別の和菓子を想像しながら出るならば、そういう事なのだろう。甘すぎず、苦すぎずの最中、これなら大丈夫だろう。
お菓子を乗せる和紙と皿を用意して乗せると、丁度、湯が沸いた所だ。同時に出てきた茶器を用意し、まずは茶匙で茶粉を1~2杯。初めての上に苦すぎるのもアレなので、心持ち少なめにする。
「………」
ここからが茶道の難しい所である。練習を何回かしているが、必ずしも、相手の好みに合った混ぜ方が出来るとは限らない。泡を多めにするか少なめにするかでも変わるし、相手は初めて飲む訳である。出来れば好印象である事を願いつつ、決まった所で茶筅を止める。変に凝った所だと良い結果が出ないと思ったからだ。
「どうぞ、お茶と茶菓子です。茶は茶器に口を付けて飲んでくださって結構です。最中は手で持ち上げてお食べ下さい。飲み方、食べ方は作法はありませんから、お好きな姿勢でどうぞ」
「は、はい……」
目は無いが、彼女をじっと見る。さて、失敗か、成功かは五分と五分と言った所か……
「苦っ…………いえ、甘い?いえ、やはり、苦い?これは、不思議です……」
「秘密は泡ですよ。苦い茶ですが泡を立てると不思議と苦い中にある甘みを感じる事が出来るのです」
「このお菓子も不思議ですね。中身は甘いですが外のサクサクした物が中和してくれますね」
「最中というお菓子です。中は砂糖と豆を煮こんだ物、外は小麦を使って焼かれた皮です。どうやら、お疲れのようでしたから、疲れが取れる物を御用意いたしました。御代り、いかがですか?」
「是非、頂きます!」
どうやら、初めてのお客様には大好評だったようだ。少し茶菓子が余ったので。菓子箱に入れて風呂敷で包み、持たせると意気揚々と帰って行った。
ん?あれ?ん?なんか忘れてるような……ま、良いか。ひとまず、シャルロット殿が帰った後で、更に茶を美味しく淹れれる様になるべく、練習を開始するのだった。
「っ?!な、なんだ、コレは、シャルロット!」
「茶菓子、彼……かは分かりませんが、これを持たせてくれたゴーレムはそう呼んでいました」
「………私は、いや、少し前のお前も死んでいたかもしれないな」
「ええ、どういたしますか?」
「……まずは私が各方面にこれを持ち、動く。お前は出来る限り、彼に便宜を図ってやれ。なんだったら、私、ギルドマスターの名を利用しても構わない」
「承知いたしました。あ、でも、1個は私のおやつ用に……」
「残り数からみて、それは却下だ」
「そんな!私がお土産にもらったのに!マスター、手土産と称して更に食べる気でしょう!」
「そ、そんな事はない!無いぞ!」
「それなら、目を合わせてくださいよ!あ、絶対そうする気だったでしょう!」
「へっくしょん!」
おかしいな。ゴーレムなのにくしゃみが出たぞ?う~ん?まあ、そういう事もあるだろう。
このくしゃみの原因がまさか翌日分かるとは全く思っていなかったのは言うまで無い事である。
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