大海サバイバル! チートな船で俺TUEEE な旅を満喫します

彩世幻夜

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第三章

過ぎた道具は身を滅ぼす

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 悩みに悩み。

 「ねーねー、そんな事より早く神殿に……!」

 「うるさい、バグった音楽プレイヤーみたく同じ事ばっかり言ってないでたまには生産的な事を言えないの?」

 騒ぐオルカを抑えて、今日も“釣り船DX”で沖に出て、ルーチンワークをこなす。

 ……オルカは……ね。ホントうるさいんだけど。

 非常に残念な事に、コイツのお陰で使える水魔法がなければモンスターや獣に対抗する術が、今の私には無い。

 そして、本格的に私しか居ないこの群島で、こんなのでも一応意思疎通の出来る相手が居るというのは、孤独の恐怖を紛らわせてくれていた。……本当に、本ッ当~に不本意だけどね。

 「何度も言ってるでしょ? レベルとかステータスとか上げなきゃそんな遠くまではまだ行けないんだって」

 モンスターを倒して経験値が入るようになって。
 毎日それなりの距離を往復して。

 「この世界に突然来ちゃったあの時よりは移動可能距離は格段に増えたもの。この短期間でよくやったって褒めて貰っても良い成果だと思わない?」

 「けどっ……! 早くしないと……!」
 「……理由も分からず急かされてもねぇ」
 「だって、神様は言っちゃ駄目って!」

 ……正直。

 平和な日本で暮らしてきて。むやみに生命の危機のある旅に出たいなんて、まず思わない。……よっぽど切羽詰まって自暴自棄にでもならない限りは。

 不満と言えば食事事情だけど。
 ……そして食に貪欲な日本人としては確かに改善を試みたくなる不満ではあるんだけど。

 こんな訳の分からない状況で、そんな賭けに命をベットするなんて危険は冒せない。

 ああ、そう言えば。
 自分の手に余る物は持たない方が良いって祖父さんが言ってたっけ。
 無理に手に入れて、使おうとしても結局自分の身を危うくするだけだって。

 「私は、ただ死にたくないだけなんだよ。……だから、まだもうしばらくはこの船でこの群島巡りに勤しむとするよ」

 「そ、そんな~!」

 だって……ねぇ?

 ラノベで自分のステータスを確認できるって、お約束能力は何故か船の事しか分からない。

 自分のレベルも、攻撃力も防御力も、HPもMPも。

 モンスターが居る世界で、けれどゲームの様に死んだからと言ってセーブデータからやり直し、なんて事が可能な保証は何処にも無いのだから。

 安全マージンはいくらあっても困らない。むしろ無いと非常に困るのだ。

 「うわ~ん、神様助けて~!」

 ※……※……※……※……※……※……※……※……※

 「……はぁ」

 「すでに三国、彼女の捜索に人を出しています。彼女の居る界隈まではまだ相当時間がかかるとはいえ、あの子一人では心許ないどころではありませんわ」

 「……仕方ない。彼女を、呼んでくれ」
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