大海サバイバル! チートな船で俺TUEEE な旅を満喫します

彩世幻夜

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第一章

私のステータスは?

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 オールを漕ぐ、とはいえいきなり大海に漕ぎ出すのも恐ろしく、ひとまず練習がてら島の周りをぐるぐる回ってみる。

 ……うん。波もない池や湖と違い、絶えず波が打ち寄せる浜の近くではボートは何もせずとも大きく揺らぐ。

 久し振り過ぎる、素人の手漕ぎでは、なかなか船は前に進まない。頼りない小舟は波に弄ばれ、ステータスの耐久の数値はどんどん削れ……

 残り3くらいになった頃、そっとボートを降りてみた。

 ボートを降りても波に揺られて耐久値は更に削れていく。
 そして……0になる。

 その瞬間、船は光となって消えた。
 ――何かの比喩ではなく、ゲームの敵モンスターを倒した時のエフェクトの様に、光の粒と化し、ボートは目の前から消え失せた。

 ……こんなんで沖に出なくてやっぱり正解だった。
 と、思いはするけど、しかし同時に島脱出手段が完全に無くなった。

 「いや、待て。船にステータスなんてモノがあるなら私には!?」

 うん。多分異世界転移と思われるこの状況。そのお約束は取り敢えず試してみるべきだよね?

 よし!

 「ステータス!」

 ……。
 …………。
 …………………………。

 何も、起こらない。

 実に厨二病ど真ん中な行為をした挙げ句、何も起こらない。こんな恥ずかしい事って……!
 誰も居ない無人島なのが不幸中の幸い、か。

 「くっ、鑑定! 能力値測定! ……アイテムボックス!」

 恥を忍び、他に誰も居ないのを良い事に、ラノベあるあるお約束ワードを片端から叫んでみる。

 ……。
 …………。
 …………………………。

 何も、起こらない。

 誰も見る者は居ないと分かっていても、羞恥に精神力を削られ、地味に疲れた。

 ほんの少しだけ、と、僅かな木陰の下で腰を下ろす。
 それまで脇に抱えていたシャチのぬいぐるみを抱えてい体育座りしようとして――その違和感にふと気付いた。

 「……あれ、何、コレ」

 ぬいぐるみはシャチなので“首”と言って良いのかどうかは微妙なところだけども、まるで首輪ペンダントの様に、玉鎖がついている。

 シャチの顔を正面から覗き込み、そっとぬいぐるみを持ち上げると……

 「これは……ボトルシップ?」

 ペンダントトップに付いた、小さな小瓶。
 ……ボトルシップ、と言うと横にした瓶に小さな船の模型の入ったそれを言うんだろうけど。
 これは縦に瓶を使い。その底に青い砂粒が固められ。その上に、見覚えのある木製の小舟の模型が入っている。

 そっとそれに触れてみる、と――

 「“耐久値全回復まであと1時間35分”」

 ……どうやら、耐久値を越えても船が霞の如く消えて無くなる訳ではないらしい。

 しかし、周囲に陸地の無い大海で突然船がこんな小さな模型になってしまえばどうなるか。

 「……やっぱり詰んでませんかね?」
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