大海サバイバル! チートな船で俺TUEEE な旅を満喫します

彩世幻夜

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第一章

ひょうたん島

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 その島影がうっすらとした影から次第にはっきり見えるようになるにつれ、私の頭の中にはあの歌がループで流れ始めた。

 正直まともには覚えていない。だから、覚えている部分だけ延々と、「ひょっ○りひょうたん島~♪」って。

 幼稚園生の落書きみたいな小島よりはだいぶ大きい。

 ひょうたんのくびれの部分に当たる場所が砂浜になっていたので、まずはそこに船をつけて、上陸。船を片付ける。

 シャチのぬいぐるみを片手にあたりを見回す。

 ひょうたんの尻側の部分は火山ではなさそうだけど、岩山がそびえ立っている。その麓に注ぐ沢と小さな滝があり、その先には池がある。

 その池の面積は、先の小島より大きい。この中でボートを走らせるのは問題なさそう。

 何より木々が豊富で薪には困らなそうだし、幸い果物も見つけた。

 少なくともあの小島よりは居心地の良さそうな島だった。

 「しばらくはここを拠点に群島を見て回るか」

 けど、あの木陰もまともにない小島で随分と体力を消費もしたし。

 「今日明日くらいはゆっくりするか……」

 だけど、まだちゃんと見て回ったわけでもないこんな場所で見張りもなく眠れない。

 私は再度ボートを出し、池の真ん中まで進め、錨を下ろした。

 ここならワニでも居ない限り、まず泳いで来なければ私に手は出せない。
 水に入れば音もするだろう。

 私はボートの中で横になった。
 ああ、眠い。……柔らかいベッドが恋しいけど、疲れきった私はすぐに寝入ってしまった。



 「(――きて)」

 ん……、何?

 「(ぉきてー!)」

 うるさいなぁ、気持ちよく寝てるんだからも少し寝かせてよ、疲れてるんだから。日本じゃないなら学校だって無い……

 「(お・き・ろー!)」

 なんだか知らないけど耳元で騒がれ、仕方なく起き上がる。

 「てか、何なんだよ……」
 「(あー、やっと起きた!)」

 さっきから騒いでいたのは……

 「お前、何」

 なにか、タツノオトシゴに蝶の翅を……それも半透明で虹色に輝く翅を持つナニカだった。

 「何って、ひどい! これでもボクは水の精霊様なんだぞ! 偉いんだぞ! 漁師村ではお供えが貰えるくらい有り難がられるんだぞ!」

 「その偉い精霊様とやらが何の用よ?」

 「えへん。神様のお願いされたから来たんだよ、君と契約してあげる!」

 「は?」

 なんか、イラッとしたのでとっさにそいつを掴んでやろうとした――のに、
 「うわっ! 何するんだ!」
 「……は? すり抜けた?」

 確かに触れたはずの軌道だった、のに、何かに触れた感触もなく手は空を切った。

 えいえいえいと指先でつついてやろうにも、幽霊でも突いている様に指がその体を突き抜ける瞬間を何度も見せられては……

 「チッ、」
 どうやら実体の無いらしいコレを捕らえるのは無理らしいと諦めるしかなかった。
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