大海サバイバル! チートな船で俺TUEEE な旅を満喫します

彩世幻夜

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第五章

入港拒否されました。

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 翌日は、アルトが部屋から出てくる事は無かった。
 いや、時折用を足すのにトイレとの往復はあったけど、私が部屋の外に居る時には決して出て来なかった。

 翌々日。……部屋から呻き声が聞こえる気がするんだけど……大丈夫だよね!?

 更にその翌日。

 私は彼の部屋の戸をゆっくりノックした。

 「――島影が見えて来たわよ」

 島近くまでは問題なく進めるが、港に着岸するなら、私一人じゃ無理。それは先日の一件で良く分かっている。

 その瞬間だけは、彼に出て来て貰わねばならなかった。

 「……お前は、しばらく操舵室から出るな。俺が甲板に出て対応するから」

 ぜぇぜぇとただ事じゃ無い様な息遣いの合間に途切れ途切れに返ってきた返事。

 かなり切羽詰まってるみたい。……本当に大丈夫なのかしら?

 言いつけ通りに操舵室に閉じこもってると、殆どほふく前進みたいな感じでのそのそと甲板を這う怪しい人物が目に入る。

 ……あれ、必要書類やお金が揃ってても不審人物って事で厄介事に巻き込まれたりしない?

 見えてきた島は、アルトの言う通り緑色の山しか見えず、港には最低限の建物しか無かった。

 が、食料を積み込む大型の船を係留できる様、港は立派な造りになっていて、その一番端の桟橋から中型の帆船が大急ぎでこちらに向かって来た。

 ……が。

 甲板のアルトの姿を見咎め、途中で突然スピードダウンした。

 そして何やらワーワーと大声で何か叫んでいた。

 アルトが、何か対応していた様だけど、一向に船は近付いて来ず、むしろわらわらと港を塞ぐように同型の船が港から出て来る。

 あー、これマズイなーと思いながら、何を言い合っているのかと言い合いに耳を傾けてみた。
 ……そう言えば今更だけど異世界でも言葉は通じるらしい。
 どうやら神様は船と一緒に言語チートも付けてくれた様だ。

 で。耳を澄ませてみると――

 「魔族は出てけ!」
 「吸血鬼なんざ入れる訳ないだろ!」
 「島には家族も親戚も居るんだ、血を吸われちゃかなわん! しかもそんな弱った様子丸出しな奴を入れれば人死が出かねん! 断じて入れる訳にはいかん、それでも無理に通ろうとするならこちらも考えがあるぞ!」

 ……あー。成る程、入港拒否されてる訳ですね。

 「とっとと国に帰りやがれ!」

 あ、大砲向けてきた。
 こりゃヤバい。

 とっとと逃げなきゃ!

 「あ、おい、こら、勝手に何を……!」
 こちらを見上げてアルトが不満を叫ぶが、
 「大砲向けられて、うっかり船に何かあったらどうすんのよ!」

 いくら耐久値を越えなければ攻撃は無効と言われても、大砲一発に耐久値を幾つ削られるかも分からない。

 「とっとと戦線離脱するよ!」

 私はまたしても、島への上陸を諦めざるを得なくなったのだった。
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