大海サバイバル! チートな船で俺TUEEE な旅を満喫します

彩世幻夜

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第八章

映画鑑賞

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 新しく出来てから。
 殆ど利用できていない施設というのはそれなりにあって。

 その最たる一つがここ、映画館だった。

 たまの休みくらいのんびり過ごすのも良いだろうと、今日は映画を見ると決めたのだ。

 さーて、何見ようかな。

 ああ、ちなみに見られる映画は映画のネット配信サイトが配信している映画に限られるらしい。

 まぁ、私は映画なんて基本話題作くらいしか観ないから、メジャーな作品さえ揃っていれば文句はない。

 カフェテリアで軽食を買い、それを持ち込み一番いい席に陣取り、じっくり見たいタイトルを探す。

 「映画とは何だ」

 とアルトが興味を示したので、観劇の様なものだと説明した。

 「アルトも観る?」

 是と答えられたので、なら初心者向けの映画にしたほうがいいな、と。
 少なくともホラーとかSFものとかこの世界では理解が難しいだろうジャンルは弾く事にして。

 選んだタイトルは「パイレーツ・オブ・カリビアン」。

 「……あの者達の珍妙な髪型は何だ?」

 と。映画に出演する貴族役の役者の、音楽室に飾られたモーツァルトやバッハみたいな髪型を見てアルトは驚く。

 「……当時の貴族の間では、あの髪型がマナーとされてたらしいよ」

 「ああ。貴族というのはどこの世界でも珍妙なナリをしたがるものなのか。我が国でも一昔前にはおかしな髪型が流行ってな。女帝は黒歴史だと嘆いていたが」

 いやぁ、あはは。現代日本にも玉ねぎヘアーにお菓子を仕込む有名人が居ますがね。

 「……何と言うか、本当に魔法のない世界なのか?」

 CG演出を見ながらアルトは首を傾げる。

 ならば、と。
 次に選んだタイトルは邦画。なんの変哲もない日常の恋愛モノ。

 「これが、私が住んでいた国だよ」

 「……鉄の塊が馬車より速く走り、空を飛び、遠くの情報も一瞬で伝わる。魔法のある世界より余程も恐ろしいな」

 その日常の風景として背景に映る光景を見て、アルトは言う。

 「エアコンだの水道だので驚いていたのにな。これが当たり前の世界から、こんな時代遅れの世界に人を召喚して。どうもてなす気だったんだろうな、連中は」

 乾いた笑いを漏らす。

 「……特定の職以外の人は、多分この世界の人より個人の戦闘力は圧倒的に弱い。……剣を突きつけられて脅されれば言う事を聞くしかなくなると思うよ」

 「それでは本当に人攫いの所業だな。暗殺者の俺が人の事を言えた立場じゃないが」

 映画を観るのに慣れていないアルトは、二作目を見終わった時点で疲れていそうだったので、今日の映画鑑賞は終わりにして。

 「呑まない?」

 と、アルトを酒の席へと誘った。
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