大海サバイバル! チートな船で俺TUEEE な旅を満喫します

彩世幻夜

文字の大きさ
43 / 162
第四章

フェリーのレベルアップ

しおりを挟む
 「“レベルアップに必要な経験値が貯まりました。実行しますか?”」

 アルトの祖国へ共に行く。

 そう話は纏って。

 しかし、船の旅というのは得てして時間のかかるものと相場は決まっているのだ。

 この船、色々とチートな部分はあれど、速度に関しては普通――いや、風任せなこの世界の帆船に比べれば、日本のフェリーはチートそのものであろう。

 が、日本のフェリーとしては何らチート要素の無い速度しか出ない。

 故に、目的地までは半月程かかる見込みであった。

 「ここからここまで、部屋はこの中から好きな所を選ぶといいわ。
 私の部屋に無断で入るのは禁止。
 食事は……貴方お金は持ってるのよね? なら、自販機でも売店でも好きに使っていいわ。
 お風呂だけは入る前に私に一言言ってから入って。私が入ってる時に乱入なんかしたら、容赦なく海に突き落とすからね!」

 そして、海図にラインを引きに操舵室へ戻ると、おなじみのアナウンスが聞こえた。

 「あ、凄いベストタイミング。お風呂が男女別になるのね」

 これだけで即レベルアップは確定したが。

 「ゲームコーナーが増設されるのか」

 退屈な船旅の暇つぶしになる様なゲームが入っていると良いけど。

 「んじゃ、レベルアップお願い!」

 船は即座に光に包まれ――

 「なっ、何が起こった!」

 それが終わるより早く、アルトが操舵室へ駆け込んで来た。
 
 「え、ああ。そう言えば説明してなかったね。
 フェリーをレベルアップさせただけだから気にするな。
 ああ、あと風呂が男女別になったんで、さっきの注意を少々訂正しよう。
 男性用風呂ならいつでも好きな時に使え。
 ただし女風呂に押し入った場合は、事故だろうが故意でなかった云々等の言い訳は聞かないから、そのつもりでな?」

 「……」

 そう凄んでみせたら、フラフラと力なくその場に蹲ってしまったアルト。

 「……一つ、良いか?」

 「何よ?」

 「お前、俺の国に着くまでどこの港にも寄らないつもりか?」

 「うん、だって特に用事があるわけでもないし」

 「そうか。だが、俺には用事があるんだ。頼むから、なるべく早く何処か近くの港に寄港してくれないか。勿論金やら何やらは俺が対処する」

 「いや、なんて私がアンタの都合を聞かなきゃならんのよ」

 「俺の祖国ウィズリア連邦国は、魔族が主に暮らす国。それぞれの種族の首長が己の土地と民を治め、皇帝が各首長の間を取り持つ。そういう国なんだよ」

 「……それで?」

 「そして俺は、吸血鬼だ」

 「は?」

 「常ならば専用の食事を持ち歩いているが……先だって全て海に落として来てしまってな?」

 「………………さっき普通の食事をしてなかった?」

 「そりゃ食事はするさ、俺も“人間”ではないが“”なんでな。それに血の食事は一日に小杯に少し飲めば事足りる、が、長く飲まなければ餓えに正気を奪われる」

 だから、と、アルトは言った。

 「俺に血を吸われたくなければ、人の住む島に寄港しろ」
しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?

青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。 最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。 普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた? しかも弱いからと森に捨てられた。 いやちょっとまてよ? 皆さん勘違いしてません? これはあいの不思議な日常を書いた物語である。 本編完結しました! 相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです! 1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…

ダンジョンでオーブを拾って『』を手に入れた。代償は体で払います

とみっしぇる
ファンタジー
スキルなし、魔力なし、1000人に1人の劣等人。 食っていくのがギリギリの冒険者ユリナは同じ境遇の友達3人と、先輩冒険者ジュリアから率のいい仕事に誘われる。それが罠と気づいたときには、絶対絶命のピンチに陥っていた。 もうあとがない。そのとき起死回生のスキルオーブを手に入れたはずなのにオーブは無反応。『』の中には何が入るのだ。 ギリギリの状況でユリアは瀕死の仲間のために叫ぶ。 ユリナはスキルを手に入れ、ささやかな幸せを手に入れられるのだろうか。

キャンピングカーで走ってるだけで異世界が平和になるそうです~万物生成系チートスキルを添えて~

サメのおでこ
ファンタジー
手違いだったのだ。もしくは事故。 ヒトと魔族が今日もドンパチやっている世界。行方不明の勇者を捜す使命を帯びて……訂正、押しつけられて召喚された俺は、スキル≪物質変換≫の使い手だ。 木を鉄に、紙を鋼に、雪をオムライスに――あらゆる物質を望むがままに変換してのけるこのスキルは、しかし何故か召喚師から「役立たずのド三流」と罵られる。その挙げ句、人界の果てへと魔法で追放される有り様。 そんな俺は、≪物質変換≫でもって生き延びるための武器を生み出そうとして――キャンピングカーを創ってしまう。 もう一度言う。 手違いだったのだ。もしくは事故。 出来てしまったキャンピングカーで、渋々出発する俺。だが、実はこの平和なクルマには俺自身も知らない途方もない力が隠されていた! そんな俺とキャンピングカーに、ある願いを託す人々が現れて―― ※本作は他サイトでも掲載しています

お兄様、冷血貴公子じゃなかったんですか?~7歳から始める第二の聖女人生~

みつまめ つぼみ
ファンタジー
 17歳で偽りの聖女として処刑された記憶を持つ7歳の女の子が、今度こそ世界を救うためにエルメーテ公爵家に引き取られて人生をやり直します。  記憶では冷血貴公子と呼ばれていた公爵令息は、義妹である主人公一筋。  そんな義兄に戸惑いながらも甘える日々。 「お兄様? シスコンもほどほどにしてくださいね?」  恋愛ポンコツと冷血貴公子の、コミカルでシリアスな救世物語開幕!

【完結】異世界に召喚されたので、好き勝手に無双しようと思います。〜人や精霊を救う?いいえ、ついでに女神様も助けちゃおうと思います!〜

月城 蓮桜音
ファンタジー
仕事に日々全力を注ぎ、モフモフのぬいぐるみ達に癒されつつ、趣味の読書を生き甲斐にしていたハードワーカーの神木莉央は、過労死寸前に女神に頼まれて異世界へ。魔法のある世界に召喚された莉央は、魔力量の少なさから無能扱いされるが、持ち前のマイペースさと素直さで、王子と王子の幼馴染達に愛され無双して行く物語です。 ※この作品は、カクヨムでも掲載しています。

本の知識で、らくらく異世界生活? 〜チート過ぎて、逆にヤバい……けど、とっても役に立つ!〜

あーもんど
ファンタジー
異世界でも、本を読みたい! ミレイのそんな願いにより、生まれた“あらゆる文書を閲覧出来るタブレット” ミレイとしては、『小説や漫画が読めればいい』くらいの感覚だったが、思ったよりチートみたいで? 異世界で知り合った仲間達の窮地を救うキッカケになったり、敵の情報が筒抜けになったりと大変優秀。 チートすぎるがゆえの弊害も多少あるものの、それを鑑みても一家に一台はほしい性能だ。 「────さてと、今日は何を読もうかな」 これはマイペースな主人公ミレイが、タブレット片手に異世界の暮らしを謳歌するお話。 ◆小説家になろう様でも、公開中◆ ◆恋愛要素は、ありません◆

大学生活を謳歌しようとしたら、女神の勝手で異世界に転送させられたので、復讐したいと思います

町島航太
ファンタジー
 2022年2月20日。日本に住む善良な青年である泉幸助は大学合格と同時期に末期癌だという事が判明し、短い人生に幕を下ろした。  死後、愛の女神アモーラに見初められた幸助は魔族と人間が争っている魔法の世界へと転生させられる事になる。  命令が嫌いな幸助は使命そっちのけで魔法の世界を生きていたが、ひょんな事から自分の死因である末期癌はアモーラによるものであり、魔族討伐はアモーラの私情だという事が判明。  自ら手を下すのは面倒だからという理由で夢のキャンパスライフを失った幸助はアモーラへの復讐を誓うのだった。

転生してチートを手に入れました!!生まれた時から精霊王に囲まれてます…やだ

如月花恋
ファンタジー
…目の前がめっちゃ明るくなったと思ったら今度は…真っ白? 「え~…大丈夫?」 …大丈夫じゃないです というかあなた誰? 「神。ごめんね~?合コンしてたら死んじゃってた~」 …合…コン 私の死因…神様の合コン… …かない 「てことで…好きな所に転生していいよ!!」 好きな所…転生 じゃ異世界で 「異世界ってそんな子供みたいな…」 子供だし 小2 「まっいっか。分かった。知り合いのところ送るね」 よろです 魔法使えるところがいいな 「更に注文!?」 …神様のせいで死んだのに… 「あぁ!!分かりました!!」 やたね 「君…結構策士だな」 そう? 作戦とかは楽しいけど… 「う~ん…だったらあそこでも大丈夫かな。ちょうど人が足りないって言ってたし」 …あそこ? 「…うん。君ならやれるよ。頑張って」 …んな他人事みたいな… 「あ。爵位は結構高めだからね」 しゃくい…? 「じゃ!!」 え? ちょ…しゃくいの説明ぃぃぃぃ!!

処理中です...