大海サバイバル! チートな船で俺TUEEE な旅を満喫します

彩世幻夜

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第一章

船の進化

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 ……この島に居ると気づいた瞬間が、果たして何時頃だったのか。
 時計なんて無いここで、そんな事を知れるはずもなく。
 そもそも時間の数え方も地球と同じで良いのかすら分からない。

 だけど、船の復活まで1時間半近く待ち、“ピコン”とアラート音がした頃には日は随分と水平線に近づきつつあった。

 地球と同じく日が沈むのが西の空なのであれば、あちらが西なんだろう。

 まぁいい。ぬいぐるみのペンダントに触れる――と、「“船を出しますか?”」とアナウンスが問う。

 「――ああ」

 そう答えれば、浜に再び見覚えのある手漕ぎの木舟が現れた。

 ……船自体は相変わらずただの木の船、だけど。
 「普通の船じゃないよね」

 私はもう一度、あのカーナビみたいな画面に触れてみる。

 もっと何か情報が無いかと。


 すると――
 「ん、何だろうこの数字」

 “Exp 98/100”

 「……Expて、経験値……かな? あと少しで満額貯まるな」

 これが貯まったらレベルアップするのかな?
 レベルアップしたらどうなるんだろう?

 「貯まった経験値って、あれだよね、さっきの練習の成果だよね、多分……」

 なら、もう少し頑張ってみるか。

 もう一度、島の周りグルグルを何周かしてみると。

 「“経験値が一定数貯まりました。次の選択肢より経験値の使用方法をお選び下さい”」

 とアナウンスされた。

 選択肢とな?
 取り敢えず船のステータスを確認してみる。

 すると確かに二つの選択肢が画面に表示されていた。

 一つは〈手漕ぎの木船 Lv2〉、もう一つは〈手漕ぎの金属アルミニウム船 Lv1〉。

 ちなみに〈手漕ぎの木船 Lv2〉は、二人乗りだったのが少し大きくなって四人乗れるようになるだけらしい。

 「……今の状況で積載量だけ増えても意味ないよね」

 と、言う訳で。船のレベルアップより船の進化を選択した。

 すると一瞬で、茶色い木肌のまま塗装もされていなかった船が、真っ白なボートに変わった。

 ステータスを改めて確認してみる。

 ◆手漕ぎボート
 ・金属製
 ・耐久 449/500
 ・攻撃 1/5
 ・特殊 無
 ・所有者 潮谷しおや 晴海はるみ

 ・Exp 1/200

 うん、耐久性能が多少上がった程度かな。攻撃力の最高値も若干上がったけど正直これじゃ誤差の範囲と言わざるを得ない。

 こうなると……

 「食事と水、どうするかな……」

 海なんだし、魚は居るだろう。
 それに海水を蒸留すれば真水になる。

 ずっと続けるのは無理でも一時しのぎにはなる。

 「……どっちにせよ火を熾せなきゃ駄目だよね」

 燃やせそうな物は――
 
 「まぁ、無いよね。潮風に常に晒されたヤシの木が、上手く燃えなきゃ……」

 あーあ、「着火!」って言ったら火が出るとか。
 攻撃魔法なんて贅沢は言わないから、生活魔法レベルの魔法が使えたらなぁ、と、考えていると。

 「わっ!」

 突然、小さな火の粉が私の指先に舞ったのだった。
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