大海サバイバル! チートな船で俺TUEEE な旅を満喫します

彩世幻夜

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第七章

ダンジョンに罠は付き物

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 「……あ」

 カチリ、とごく小さな音がして。

 「――阿呆」

 クイッと首根っこを引っ掴まれて体を引き戻されるそのすぐ耳の脇を、何かが凄まじいスピードですり抜けた。

 直後、カツンと軽い音を立てて、一本の矢が洞窟の壁に突き刺さる。


 「あああ……、また……」

 うっかり踏むと矢が飛んでくる、実にありがちな初歩的な罠だ。
 さっきは矢ではなく毒液の飛んでくる罠に手を触れ、その前は巨大な岩玉に追いかけられた。

 出てくる敵モンスターは、先に聞いた通りスライムやゴブリンなので、難なく倒せていたのだが。

 ここで、思わぬ難敵が現れた。

 「げ、現実の罠ってこんなに厄介だったんだ……」

 ゲームでは、罠っぽい物が敢えて分かりやすく描かれていたり、またそれに対応するスキルがあれば避けるのもそんなに難しい事でもなく。

 うっかりしたとしても、一部の即死罠出ない限りはヒットポイントが少し削れるだけだったり、状態異常、あるいは一定時間動けなくなるペナルティーがあったり。
 あくまで、その程度。ポーションでも飲めば解決する話。

 しかし、現実は。

 罠は巧妙に仕掛けられていて、さっぱり見分けがつかない。

 アルトは普通に避けているのだから、そう言うスキルもあるんだろうけど、個人ではスキルを持たない私では避けようがなく。

 初級の罠でも怪我をすれば痛いし、毒を浴びれば苦しいだろう。
 ポーションは一応持っているけど、その程度の軽症にそうホイホイ飲める数は持ってきていない。

 アイテムボックスの無い現実で、金銭的な問題を度外視したとしても、99本も持ち歩くとか不可能なんだよ、マジ。

 「……分かった。これはしばらく一階層で罠の見分け方、避け方諸々覚えて貰う。クリアするまで先へは進まない」

 六回目に罠に嵌まった後で。

 アルトが深~いため息を吐いた。

 「明日からだ。今日はもう引き上げるぞ」

 「え」

 ……今日の戦果。
 スライムとゴブリン合わせて数十体。

 宝箱が一層からあるはずもなく、ドロップ品も安い薬草とか錆びたナイフとかばかりだった。

 「……何だ?」

 アルトに睨まれ口を噤む。

 アルトが居なきゃ、初級の罠で死んでいた可能性だってあったのは自覚してるから。
 反論は、出来ない。

 船に戻り。
 初・ダンジョン記念と称してビールを開け、冷凍たこ焼きをつまみに自分を慰めた。

 「……なんだ、このエール。旨すぎないか? この味でこんな子供の駄賃みたいな値段で良いのか!?」

 日本の有名メーカーの缶ビールにいたく感激する男が目の前ではしゃいでるけど、今は知らん。

 「それはエールじゃなくてビールってお酒だ。お金があるなら好きに飲めばいい。ただし飲みすぎて二日酔いになっても自己責任だからな」
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