爆発したら、転生してた~元○○の転生記~

鑑定漢

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2章 縁、開店!または、珍客万来

たまには街でお買い物を……

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「という事で、貴方には下っ端だけど、女神の加護が付与される事になります」

「アッ、ハイ」

多分、夢の中というか、何かの不思議パワーの世界だろうけど、自分は自分を送り出してくれた女神ともう一人の上司女神である方とお話していた。送ってくれた女神様とは比較にならないスタイルと神々しさがある。うん、気になるけど、もっと気になる所がある。え~と………

「そちらの送り出してくれた、女神様、確か、ベス様は大根みたいに刺さってるんです?」

「お仕置きしましたから。申し遅れました。私は上級女神のヘスティアと申します」

「は、はあ……」

曰く、自分の茶道=善行で一定ポイント溜まった、というか一定以上を飛び越えて溜まったのに特典となる加護を長らく忘れたまま放置したために、半年間あのままだそうだ。まあ、うん、別に不便とか無かったけど、まあ、仕方ないよね、女神世界では重要なんだろう、きっと……あ、ビクンッて動いた。

「ひとまず、ポイントが800も溜まっておりました所、報告が無かったとはいえ、放置して申し訳ありません」

「えっと、100ポイントで加護が付与……でしたっけ?」

ある程度説明は受けたのを思い出しつつ言う。うん、これは仕置き受けても是非も無いわ……

「ええ。というか、これだけ溜まれば彼女も下位飛び越えて中位女神になれるはずなのですが……忘れてた分、ポイント減が酷かったようですね。それで、どこまで出来るか分かりませんが、貴方の希望をお聞きしようとこちらにお誘いした次第です」

「希望ですか、何でも?」

「はい。かなりの無茶もお答えできると思います。彼女のポイントを使って♪」

あ、ベス様の脚がじたばたしてる。これも仕置きの一環か、恐ろしや…
とは言え、今のところ不便が無いのも確かで希望をと言われても………あ、あった。

「抹茶畑が欲しいです。出来れば世界規模で」

そう、勇者とやらは日本の出だったらしく、色々な物を残していたが、唯一無かったのが抹茶畑である。まあ、若い人間が茶道を極める為に抹茶畑を!なんて考える訳ない。と言うか、抹茶の葉ならともかく、抹茶畑を作ろうという発想に至ったら、完全に高齢の人間の境地だ、うん。

「少し時間がかかりますが、お約束しましょう。それだけでよろしいので?」

「ええ。というか、今のところ不便に感じる部分は無いので」

「分かりました。その謙虚さに免じて、数日以内に必ず成して見せましょう」

あれ?何か女神様の目尻に涙が。え?いつもはそんなにアレな願いとか多いの?人間、改めて怖っ!


「ふ~む、なるほど」

と、そんな事があってから数日、市場にポツポツではあるが抹茶の葉が並び始めた。とは言え、本当に隅っこの方でえらい安く売られていた。なんと10束1つで銅貨1枚である。

(まあ、コレがあの粉になるとか思われんよな……)

自分の茶道のもてなし受けた人間ならともかく、それ以外の人間が抹茶の製粉を行え!などは無理があるだろう。その為、葉の状態で売っているのだが、品質はかなり良い。コレを干して、粉にすれば、スキルの粉にも負けない品質の抹茶の粉が出来るはずだ。

「すいません、コレ、あるだけください」

「あいよ」

店員さんが全てを袋に入れてくれてる内に、他の棚も見る。おや?アレは……?

「ああ、それかい。昔から魚獲ってる時に大量に取れてね。干すと手触りが良いから、物好きが買って行くから置いてんのさ」

「ん?食用ではないのか?」

「え?食うのかい、コレ?」

「え?」

「え?」

いや、コレ、間違いなくアレだよね?意識して作った訳じゃ無いんかい。と言うか、思わず、目が無いけど見つめ合ってしまったじゃないか。

「これ、漁師達も食おうとしたけど食えなかったんだぜ?」

「どんな風に?」

「海藻っぽいから煮込んで食ったらしいぞ」

うん、そりゃ、まずいわ。と言うか、うん、そういう食い方も無くもないが、そのままだと食える訳ない。このはなあ……

「良ければ、変わった物の作り方を教えようか?調理場はあるかな?」

「ほう?この近くに共同の調理場があるぜ。そっちで教えてくれ」

まあ、作るとなればアレ……だよなあ?


ひとまず茶葉を店の方に置いて、店から必要な物を持ってくる。必要なものは、鉄で作った入れ物、ボウルとパッドと言うらしいのを1つずつ、酢。これだけである。

「まずはこいつを水でもみ洗いしてと……」

まず、例の喰い方で不味くなったのはこれを行わなかったからだ。なんだかんだで海藻である、海の成分の塩や細かなごみなどが付着するので、それをもみ洗いで完全に洗い流す。

「よしよし」

次は大きめの鍋にテングサとそれがひたひたになるぐらいの水を入れて火にかける。この時、焦げ付かないようにたまに混ぜるのが大事だ。

「さて、次は……」

「…………」

見学人は先程の商人さんだけかと思ったら、増えとる?!近くの店の商人さんとか調理してた人がじっと見ているけど、こいつは手際の勝負なので、気にしない事にして続ける。
沸騰しそうになったら、酢を適量入れて、今度は沸騰しない程度に煮詰めていく。大体40分ぐらいなので、こっからは忍耐の勝負ともいえる。

「よし!」

時間が来たら鍋を素早く、火から降ろし、熱い内に濾し用の布を付けたボウルに流し込んでいく。布をしっかり絞り、テングサから完全に水分を絞ると、少し色が付いた液体が出来る。それを今度はパッドに流し込み、冷やす。

「すまない、氷室はどこかな?」

「あ、こちらです」

氷室は大抵大きな調理場を扱う所ならある。魔法って便利だな、いつでも氷が出せるというのは最高の贅沢だ。しかも初級魔法らしい。

「これで終わりかい?」

「いや、仕上げがある」

持って来た酢に醤油と砂糖、塩を少々混ぜ合わせる。砂糖と塩は粒が見えなくなるまで混ぜ合わせる、これで三杯酢の完成である。
出来れば、蜜の方でもいいのだが、トロリとした蜜は時間がかかるので今回はこれで勘弁してもらおう。

「さて、後はこれを切ってと……」

本当はアレ、トコロテン突きがあれば良いのだが、まあ、包丁があればやれない事もないので、ぷるりと震えるテングサから出来たトコロテンを麺状に切っていく。

「仕上げにこいつをかけて、ほい、完成。トコロテンという物だ」

「ほう、プルプルしているな」

約束した商人の周りにじっと見つめる人たち。うん、怖いな……

「ほう!美味い!変わった触感だが、つるりと喉に流し込まれるように入っていく!」

「これのポイントは忍耐だ。しっかりと鍋を見守る事、焦がさない事。材料はこのかけた物を除けばこの草と水だけだが、これをしっかり揉み洗いで洗う事を面倒くさがれば不味くなる」

「信じられん……これがあの草で作られた食べ物とは……」

まあ、海藻に似てはいるが、アレをそのまま煮込んで食えば不味い草で、捨て値で売っちゃうよなあ。さて、それはさておき……

「え~と……皆さんも食べますか?」

『是非っ!!!』

大量にあったテングサが消えたのは言うまで無い。まあ、代わりに店の名前を宣伝させてもらったけどね。まだ、許可制であるけど……いずれはこんな人達も招待できるように頑張らないとな


「ほう、お主も魅了されてしまったか」

「偶然ではありましたが、王がそうなられたのも分かるというものです」

「で、どうする?大商人 ジャータ殿?」

「王もお人が悪い。是非、紹介を!と言いたい所ですが、私より先があるのでは?」

「有効と思うか?」

「長らくの商人の勘がそうしろと言っておりますれば」

「私個人としても、お主としても我が国極秘としたいのだがなあ……」

「仕方ありませぬ。あのには是非立ち上がって頂かねばなりません」

「是非も無し……か。上手くいくことを祈るとしよう」

「御意」

                         第2章 完
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