大海サバイバル! チートな船で俺TUEEE な旅を満喫します

彩世幻夜

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幕間②

暗殺者の旅立ち

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 「……嘆かわしい事だの」

 艶めかしい肢体を持つ彼女は、その手に持った報告書を眺めて顔をしかめた。

 「この世界は狂っておる。正さねば、我が国のみならず多くが滅びの道を進むことになりかねん」

 そのけしからん太ももを惜しげもなく晒し、ピンヒールを履いた足を堂々と組み替えると、ミニ、と言うのもおこがましい、履いている意味の分からないスカートから、毒々しい派手な下着がチラリで収まる範囲を越えて見えている。

 「と、言う訳でな、お前に頼みたい仕事があるのだよ」

 と、その蠱惑的こわくてきな唇から妖艶な声が彼に命じる。

 「……私は元より貴女様の下僕。勿体ぶらずにとっとと命じたらいかがです?」

 対して、その命令を受ける少年はまだ幼さの残る顔立ちの割に、悟り切った無表情のまま、その紅玉の様に美しい瞳で女王を見上げた。

 ……少年と女王の距離が、もう少し近ければ。少年は、女王のけしからん巨乳に阻まれ、その表情を伺い知る事は出来なかったかもしれない。

 しかし、彼からは彼女がとても綺麗に微笑むのがしっかりと見えていた。

 「そうねぇ。では、命じましょうか。ある人物を一人、探し出して頂戴。そして、見つけた後の処理については貴方の判断に任せるわ」

 「その、ある人物とは……?」

 「さぁな。私も知らん!」

 「は、はぁ? そんなヤツをどうやって探せと?」

 「探す手段ならあるぞ。これだ!」

 ドヤ顔で女王が手にしていた物は……

 「……ただの片眼鏡モノクルにしか見えないのですが。それでどうやって探せと?」

 いずれかの貴族の紋章でも付いているとかならそこから辿れる手掛かりもあるだろうが、素材も特別なものを使っているようには見えない、何の変哲もないモノクル。

 「これは魔道具だよ。かけてご覧」

 楽しげな女王。半信半疑で身に着けると……視界に地図と光る点が二つ現れた。

 一つは青の光。地図を見れば、これが自分の現在地を示しているのが分かる。

 そして、南の果ての群島と、小さな島国との合間の海にもう一つ、赤い点が存在した。

 「そう、その点が示す人物を見つけて欲しいのだよ。見つけたなら接触し――その人となり次第でその後の処遇を決めろ」

 そう女王が命じる人物が何者なのか。

 ――女王直属の影たる自分が知る必要は無い。

 「畏まりました。支度を整え次第出発します」

 「ああ、任せたよ。それと。この任務中はアルトと、アルト・レーヴェと名乗りなさい。我が国に数ある商家の一つ、その放蕩次男坊よ」

 この日、女王子飼いの影たる暗殺者が、人知れず旅立った。

 名は、無い。
 仮の名は、アルト・レーヴェ。
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