大海サバイバル! チートな船で俺TUEEE な旅を満喫します

彩世幻夜

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第五章

異世界の町並み

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 「ウェスの港は専ら商業港として賑わっているからな。表通りにはこの国の大店が一通り、本店なり支部を置いている」

 それは、貴族御用達の店から、庶民向けの店まで幅広く揃い――と言うか、商店以外にはせいぜい飲食店しか見ない。

 「宿屋的なものは……無いの?」

 「一つ手前……こちらから言うと一つ先か、馬車で一時間程の距離にある街が宿場町なんだよ。だから大概はそっちで宿を取り、この街では商家かそこらの飲食店で商談を済ませるか、そもそも船で来てたら船に部屋があって当たり前。そう言う街だよ、ここは」

 この港もまた、欧州風のおしゃれな街だった。

 え、入港手続き?
 ……これまでの苦労は何だったんだって、脱力したくなりそうなほど呆気なく、すんなり終わったわよ。

 一応船を片さなきゃならないから、船は端の方に着け、アルトに周囲を見張っていて貰いながらさっさと消した。

 港の人には、私達だけ降ろしてすぐに出港したと説明して。

 「あれ、じゃあ教会は……」

 「次の宿場町にはある。今日はその宿で夜を明かし、明日から王都へ立つ。何か買い物があるなら今の内に済ましとけ」

 「……ならまずは現金を作らないと。この魔物素材を買ってくれそうな所、どこか知らないかしら?」

 船の冷蔵庫、及び物置のアイテムボックスは、船を片してしまえば物の出し入れが出来なくなる。

 だから、事前に売れそうなものだけ出してまとめておいたのだけど……。

 「そういった物なら冒険者ギルドが買ってくれると思うぞ? だが、登録者しか売買は認められていないが……」

 「え、それだと私マジで一文なしなんですけど。買い物どころか宿にすら泊まれないんですが」

 「……城へ行くまでの食費と宿代は俺が持つぞ? ……つーか多分経費で落とせるだろ」

 「……オネガイシマス」

 本当に、私に与えられたチートは船だけで。

 ……精霊の籠で魔法は使えるけど、戦闘のプロじゃないしね。本気で裏の職業の方が不意打ちで殺しにかかってきたら。

 チートな船の上でならまだしも、陸の上じゃ私に為す術は無い。

 そう考えると、アルトを契約で縛れたのはある意味助かった。

 ……あれから毎朝、指から血を吸われるという代償付きではあるけどね。
 あれ、痛くはないし大した量を持ってかれる訳でもないけど、とにかく恥ずい。

 見た目は間違いなく美形なアルトが、私なんかの指に毎朝齧り付いて血を舐める、そんな艶めかしい場面に耐えねばならないのだ。

 「なら、とっとと隣町へ出立しよう。馬車を捕まえて来る」

 私はアルトの背を眺めながら、ため息を吐いた。
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